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2020. 05. 07  

と考えておられる方もいらっしゃるかもしれません。
楽かどうか、稼げるかどうかは別として、在宅でできる仕事には違いありませんから。

Twitterでは、ある翻訳講座に関するツイートがよく流れてきます。
そのやり方を踏襲すれば、英語力がなくても簡単に翻訳者になれるのだとか。
(講座受講費用はかなりの金額でしたが)

「翻訳」がどういうものかよく分からなければ、そういうものかと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
私も、他の業種や職種が実際どのようなもので、相応の収入を得ようとした場合、どれくらい頑張らなければならないかということは、正直よく分かりませんので、それも当然かと思います。
(私は翻訳で継続して収入を得るのはかなり大変なことだと思っています。そして、どんな仕事も、同じように勉強や工夫や努力が必要なのだろうなと思います。楽して稼げる仕事などありません)

「屋根裏」は、「自分の場合はこうです(こうでした/こう思います)」というスタンスで記事を書いているのですが、今回のみ、「翻訳をしてみたい」「翻訳に興味がある」という方を(読者として)念頭に置いて、できるだけ安価に「翻訳とはどういうものか」に関する情報を得られるよう考えてみました(独断と偏見ですが)。
(私は英和翻訳者ですので、そちら方面(?)中心の情報になっておりますこと、ご容赦ください)

書籍:
1 『できる翻訳者になるために プロフェッショナル4人が本気で教える 翻訳のレッスン』(講談社、2016年)
2 『最新版 産業翻訳パーフェクトガイド』(イカロスムック、2019年)
https://www.ikaros.jp/sales/list.php?srhm=0&tidx=36&Page=1&ID=4555

まず手に取る書籍としてこの2冊を選びました(他にも何冊も「これは」という書籍はありますが、「できるだけ安価に」ということで2冊に絞りました)。
1を読むと、「翻訳とはどういうものか」という輪郭が掴めるのではないかと思います。2は、翻訳エージェント寄りの内容になっている点が若干気にはなりますが、業界の動向や各種産業翻訳に関するおおまかな知識が得られると思います。全国のエージェント一覧表もあります。

ウエブサイト(ブログ):
書籍1、2で輪郭が掴めた方には、以下のブログ(記事)をお勧めします。

Buckeye the Translator
Budkeyeこと井口耕二さんのブログ。
「翻訳」そのもの、翻訳の品質、ビジネス的側面等、ためになる記事が満載です。いくつかご紹介しようと読み進めましたら、逆にどれを外していいか分からなくなってしまいましたので、わりと最近のものから3本選びました。どの記事にも、ご本人が関連する過去記事へのリンクを張ってくださっています。

誤解されやすい翻訳業界の常識――産業翻訳は情報を伝える、文芸翻訳は心を伝える

ひょうたん図

JTF翻訳祭2019のレポートを読んで思ったこと-その3「機械翻訳に関する提言について」


岩坂彰の部屋 
ノンフィクション書籍とニュースの翻訳をされる岩坂彰さんが、以前ウエブマガジンに連載された記事をまとめたもの。前半(~28回)は翻訳者以外の翻訳関係者に向けて、後半(29回~)は翻訳学習者を念頭において書かれたとのこと。かなり古い記事ではありますが、基本的な考え方は変わらないかも知れないと思いましたので、第1回、第2回の記事へのリンクを張りました。

なぜ翻訳をしなければならないのか

翻訳者が伝えるべきもの


翻訳横町の路地裏
齊藤貴昭/Terry Saitoさんのブログ。翻訳者として「翻訳会社に搾取されない、自分を卑下しない、翻訳者としての自分を大切に」という視点からさまざまな記事を書いてくださっています。


翻訳に必要な7つのカード ー翻訳を独学するー
YujiさんのKoujou Blogの記事。「翻訳を独学するには何が必要か」が、それらの関係性も含めてまとめられた素晴らしい記事だと思います。勉強を始めようという方は、まずここから。


書籍のおまけ:
『翻訳とは何か:職業としての翻訳』(山岡洋一、日外アソシエーツ、2001年)
上記のブログ記事(翻訳に必要な7つのカード)でも触れられている山岡洋一さんの著書。翻訳をされる方なら、どこかで一度読んでおかれるのがいいと思いますが、翻訳(の勉強)を始める前より、少し勉強してからの方が身につくことも多いのではないかと思いましたので、最初のX冊からは外しました。


ウエブ上の辞書:
翻訳者はCD-ROM形式の辞書を揃え、それらを串刺し検索するというのが、今も一般的なやり方かと思います。けれど、辞書を揃えていくにはそれなりにお金も掛かります。そこで活用したいのがウエブ上の辞書。無料辞書もたくさんありますが、内容が玉石混淆ですので、それだけに頼るのは危険です。そこで私のお勧めは、Japan Knowledge Personal。少し高くなりますが+Rのオプションがお勧めです。「利用できるコンテンツの一覧」を見ると分かるとおり、基本辞書に加え、「ビジネス技術実用英語大辞典V6」(通称「海野さん」の最新版)の他、「理化学英和辞典」「医学英和辞典」「岩波 生物学辞典」などの専門辞書、ヨーロッパ言語辞書も検索できるからです。
https://japanknowledge.com/personal/price.html

蛇足ですが、医療翻訳者としては、この他に、

日本医学会 医学用語辞典
http://jams.med.or.jp/dic/mdic.html
(要登録)
ライフサイエンス辞書
https://lsd-project.jp/cgi-bin/lsdproj/ejlookup04.pl
(日英翻訳時にコーパスが便利)

も重宝しています。

また、辞書ではありませんが、JTF(日本翻訳連盟)が昨年発行された『JTF日本語標準スタイルガイド 』(2019年8月20日)も、訳文表記の指針になるかと思います。作成にあたって参考にされた資料の一覧も付記されています。


上で紹介した書籍やブログをじっくりと読めば、翻訳はどんな仕事なのか、どんな能力・資質が必要なのか、それをどんな風に身につければよいのかが、分かってくるかと思います。
決して、手元にPCがあり、インターネットに接続でき、英語がそこそこ読めればできる仕事ではないことも、お分かりいただけるのではないかと。

この先、翻訳でそれなりの収入を得ることは、今までにも増して難しくなるのではないかと思います。私自身も、「いつ仕事がなくなるかもしれない」という不安と戦いながら毎日を過ごしています(体力も落ちてきたし…)。それでも翻訳を続けて行くには、業界や顧客の動向を読みつつ、もっと力をつけるしかないと思っています。

そんな、明るいかどうか何とも言えない業界ですが、今は、おそらくどんな業界でも多かれ少なかれ事情は同じですよね。核となり幹となる考えをしっかり持ち、勉強して力をつけていくことを厭わなければ、翻訳者として長くやっていくことは十分可能だと思います。一人でも多く、そうした翻訳者の方が育っていって下さればと思います。
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こんなときだから
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Comment
Re: タイトルなし
MINAMIさま、はじめまして。

ひゃー、こんな迷ったり悩んだりばかりのブログをお訪ね頂き、本当にありがとうございます!
私は、翻訳歴だけは長いですが、なかなか自分(と自分の訳文)に自信が持てず、こちらの記事に紹介した諸先輩方に少しでも近づきたいと思いながら日々努力し(ようと思いながら毎日が過ぎ)ています(Koujou blogさんの場合は、私よりかなり年下の方なので「これからの方」と心密かに期待しています)。考えたり教わったりしたこと(&読書感想文)ばかりで、業界記事は(イベントは別として)少なめではないかと思いますが、そんな屋根裏でも、少しでもお役に立てていたら嬉しいです。
JTFのスタイルガイド、ジツは、記事を書くに当たって初めて真剣に読んだのですが(笑)、本当に助かる内容ですよね。

ニュージーランドは、これから冬に向かう季節ですね。
トップがしっかりしておられるので(羨ましい)、大過なく感染症もやり過ごせそうな気はしますが、どうぞくれぐれもお体ご自愛ください。

引き続き月2~4回程度の緩い更新になると思いますが、これからもどうぞ宜しくお願い致します。
初めまして。ニュージーランドで翻訳の仕事をしている者です。ニュージーランドの翻訳団体には属していますが、なかなか日本の翻訳業界についての情報交換を気軽にできる人がいないので、貴ブログをずっと拝読して、いつもためになる情報、仕事への姿勢を教えていただいてきました。
今回は特に、大変役に立つ情報をありがとうございます。JTFのスタイルガイドをさっそく読みました。これまで、朝日新聞社の用語の手引きを使っていましたが、日本の翻訳団体のしっかりしたスタイルガイドは大変助かります。
この機会に日頃からのお礼を申し上げようと、投稿いたしました。
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プロフィール

Sayo

Author:Sayo
医療機器の和訳も9年目。
老眼腰痛、最近は膝痛とも闘いつつ
翻訳人生をまっとうしようと奮闘中。
この頃になってやっと翻訳の奥深さ・
難しさ・楽しさが分かってきたような。
記事は「翻訳一般」多め、ときどき読書感想文、本業(医療機器)やや少な目。
(2019年4月現在)

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