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屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。


フィギュアスケートファンの方は、ご存じの方も多いと思いますが、「早稲田ウィークリー」に町田樹さんのインタビューが掲載されています。
先週前編が掲載され、今日、後編がUPされました。
https://www.waseda.jp/inst/weekly/features/specialissue-skating3/

ソチ五輪シーズンの飛躍からの...翌シーズンの全日本選手権での電撃引退は、ファンの方の記憶には新しいところでしょう。
その後、ご自分のウェブサイトを開設されたので、ときどきチェックしていました。上述のインタビュー記事も、こちらのサイトで知りました。
http://tatsuki-machida.com/index.html

最初はユニークなEXプログラムが気に入り、その活躍を追うようになったのですが、ソチ五輪シーズン後、雑誌媒体でインタビューを読む機会が増えるにつれ、「感覚をきちんと(ときに饒舌に)言葉にする人だ」と思うようになりました。的確な言葉にするために、その裏でかなりの部分を「考えること」に費やしているようにも思えました。ソチ後のインタビューで(世選など大きな大会の)開催や運営にもちらと言及していましたので、引退のタイミングには驚きましたが、大学院進学という現役引退後のキャリアについては、特に驚きは感じませんでした。

でも、今回のインタビューを読むと、彼は、私の想像を遙かに超えた視野を持ち、はるか先まで見据えているようです。
「言葉で語る」ことへの言及もあり、また「言葉にする」ことで生じる責任についてもきちんと理解しています。
ここまでのことを考えていたフィギュアスケーターは、私の知る限り今までいなかったような気がします。とにかく、こんな風に理路整然とスケート界の発展やその中での自分の役割について、自分の言葉で語る人はいなかった。というわけで、今日のタイトルは「ニュータイプ」としてみました。

以下にインタビューから、いくつか引用します。
ごく一部だけを切り取るということが難しかったため、長めの引用になっています(引用元を明記しているのでいいかなと)。興味が湧かれた方は、かなり長いですが、インタビュー全編を読んで頂ければ。
下手に感想を挟まない方がいいかなと思いましたので、町田さんの言葉のみを引用しました。主な対象読者は早稲田大学の学生さんでしょうが、翻訳者としても頷ける言葉がたくさんありました(個人的には「言語化することによって、競技力が飛躍的に向上する」の部分ですかねー)。

(以下、引用はすべて上述の「早稲田ウィークリー」から)

***

「修士課程を終え、博士後期課程に進学した今、研究活動を進めれば進めるほど、学術研究という営みの中にある『怖さ』と『奥深さ』を痛感するようになりました。まず『怖さ』とは、学部や修士課程での学びは『知識を得る』という段階で済みますが、博士課程では研究の成果を学会などの公の場で発表していく上で、その一言一句には社会に対する重い責任が生じるということです。生半可なことでは『研究の成果』などと言えないですね。何よりも学問にとって必要な謙虚さを、いつでも大切にしたいと感じています」
「(奥深さについて問われて)研究にはゴールがありません。自分が解決したいという課題に対して少し近づくことができたと思ったら、また新たな課題が出てきてしまう。終着点がなく、多様性や可能性が無限に広がっているのが研究という世界なんです。肉体的な限界に縛られやすいアスリートと違って、年齢を重ねるがゆえに奥に進めるという魅力です」(前編3)

「選手生活を離れてみると、世の中は勝ち負けだけでは動いていないという当たり前のことに気づきます(中略)ですから誤解を恐れずに言えば、競技力を磨くことはアスリートにとって本義ではありますが、その能力だけで実社会を生き抜いていくことは難しい。アスリートが競技者人生の大半を費やして磨き上げるスキル(競技力)と、実社会で求められるスキルとの間に見られる齟齬(そご)が、アスリートのセカンドキャリア問題を難しくする最大の要因だと、私は考えています」(後篇1) *逆に、アスリートとしては「信念を曲げないマインド、99%の苦難の先にある1%の光を信じることを学んだとも(Sayo注)

「そんな(”表舞台で活躍しているアスリートのみならず、行政、科学、経済学などあらゆる側面から『スポーツ』がつくられている”という)視点は、現役の選手にとっても大切です。アスリートとしてのキャリアは、遅かれ早かれいずれ終わります。スポーツ科学を勉強し、スポーツ文化の広がりを知ることによって、引退後に広がるさまざまなセカンドキャリアの可能性に気づくことができるんです。実は私自身、引退の2年ほど前から研究者としてのセカンドキャリアを見据えることによって、むしろ自信を持ってアスリートとして競技に打ち込めた」(後篇2)

「解説をするにあたっては、アスリートの『体感覚』を伝えることを心掛けています。アスリートは、理屈ではなく体感覚でパフォーマンスをするものです。そんなアスリートの感覚を言語化することが、解説という仕事に課せられた一つの重要な役割だと思っています」
「私自身、現役時代から意識的に言語化することを心掛けていました。なぜなら、言語化することによって、競技力が飛躍的に向上するからです。無意識的に感じている体感覚を言語に留めておくことによって、スランプに陥った時にもう一度『こういう感覚だったんだ』と確認することができるんです。また言語化することによって、表現の説得力も向上するんです(中略)私自身、解説の仕事は、スポーツを言語化するという意味で、研究の延長として捉えているんです」(後篇3)

***

現役時代は「氷上の哲学者」と呼ばれ、インパクトの強かった発言の一部がメディアに切り取られ、映像とともに繰り返し流されたため、(自分もそうだったのですが)彼が「言葉で表現する」ことにも長けた人であったことは、見過ごされがちだったように思います。
現役引退後に出演したショーの演目について、彼自身がウェブサイトで解説していますが(プログラムアーカイブ)、いずれも「伝えたいこと」が無駄なく的確な、そして豊かな言葉で表現されていて舌を巻きます。
今年もいくつかのアイスショーに出演する予定のようで、今季のプログラムが「New work, coming soon」となっています。「何を踊るのか」と併せ「どう解説してくれるのか」が楽しみでなりません。

そして、もちろん、今後どんな研究者になり、どんな風にフィギュアスケートに関わっていくのかも。
2018.04.09 21:14 | フィギュアスケート(14-15 season~)  | トラックバック(-) | コメント(0) |
というわけで「The Ice大阪公演」です。

ワタクシは、最近は、競技もショーも、ほぼYou Tubeさんのお世話になるというフィギュアファンの風上にも置けないえせファンになり果てていて、技術的なことはあまりよく分からず、自分の好みのプログラムかどうか、グッときたかどうか、身体の動きや足捌き、ペア競技の場合はユニゾンも含めて美しかったかどうか、くらいで「このプログラム/今日の滑り、好きやな/よかった」を判断していますので、ファンの方の役に立つ記事ではないと思います。あくまで思ったこと、感じたことだけ。

(順不同)
・もっと寒いかと思ったら、場内「普通に冷房」の状態。薄手のカーディガン1枚あれば十分。
・パントン、シニアデビューの頃から見てきたけど、正直、こんなしっとりしたカップルになるとは思わなんだ。キレイ。
・ミライちゃん、3A成功(にしとこう、若干Shakyで試合ではビミョーな感じもしたけど)。
・高橋さん、鈴木さんは「濃い」プログラムが合うな~。でも、個人的には高橋さんは、ソチ五輪の「ビートルズメドレー」が好き。
・引退してなお進化を続ける織田くん。今の方が伸び伸び滑れるんかな。色々パンケーキのご紹介ありがとうございます。1軒行きました。
・初なま小塚イーグル。やっぱり美しかった。でも、個人的には本田コーチのイーグルの方が好きかな(あくまで個人的見解です)。

氷を削るシュッシュッという音、耳に心地よかったです。でも、本当は音がしない方がいいんだっけ。
「愛のアランフェス」という漫画の終盤に、主人公カップルのライバルのロシアカップルのFP演技中に突然音楽が途切れてしまうけれど、それは意図したもので、そのうち、2人が滑るときの氷を削る音が音楽のように聞こえてくる、という場面がありますが、音楽のない「音を作り出す」プログラムを見てみたいです。そのうち町田さんが挑戦してくれる、かもね。

今年のThe Iceは、「プログラムでこれまでの浅田真央を振り返る」という構成になっていて、敢えていうなら、テーマは「浅田真央」でしょうか。
昨年のThe Iceも経験している友人によれば、「今年のThe Iceは神公演」なんだそうです。

個人的には、浅田真央さんの滑りは、「ジャンプがなくても十分素晴らしい」と思えるものでした。メリハリがあり、緩急があり、ちょっとした仕草や顎の上げ下げ具合からも訴えてくるものがある。男女を問わず、そこまでのレベルに達することのできるスケーターは少ないのではないかと思います。彼女が練習で会得したものと人間として成長する中で得たものが、見事に融合しているように思えました。2文字で表現すると「円熟」という陳腐な言葉しか思いつかんですが。

途中、こっそりうるうるした場面が2回ありました。
「浅田真央の過去の使用曲を出演者たちがメドレーで踊る」という趣向の最後に、本人が「リチュアルダンス」(FP)を踊ったときと、アンコール曲「Wind Beneath My Wings」のときです。アンコールの途中で彼女の様々な写真がスクリーン上に流れ、最後に「みなさん、ありがとう」というメッセージが出るのですね。あとでプログラムを読んだら、本人インタビューに、「ファンのみなさんに、スケートを通して私の気持ちを伝えたいという思いだけをもって滑りたいです。もう、本当に感謝だけ」とありました。十二分に伝わるものだったと思います。今思い出してもうるっときてしまいます。

プログラムには、各出演者から、真央さんへのメッセージが書かれており、(マオにメッセージを、てことで「言葉が選ばれた」部分はあるでしょうが)、宇野くんのような後輩からバトルのような先輩まで「背中や(スケートへの)姿勢や真心をみて感化された」というようなことを書いていて、彼女は本当に、黙々と練習し試合に臨み結果を受け入れ、「背中で語る」スケーターだったのだなあと改めて思いました。

何よりも、いきいきと、楽しそうに幸せそうに滑っていたのが、とても嬉しかったです。

来年また新たな旅立ちのThe Iceを見たいですが、これから彼女がどんな道を選ぶかによって、もしかしたら、今年が最後のThe Iceになるのかもしれません。
いいもの、というより、心洗われるものを見せてもらいました。

そんなわけで、心は氷の上に置いてきました。
できれば、来年拾いに行きたいものです。
それまで、こちらのブログはSayobotが頑張って繋ぎます。
2017.08.02 13:53 | フィギュアスケート(14-15 season~)  | トラックバック(-) | コメント(0) |
単にThe Ice 2017というアイスショーを観に行った、てだけなんですけど。
で、翻訳には全然関係ない話なので、恒例の「お好みでスルー」でお願いします。

炎天下、グッズ&パンフレット販売と入場のための列に延々並びましたよ。あ、トイレの列もね(年取るとトイレが近いのでね)。
The Iceは浅田真央さん引退後の初アイスショーということで、今年は例年以上の人気だったようです。ワタクシたちも、3人で先行抽選玉砕を繰り返した上でのスタンド席GETでした。
今は国内のショーや試合のチケットはなかなか手に入らないみたいですね。時代は変わったもんだ(しみじみ)。

アイスショーは、14年ぶりです。
(上)では、軽く、過去の数少ないアイスショーと試合の体験を振り返っておきます。

初めての生観戦は第3回NHK杯(in 神戸)。五十嵐文男さんが2連覇された年です。
男子フリーとエキジビションを観戦しました(当時のNHK杯最終日はそういう構成だった)。
35年も前の話なので、記憶もあやふやですが、ジャンプの着氷の音がスゴかったことは鮮明に覚えています。
エキジビションのトリは男子優勝の五十嵐さんで、アンコール曲が終わっても何度もアンコールに応えてくださって、最後は、もう音楽がない中、ステップやバレエジャンプを披露してくださいました。
また、「有望ちびっ子スケーター枠(?)」で、まだ小学生の伊藤みどりさんが参加していて、ジャンプを決めるたびに「やったー」と叫びながら滑っていたのも懐かしい思い出です。

日本で試合(やショー)を見たのはそれが最後で、あとは米国でのショー体験になります。
アメリカに住んでいたのは、米国でフィギュアスケートが大きな盛上がりを見せていた2000年前後。シーズン中は、毎週のようにTVで試合やアイスショーが放映されるという、ワタクシにとってはまさに夢のような環境でした。ワタクシの英語力はフィギュアスケートによって(偏りをもって)培われたといっても過言ではありません。

当時、米国では、全米各地を巡る大きなショーが2つありました。11月末のレイクプラシッドでのお披露目公演(?)を皮切りに、主に2~3月に行われるStars on Ice(当時はプロスケーターのみ)と、4~6月に全米各地を巡るプロアマ混合のChampions on Iceです。前者はプロアマ参加型として現在も継続されていますが、後者は主催会社が経営破綻したり人気が低迷するなどして、2007年に打ち切りになりました(まあ、ワタクシが観ていた当時も、どちらもSold Outはなかったですが)。
あくまで個人的な好みですが、オープニングとフィナーレ以外は各人がそれぞれのプログラムを滑るというスタイルのChampions on Iceより、グループナンバーの多いStars on Iceの方が好きでした。

Champions on Iceは、プロはその年のショー用の演目、アマはエキジビション用の演目を滑るというスタイルでしたが、特にプロには一般受けするコミカルなものが望まれたようで、その昔「氷上の貴公子」と呼ばれたペトレンコが毎年コミカルなナンバーを披露するのを観るのは、ちょっと悲しいものがありました。まあ、案外、本人は楽しんでやっていたのかもしれませんけど。
プルシェンコは当時はまだ20歳前後でしたが、ある年は「Sex Bom」のようなキワもの(?)を披露したかと思うと、ソルトレーク五輪の年はFP「カルメン」を4回転ジャンプだけ抜いてきっちり踊りきるなど、当時から観客を掴む術に長け、振り幅の広さも圧倒的でした。
当時はミシェル・クワンの人気が絶大で、他のスケーターは「Olympic Bronze Medalist and Two-time World Champion」「Three time National Medalist」(テキトーに作ってみたもので、特定の誰かを指している訳ではありません)みたいな枕詞とともに紹介されるのですが、クワンはいつも「America's own」と紹介されていました。それだけ米国民としてクワンという選手が誇らしかったのでしょう。今回、浅田真央さんが「One and Only」(だったと思う)と紹介されていて、その表現が最適かどうかということは置いておいて、当時のクワンとちょっと似ているなあと思いました。

Stars on Iceは、もちろん振付師さんはいるんですが「スケーター皆で作り上げています」感が強く、現役スケーターの中には、引退したら「Stars on Ice」に就職(?)したいと考えている方も多かったようです。ソルトレーク五輪終了後に引退を表明したエルドリッジは、その足で(というのは言葉のアヤですが)「Stars on Ice」に合流しています。
Stars on Iceでは、創設者だからということもあるのでしょうが、スコット・ハミルトンの人気が絶大で、当時でもスケーターとしてはかなり年配でしたし闘病中でもありましたから、毎年全公演に参加という訳にはいきませんでしたが、ツアー参加時は、コールされただけでスタオベという、ちょっと異常な状態でした。
佐藤有香さんも参加されていて、よく「バターナイフでバターを塗るような」と評されるスケーティングをStars on Iceで初めて見ました。

あれから14年。
満員の大阪市立体育館を見渡しながら、この比じゃないくらいデカい(らしい)さいたまスーパーアリーナも満員になるんやな、としみじみしたのでした。
2017.08.02 13:51 | フィギュアスケート(14-15 season~)  | トラックバック(-) | コメント(0) |
・・・を書こうと思っているうちに第4戦が始まっちゃったよ~。

そんなわけで、今日はフィギュアスケート関連の記事ですんで、お好みによりスルーでお願い致します。

今年もYou Tube様のお世話になりまくりの日々です。そんなにがっつり仕事をしている実感はないんですけど。これが老化というものなのかもしれません(しみじみ)。心に残った(主に日本)選手を思いつくままに。

*スケートファンの方に来て頂くには申し訳ない内容の薄い記事なので、いつものように名前をローマ字表記しています。

スケートアメリカ

Shoma Uno: 素晴らしい「誰も寝てはならぬ」で、まだあどけなさが残るのに、妙に色気がありました(変な意味ではありません)。引退したTakahashiさんがUno選手の年齢の頃は、まだ「スケートの上手いフツーの選手」だったことを考えると、「このまま成長したら恐ろしいわ~(?)」と思わずにはいられません。これからが楽しみです。
最近は、実況のおっちゃん(・・・でも、多分私より若いと思いますが・・・)の感想や解説を聞くのが楽しみで、主にEURO Sportsの動画を見ているのですが、Uno選手のFPはベタ褒めでした(嬉)。

Shibutaniz(アイスダンス): ここ2~3年、個人的には「もっとできるよね」とちょっとやきもきする部分があったのも事実ですが、今年は「なんか、違う」感。マイアのコッペリア可愛い! 兄妹のペアということで、例えば「恋人をモチーフにできない」とか、表現の幅が狭まるというハンデはあるかと思うのですが、そこを乗り切って頑張ってほしいです。

スケートカナダ

Yuzuru Hanyu: 今年のFPは「SEIMEI」。暫く前に野村萬斎さんとの対談をTVで見たのですが、その影響か、細かな部分が初披露時とは微妙に変化したように感じました。完成が楽しみです。

Patrick Chan: 何となく「どれかのジャンプを失敗する」というイメージがあるのですが、今回は最初から最後まで素晴らしかったです。ワタクシは素人なので、難しいことは申せませんが、ステップ以外の足捌きが素晴らしく、「ただ滑っている」時がないように見えました。今回、久々のノーミスプログラムだったので、余計にそう思ったのかもしれませんが、どのジャンプも、音楽のアクセントの音にぴったり合わせて着地していていました。うんむ~、やっぱり、Chan恐るべし。

Daisuke Murakami: そのChan選手の直後に、素晴らしい演技を見せてくれましたが、彼の後だからこそ、足捌きのつたなさや音合わせの微妙なズレが目立ってしまったような気がします。ただ、昨年より、Whole Packageとして魅力あるプログラムを見られるようになったかなと。今後の成熟(決して若くはない年齢なので、成長ではなく成熟とさせて頂きました)に期待です。

中国杯

Rika Hongo: SPもFPも彼女のよさが引き立ち、欠点(猫背気味)が目立たない、観客もノリやすい、いいプログラムだと思います(ワタクシも好き~)。これまでのところ「本番ではミスしない」という印象ですが、今後ジュニア世代が育ってきて、「失うものはなく、常に挑戦する」という気持ちに僅かの揺らぎが生じたときに真価が問われるのかなという気もします。

Mao Asada: 休養前までは、アップテンポの「楽しい」系の曲にも、「そういう曲だから楽しく見えるように滑ろう」という「努力」を感じましたが、休養を経て肩の力が抜けたというか何というか。SP、本当に楽しげに滑っていました。FPではジャンプミスもありましたが、彼女がスタートポジションに立ったときの静謐な雰囲気というのは、誰にも真似できないものがあるなあと、改めて思いました。帰ってきてくれてありがとー。

Boyang Jin: FPに4回転4回って、どんな身体やねん! ただただ、その4回転のために選手生命を縮めないように、とそれだけしか言えません。スピンやステップも昨年より(それなりに)上達していて、今後どこまで行くのだろうと思わずにいられません。

KAVAGUTI / SMIRNOV(ペア): カワグチさんは荒川さんと同い年くらいだと思うのですが、未だに進化し続けるペアです。FPでミスをすることが多いのですが、今回はほぼノーミス。美しー、とため息。

HongoさんのSP→
https://www.youtube.com/watch?v=f-6nZ4D2jm8
HongoさんのFP→
https://www.youtube.com/watch?v=M2rCKxE6Vek

おまけ
最後に、カート・ブラウニングのノージャンプ・プログラムへのリンクを貼っておきます。公式戦初の4回転ジャンパーで、決してジャンプが苦手という訳ではありませんし、映像当時30台前半ですから、まだまだジャンプを跳べていたと思うのですが、あえてステップのみで構成したプログラム。アメリカのTV番組で見たのですが、鳥肌が立ちました。今回、Chan選手の素晴らしい足捌きをみて思い出し、一生懸命You Tubeさんを探して、探し当てたのですが、「著作権者からの申立てにより音声トラックがミュート」て、それ何やね~ん!! 音にもびしっとあっとるんやがな~(記憶では)!! それでも、と言ってくださる方はコチラから→
https://www.youtube.com/watch?v=1zOoV9QsjRQ
2015.11.14 01:05 | フィギュアスケート(14-15 season~)  | トラックバック(-) | コメント(0) |
今年も何かと気が散る季節がやってまいりました。(年中気が散っているという説もありますが・・・)
ジュニアグランプリシリーズはすでに後半戦ですが、来月にはいよいよシニアグランプリも始まります(てことで、今日は基本フィギュアスケートの話題なのだった)。


そんな訳でソワソワし出した先日、Sports NAVIさんに、振付師宮本賢二さんのインタビューが掲載されました。

前編→http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201509160006-spnavi
後編→http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201509170004-spnavi

ミヤケンの愛称で呼ばれる宮本賢二さんは、海外でも知名度の高い振付師さんで、あまりに忙しくされていることから、「2年先まで予定が詰まっている」とか「常に(仕事で)移動するためホテル住まいである」といった話がまことしやかに囁かれています。
10年ほど前、巷に「一流のプログラムを滑りたければ海外振付師で」的な雰囲気がソコハカとなく漂っていたことを考えると、記憶に残る数々のプログラムが日本人振付師の手で生み出されているという事実には、本当に感慨深いものがあります。

現役時はアイスダンスの選手として、有川梨絵さん、その後都築奈加子さんとペアを組んでおられました。当時は海外在住のため、雑誌でしかその(概ね国内での)活躍を知ることはできなかったのですが、宮本・有川組の海外ジャッジからも高評価を得たというプログラム「古事記」は、今でもYouTubeで見ることができます。本当によい時代になったものです(しみじみ)。

「古事記」(2001年全日本選手権)
https://www.youtube.com/watch?v=uTiqSK5sBWU

ミヤケンさんは、時々バラエティ番組にも出演され、真面目な顔や発言で笑いを取り、周囲に臆することなく飄々と受け答えをするその姿をひと言で表現するなら「(結構)軽い・・・」(あくまでTV画面からの印象です<念のため)。

「振付師宮本賢二」のインタビューは、そうしたともすれば「調子のいいお兄さん」的な印象を、よい意味で覆すものでした。様々なもの・ヒト・滑りを本当によく研究し分析しておられます。もちろん、そうでなければ、海外の有名振付師と肩を並べることなどできないに違いありませんが。

My翻訳者アンテナに引っ掛かった箇所は何箇所もありましたが、とりあえず2箇所だけ挙げておきます(あっしもそれなりに忙しい身体なもんで)。

(忙しい体なので)依頼を断ることも多いのでは、と問われ、

「いっぱいありますね。基準として、週6日以上練習しない人には振り付けをしません(中略)どんなに上手でも、一流じゃない人は振り付けはしないです。やはり一生懸命練習している選手が一流だと思うので」

と答えています。現役時代(の言動)から「努力を見せる人、努力していることが分かる人」という印象はなかったので、そんなミヤケンさんが、このような明確で厳しいMy基準を持っておられるとは思わず、何だか嬉しい驚きでありました。

また、

「若手の選手を振り付ける際、彼らの武器を最大限生かすようなプログラムを作るのか、それとも少し背伸びをさせるプログラムを作るか」という質問に対しては、

「少しだけ背伸びをさせるようにします。その子に合ったものだけをすると、1年間それをやるので、やっぱり慣れてしまうんですよね。慣れてしまうと動きは小さくなるし、見ていて感じるものが少なくなる。だからちょっとだけ難しくて、しんどい中でやっていたら、試合のころには、それがぴったりはまるようになるというような振り付けをしています」

と答えています。どうすればその選手が伸びるかを考え、常に少し先(の完成形)を見て作業をするというかなと思います。そういう「今だけを見ない」という姿勢は、翻訳者としても、同じ場所で立ち止まらないために、参考にすべき部分かなと。


そんなワタクシ、今年は、木原万莉子選手に注目しています。
2年前には、「病気を克服」ということばかりが話題に上った感がありますが、今年しみじみと海外試合の動画を拝見して、改めて「踊る選手だな」と思いました。
大田由希奈さんと同じ濵田門下生のようで、手先まで動きが美しいのはさもありなんという感じですが、大田さんを「優しい、流れるような美しさ」と表現するなら、木原選手は、未完成ではありますが「緩急のある強さを感じさせる美しさ」という感じで(まあ、視聴したのが「ブラックスワン」というのもあるかもしれませんが)、腕や手先の使い方が、どこか現役時代のミッシェル・クワンを思い出させます。

そんな彼女の、ジェフリー・バトル振付けの今季FP「ブラックスワン」の動画はコチラ。
http://skating.livedoor.biz/archives/51932589.html
失敗もあり決して得点はよくありませんが、腕の上げ下げや手先まで気を配っているなあということが分かるかと。

今年はNHK杯にエントリしているようです。
是非よい順位で終えて、これまた全然趣の違う、弾けるようなEXを見せてほしいものです。
2015.09.30 14:39 | フィギュアスケート(14-15 season~)  | トラックバック(-) | コメント(0) |