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2012. 01. 11  
前々回の今年の抱負でちらっと触れた「Clinical Physiology」とは
どんな書籍ぞやというお問合せを頂いたのでした。

ソイツの本名は「Textbook of Clinical Physiology」と申しまして、
「ガイトン生理学」というタイトルで邦訳も出ています。

私が持っているのは10th editionです。
滞米時に安く仕入れました。

初版は1956年、著者のGuyton先生は既に亡くなられ、
現在はHall先生が改訂を行なっておられるようです。
なので著者はGuyton-Hallとなっています。

基本2段組の本なのですが、
全て同一のポイント数ではなく、
老眼のSayoが「年寄りのことも考えろや」と切れてしまうくらい
ポイント数が落としてある箇所もあります。
Guyton先生が初版を書かれてから、
医学の進歩に伴って、様々な追加変更がなされているのだと思います
(にも関わらず、これ以上頁数を増やさないでおこうという
涙ぐましい努力が行なわれているようなのだった<たぶん)。

ソイツが医薬翻訳に必要ですか、と問われれば、
優先度は限りなく低いかと思います。
が。
人体の生理を理解するにはよい本だと思います。

この本は「Physiology」の授業を取った時に、
先生が「医薬関連分野に進む積もりの学生は読んでおきなさい」と
副読本として生徒に勧めてくださったもの。
ちなみに、この時の授業のテキストは、
「Human Physiology – from Cells to Systems」(4th ed.) Sherwood, L
カラー図解も豊富で、なかなか分かり易い教科書でした。
(でも授業のtextでなければ踏破できなかったろうとは思いますが)

Clinical Physiologyは、2色刷りだし文字は多いし、
視覚的に学生を惹きつけようという意味の「やる気」は全くないようです。
(最新版はカラーになったという噂あり)
内容的にも、「解剖生理の基礎を学んだ学生が読む」ことを前提に、
説明が端折られている部分もあったりするので、
「最初の原書」とするにはちょっと苦しいかもです。
私も、授業が始まった頃に勇んでattackし、1度討死しています。

それから、Human Physiologyは片手で何とか持ち上げられる重さですが
(上腕2頭筋の鍛錬には程よい重さです)、
Clinical Physiologyは、非力なSayoは両手でないと5秒以上保持できません。
(索引入れると1000頁超えているのだった)
(いや、重さは関係ないんですが・・・)

Clinical Physiologyの特徴は、
よく言えば説明が丁寧、
悪く言えばしつこくくどい。
(時々音読挫折しそう)
翻訳書を読んだら、睡魔に襲われることは間違いなさそうです(←自分の場合)。

でも、Clinical Physiologyはよい本だと思うのです。
まず英語が平易(専門用語以外で辞書を引く必要はまずありません)
(医学の教科書ってこんな平易な英語で書けるんだなあと、ちょっと感動も)
しつこいが分かり易い(心臓電気生理はこの本ではじめて理解できました)。
しつこさの程度で生理学的重要度が類推できる。
「こうだからこうなる」という因果関係(?)が分かり易い。
正常な状態→異常な状態(=疾患)の順で説明がなされるので、両者が比較し易い。
ホメオスタシスを維持しようとする人体の精巧さを
しみじみと感じさせてくれた教科書でした。

あと、何といっても1000頁ですから。
か~な~り~読み切った達成感はあります。

とはいえ。
たとえば一生ものの生理学的知識を得るために
中長期的な期間を設定してコツコツ勉強するにはとても良い本と思いますが、
今現在医薬翻訳を勉強している状態で、その中に割り込ませるには、
「・・・」
な本ではあります(それなりに高いし重いし)。

私もエセ学生だったので通読できた(した)と思います。
今、いきなり「読め」と言われれば挫折するかと。
音読は自分にとって最早毎日の習慣なので、
特にコイツのために時間を取って復習しているという感覚は、
自分の中にはないので、続けられてますが。

殆ど参考にならなくてすいません。
Clinical Physiologyはそんな(それなりに可愛い)ヤツです。


SayoのBackgroundについては「はじめに」カテゴリの記事をご参照ください。
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プロフィール

Sayo

Author:Sayo
医療機器の和訳も9年目。
老眼腰痛、最近は膝痛とも闘いつつ
翻訳人生をまっとうしようと奮闘中。
この頃になってやっと翻訳の奥深さ・
難しさ・楽しさが分かってきたような。
記事は「翻訳一般」多め、ときどき読書感想文、本業(医療機器)やや少な目。
(2019年4月現在)

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