屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。

無事四十九日(&お骨納め)が終わり、香典返しの発送手続きも済ませ(といっても、基本香典は辞退しているので数件ですけど)、父の遺志(と言っても数年前のものですが)に従って亡くなったことを知らせなかった方々への挨拶状(?)の印刷も済ませました。

相続の手続きは現在進行形。そんなに口座あるんかと尋ねられそうですが、口座数に限って言えば、「あります」。
残高が1万数千円の口座の相続に実印押すのは、ちょっと悲しかったり。

で、今日は久々にお仕事モード(まだ調べ物モードですが)。
新案件は複数名で分担して翻訳をするというものなので、多少お手伝いさせて頂くことになりました。やはり、例年、この時期は猫の手足尾も借りたい忙しさのようです。

で、やっと、タイトルの書籍の話ですが。

私、「医薬翻訳始めました」とはいえ、ほぼ医療機器専従なので、「臨床試験も非臨床試験も関係ないも~ん(ちょっと悲しいけど)」と考えていたんですけど、実は、毒性試験(非臨床試験<いわゆる動物を用いた試験ですね)のうちの「皮膚感作性試験」と「皮膚光感作性試験」については、医療機器も係わって来るようなのですね。

初めてそれ関係のお仕事を頂いた時、翻訳会社さんがきっちり参考資料も付けて下さったので、何とか訳文をカタチにすることができたのですが、英語よりも日本語の方がちんぷんかんぷんな初仕事(英和訳)でありました。
その後、2、3度同じような内容のお仕事を頂く機会があり、そのような試験報告書の文章にも動物関係の表現にも、多少免疫が出来てきたかなとは思うのですが(せっせと単語を秀丸登録したしね~)、一度、動物を用いた試験に特化した書籍をきちんと読んでみたいな~と、ずっと思っていたのでした。

そうして手に入れたのが、
「実験動物の管理と使用に関する指針 第8版」(丸善出版)
(Guide for the Care and Use of Laboratory Animals 8th editionの日本語訳)
「医薬品GLPと特性試験の基礎知識」馬屋原宏(薬事日報社)
の2冊です。

1冊目は書店で偶然遭遇、2冊目はAmazonで「あーでも、こーでも、そーでもない」と悩んだ末に購入したものです。病院の待ち時間にページを稼いでいたのは2冊目の方です。

「実験動物の・・・」の方は、「動物はこう扱うのよ(給餌とか環境等含む)」的な説明(用いられている語句や表現)がかなり参考になりました。

「「医薬品GLPと・・・」は医薬品に特化した内容ですので、正確には今の私には関係ないっちゃあ関係ないものなんですけど、毒性試験各論以外にも、「ICHガイドラインが作成されるようになった経緯」とか「GLPの成立とその必要性」とか「US、EU、日本におけるGxPの解釈と運用の違い」などにもかなりのページ数が割かれていて、GLPとかSOPとか、これまでよく知らないまま略語で呼んでいた文書や基準がなぜ必要なのかという根本的なところが分かったのが、思いがけない収穫でした。

あと、個人的には、これまで参考資料から拾って使用していた「試験系」という言葉、これまでは何となく試験に用いられる動物を指すのかなと思って使っていたんですけど、この本には

GLP第2乗では、「試験系」を「被験物質が投与され、若しくは加えられる動物、植物、微生物又はこの構造部分、又はその対照として用いられるものをいう。」と定義しているので・・・(P.175)

と書かれていて、もっと広義で用いられているということが分かったのが収穫でした。

この本に書かれていることの殆どは、時間が経てば忘れてしまうと思うのですが、「あそこで1回読んだ」くらいのことは記憶の片隅に残ってくれればと思います。索引も充実しているし。

てことで、「さあ、非臨床どっからでもかかってこいや~」と言えたら一番なんですけど、如何せん、過去の経験数が絶対的に不足しているので、今のところ「えーと、あの、どうしてもということでしたらですね、前よりは多少自信を持ってお引受けさせて頂けると思います、はい」くらいの感じですかね。精進精進。
関連記事
2012.02.29 17:13 | 辞書・参考書 | トラックバック(-) | コメント(2) |
月曜日
ひとつ前の記事で「その旦那風邪を貰ってしまったので」と書いた後、発熱した。
久し振りに39度近い発熱で、「インフルエンザやばいかも」と、
掛かり付け爺医先生の夜の部を受診したが、結果は陰性だった。
扁桃腺が腫れていたので、扁桃腺炎との診断で、抗生物質と解熱剤を頂いて帰った。
納品後の発熱ということで、翻訳者の鏡と呼んでください。

火曜日
解熱剤のおかげか、ひと晩で平熱に戻った。ただし、扁桃腺は痛い。
黙々と確定申告の準備に励み、相続の書類作成の下準備をし、ちょっと勉強した。

水曜日
引き続き相続の書類を書き、不明点を相続センターにTEL質問し、満中陰志(香典返し)に同封する御礼文を作成した。
ネットの例文からちょっとずつ拝借。便利な世の中になったものだ。
荒れ放題だった家の中をちょっと綺麗にした。咽喉の痛み、だいぶましになった。
気持ちばかり勉強した。

木曜日
毎年人間ドックを受けていて、甲状腺機能低下症でもお世話になっている、
大阪の某病院を受診した。
ひと月くらい前に、右腋下リンパ節に小さなソラ豆大の腫脹を発見。
上腕、背中、胸から引っ張られる感があり気づいたのだけど、忙しかったので放置。
引っ張られる感はその後すぐに消えたし、押すと軽い圧痛があるくらいだし。
(一応乳癌自己検診はやってみたが、どう探ってみても何もない)でも、まあ気にはなるので(一応色々調べてみたが、肩凝りが原因って訳にはいかないらしい)、
診て貰うなら、お仕事のお休みを頂いている今しかない!と重い腰を上げた。
どこの科を受診したらいいか分からないため、とりあえず総合診療科を受診。
血液内科に回された。
「生検をするほどのものではないと思います」てことで、血液検査をしてみて、その結果でCTを撮るかそのまま様子を見るか考えましょうという話になった。その血液検査と次回の受診はひと月後だよ。ほっとしたような、もやもやしたような。ま、「それくらいほっといても大丈夫でしょう」て話なんでしょう。
病院の常でほぼ日仕事になった。疲れた。
ただし、おベンキョ中の参考書はだいぶページを稼いだ。

金曜日
市役所に印鑑証明書を取りに行った(相続手続きに必要)。
近くにある図書館に寄って「通翻ジャーナル」の最新号を読んだ。
確定申告した(父の準確定申告の書き方で1点不明点があったため、税務署まで出向いた
<ついでに自分の分も提出)。
四十九日のお供物を用意した。
仕事の打診を頂いた(ありがたいことです・・・が、来週確定案件で返事も月曜朝でOKということなので取りあえず保留中)。

たいしたことは何もしてないけど、何だか疲れた1週間だった。
でもそれは、単に年のせいかもしれない。
関連記事
2012.02.24 21:51 | 分類不能 | トラックバック(-) | コメント(5) |
「翻訳が進まない」で悪戦苦闘していた(Sayoにとっては)大型案件ですが、昨晩何とか最終分納分を納品しました。おかげで、ここ1週間は「何も先に進まない」状態で、昨日なんか、冷蔵庫の中はほぼ空で、風邪で臥せる(←これは悪戦苦闘とは関係ありません<念のため)旦那までいましたけど(その旦那風邪を貰ってしまったので、とりあえず、今日は、書類書きなどして大人しくしています<私に風邪をうつした旦那は回復傾向にて出社しました)。この後、来週日曜日の四十九日に向け、翻訳会社さんからは、2月末までのお休みを頂きました。

そういう時は、いつも、簡単に理由を記して「いついつまでお仕事をお休みさせて頂きます。いついつから稼動可能です。その間、少量のもの、量が多くても納期を長めに頂けるものについては、お手伝いできる場合がありますので、取りあえずご連絡頂ければ」というようなメールをお送りしています。
でもって、「お仕事OKよ」な状態になったら、もう一度「お引受できる状態になりました。お手伝いできる案件ございましたら、ご連絡ください」メールを送ります。今回は、期間が10日程度と短いので、たぶん「OK」メールは送らないと思いますが(その後、暫くの間ご連絡頂けない場合は、そろっと送ると思う)、以前は、両親のアレコレで1ヶ月単位で休むことはざらだったので、必ず「OK」メールを送っていました。でないと、忘れ去られてしまいそうで怖くて。何といっても、年数だけは積みましたが、処理量から考えても、たぶん未だに「猫の手」かな~と思いますので。

翻訳会社さんは「空いてるのか空いてないのか分からない」状態よりも「空いてない(けどいつから空く)」とはっきり分かっている方が、お仕事の段取りがつけやすいのかなあと思って、連絡は結構まめにするようにしています(いや、本当のところがどうなのは分からないんですけど)。

その間、諸手続きに奔走するのはもちろんなのですけれど、「機械化」してしまった脳細胞を多少なりとも医薬翻訳仕様に戻してやる(?)ことができればと思ってます。


さて、タイトルの「簡単で難しい単語」ですが。
特に今回のという訳ではなく、ここ数ヶ月何度も苦しんだ単語です。今回もそのような単語に遭遇しましたので、「そう言えばいつも苦しんでるよなあ」と頭に浮かんだコたちです。

Trend
いや、「傾向(またはトレンド)」でしょ、と言われてしまえばそれまでなんですが。
コイツが “… should be trended”とか “should trend …” とかの形をとってやってくるわけです。て言うか、世間ではお前は自動詞じゃないんか? 少なくとも辞書さんたちはそう言っておられますが。でも、Google検索するとかなりの件数がヒットするので、この使い方は、そこそこ一般的に用いられているようです。まあ、日本語も変わっていくしね~、と感心している場合ではなく、コイツの訳語をひねり出さなあかんわけです。その時は、何度も微妙に異なる文脈の中に現れてきましたので、「何でこんな単語にこんなに時間掛けなあかんね~ん!」と身悶えしながら、「傾向をチェックする」「把握する」「取る」「確認する」などの語を使い分けたのですが、次に他動詞trendに遭遇した時に、この使い方ができるという保証はないわけで。ま、いちおー、秀丸に登録しておきました。

Practice
医学翻訳をされる方には、GCPとかGMPとかでお馴染みだと思うのですが、個人的には、practiceの訳語でも苦労することが多い。秀丸のGrep機能で、過去使用例を検索してみると(いつも苦労するので、たいてい秀丸登録している、ということだけは記憶にあるのだった)、「手順」「実践」「実践基準」「手法」「慣行」etc.と、まあ苦労のあとが偲ばれます。Practiceについては、先のGCPやGMPのように定訳がある場合以外、あるいはひと目(ひと読み?)で分かる使われ方をしていない場合は、その場その場で、文脈に即した最適訳語を探すしかないのかなあと思います。そういう「訳語探し」の作業、どちらかと言えば好きな方なのですが、それは、時間がある時の話。仕事中はまず間違いなく修羅場ってますので、「来たな、天敵practice」って感じです。そして、「何でこの単語に10分~」などと呻きながら、(その時だけは)さらなる精進を誓うSayoであった。
関連記事
2012.02.20 12:52 | 翻訳 | トラックバック(-) | コメント(0) |
「果しなき旅路」(ゼナ・ヘンダースン/深町真理子訳)
(Pilgrimage by Zenna Henderson/1959 ハヤカワ文庫SF/1978)

というわけで、今日は読書感想文(?)なのだった
(ていうか、いったい、ここは何のブログなんだろう・・・)。

ちょっと心が疲かな~と思ったりなんかする時に読み返す本なのですが、今回読み返して思ったことは、「昔の文庫本は老眼には優しくないがな」ということでした。暫く前、文庫本のポイント数が大きくなり行間が広がった時には、金の亡者としては、「ひと文字あたりの単価(?)上げたね」と心密かに(優しく)毒づいたものですが、あれは将来のSayoのためを思っての改変だったのね~としみじみ思ったのでした(←全然関係はありません、念のため)。

閑話休題。

「果しなき旅路」の話でしたね。
ハヤカワ文庫版は、一度絶版になったのですが、2000年に読者投票により再び日の目を見たのだとか。ピープル・シリーズ続編として「血は異ならず」が1979年に同じハヤカワ文庫から出版されていますが、こちらは、残念ながら絶版のままのようです。


アメリカの片田舎に隠れ住む、特殊能力を持つ異星人《同胞(ピープル)》と呼ばれる人々が主人公の連作短編集です。
《故郷》である星の消滅から逃れるため、新たな《故郷》を探して宇宙船で旅立った同胞の一部が、操縦を誤って地球に墜落(したのは19世紀末のことだそうです)。生き残った人々は、能力を隠し、ひっそりと生きる道を選びます。描かれるのは、彼らとアメリカ全土に散った《同胞》との再会、特殊能力を持つ(あるいは持たぬ)地球人との触れ合い、新たな《故郷》からやって来た別の《支族》との邂逅などなど。《同胞》の人々は、おしなべて穏やかで善良で(善良すぎるかも)、(地球人と異星人との別を問わず)常に困っている人々に援助の手を差し伸べます。地球人による迫害の描かれるお話もありますが、読むのも辛いという描写ではありません。地味ではありますが、私的には、落ち込んだり疲れていたりした時の癒しの一冊という感じの本です。原作が書かれたのは、1950~60年代に掛けてですから、当時の田舎町を舞台にした映画など思い浮かべながら読んでいただければ、なお宜しいのではないかと。

《故郷》は、《同胞》の人々にとっては、場所(故郷の星)というより「還るべき場所」、つまり「心の拠り所」という意味合いが強いような気がします。「いつかはそこに帰れて、また皆で集えると信じているから頑張れる」みたいな。

当初は独立した短編として書かれたようですが、文庫では、自殺志願の地球人の女性リーと《同胞》の人々との出会い、やり取り、そして彼らの語る話(←が各短編になってます)を聞くうちに彼女が変っていく様が間に挟まれるという構成になっています。とはいえ、前の作品(複数)の登場人物たちが、後の短編でちょっとずつ顔を出していますので、リーの話がなくても、連作短編集と呼べるかなと思うのですが。

どれか1作を挙げるなら、やはり最初の作品である「アララテの山」でしょうか。
この物語を語るのは、自殺志願者リーを助けた少女(「アララテの山」時の年齢は書かれていませんが、「ハイ・スクールの課程は、もう二た夏も前に…終わっている」と書かれていますので、19歳くらい?)カレン。
彼女を含む《支族》の住むクーガー峡谷の学校に、新しい先生がやってきます(9名の生徒が集まれば、学校を開設し、教師の派遣を申請できるのだとかで、カレンは、その「9名」という条件を満たすために、もう一度学校に戻ることになります。「大草原の小さな町」もこんな感じでしたね)。
《支族》の子供たちが、ついつい《同胞》の能力を使ってしまい、《外界人》の教師を驚かせてしまうので、この学校には、先生が長く居ついたためしはなく、学務委員長であるカレンの父は、今度の先生が居ついてくれることを願っていますが、やって来たのがあまりに若い女性だったので、吃驚すると同時にがっかりします。但し、カレンの兄ジェミーは、この新しい先生ヴァランシーとひと目で恋に落ちてしまうのでした。
カレンは、子供たちがヴァランシーの前でボロを出さない(空中移動したり、指を鳴らしただけでものを移動させたり、空に飛び上がったり、日光をひとつかみ掴んでつむじ風を作ったり!)ように心を砕きますが、なかなかうまくいきません。けれど、ヴァランシーは、ふと目にしたそれらの能力に、それまでの教師たちとは違った反応を示します。
実は、彼女自身、強い能力を持つ《同胞》の子供で、彼女の方は、自分以外に《同胞》が生き残っていることを知らず、自分の能力が周りの人間にばれないよう、息を潜めて生きてきたのです。しかし、その能力が明らかになる日が・・・というのが粗筋。

カレン、ジェミー、ヴァランシーの3人は、その後の物語にも何度となく登場します。ピープル・シリーズでは、彼ら以外でも、前の作品の主人公が、後の作品にちらと登場するというパターンが多く、「おおっ、またお会いしましたね」という感じで、その意味でも、続きを読むのが楽しみなのです。

もう1作品を挙げるなら、「囚われびと」。
語り手は、外界人の女性教師なのですが、同時に、《同胞》とよく似た能力を持つ少年と普通の少女の淡い初恋(少なくとも少女トワイラの側は)も描かれます。
少年が持っているのは、「楽器たちに音(音楽)を奏でさせられる」能力。その能力と性格の故に一匹狼の彼と、彼に心を寄せる少女が、月の光の中で、紅葉を舞い散らせながら、それらの音楽に包まれて踊る(しかも空中だし!)場面の描写は圧巻。少年は、その後、《同胞》に見出され、彼らの元に行ってしまうのですが、ラストの「そしてトワイラは ―― もしフランチャーがいつか彼女を迎えにもどってこなければ(わたしはときおり彼女が、彼がもどることを神様にお祈りしているのを知っている)、彼女は死ぬまで彼の魔法を胸の奥にいだきつづけてゆくだろう」という文章は、切なくて泣かされます。

もちろん、大人の読者向けに書かれた小説なのですが、私は、何となく、「少女小説」という、今やこの世から絶滅しつつあるヤングアダルト小説の古語(?)の言葉を思い浮かべてしまうのです。

どのお話も、最後は希望で締め括られていて、正直「世の中そう甘くない」「人の心はそんなに綺麗じゃない」と思う部分がないではないですが、それでもやっぱり、読み返してみると、何だか心洗われる思いがする。そんな作品たちです。あ、だから、読みたくなるんか。
もっとも、10代の頃は、当たり前のように《同胞》に感情移入していましたが、ウン十年経った今は、(最初のうち)頑なに心を閉ざす《外界人》たちの方により心惹かれたりする自分がいて、しみじみ「年取ったよなー」と思うSayoなのでした。

深町真理子さんの訳も、名訳と思います(少なくとも、私にとっては『相性のいい訳文』を書かれる方です<「アナスタシアシンドローム」なんかも素敵♪)。


さて、蛇足ですが、恩田睦さんが、このピープルシリーズに触発されて書いたとご自身仰っている(たぶん)のが、「光の帝国 常野物語」に始まる常野シリーズ。恩田さんの作品の方が、ホラー色が濃く、辛く悲しい場面もしっかり書いてらっしゃるのですが(表題作「光の帝国」なんか涙なくしては読めません<基本、映像より活字に涙もろいので)、全体的には「怖くて切なくて哀しくて、でも何だか暖かい」、そんなお話です。ご参考まで。


SayoのBackgroundについては「はじめに」カテゴリの記事をご参照ください。
関連記事
2012.02.13 21:01 | 和書・洋書 | トラックバック(-) | コメント(0) |
2つの英単語はそれぞれ、薬力学と薬物動態と訳されます。
医薬(特に薬学関係の)翻訳をされている方にはお馴染みの言葉ですよね。

でも(本当はそんなことがあってはいけないんでしょうけど)、普段、医薬関係は「医療機器」に関連する翻訳のみの私は、よく、この2つをごっちゃにしてしまいます。「どっちが、吸収、分布、代謝、排泄だっけー」みたいに。薬物動態は薬動学とも訳されていますので、それを思い出すことができれば、「おお、こっちかー」となるんですけど。簡単に言えば、薬力学は「薬が身体にどのように作用するか」、薬物動態は「薬が体内をどのように動きどのように変化するか」ということになるのかな、と思います。

で、今は、「これから、やっぱり、有機化学と生化学の体系的な知識いるよなー」とか思いながら、医薬の「い」の字もかすらない大型機械と格闘しています(いや、それはそれで面白いんで、好きは好きなんですけど)。

12月後半からそんな感じの日々が続いているので、「このままでは、医薬から離れすぎてしまう」と危機感を抱き、(ほぼ)毎日「Text of Clinical Physiology」の音読と「Basic & Clinical Pharmacology」(8th Ed)の筆写を自分に課しています。といっても、前者は10分ほどだし、後者は1~2パラグラフ程度ですけど(その代わり、いちおー、頭の中で次の単語を予想しながら筆写してます)。
英語の筆写は、今後、医療機器の英訳案件も受けるようになった場合に、多少役に立つかもと思いまして。実務という面から見れば、もっと翻訳(あるいは専門的な内容)に特化した本を読んだ方がいいんでしょうが、基礎体力をつけるのもいいかなと。私は、ホラ、習慣化すると結構苦もなく続けられるヒトなので。まあ、また医療機器のお話を頂けるようになれば(そんな日来てほしい)、色々一(に近い場所)から悩むことになるんでしょうけど。でも、ま、特に医学関係の知識を増やしていくのは楽しいし、そうやって脳を酷使していれば、認知症の発症も遅らせることができるんじゃないかと。あ、逆(酷使→疲労破壊)か。

本当は「薬理学」より「生化学」先だろうって話なのですが、この「Basic & Clinical Pharmacology」は、「年末アマゾン」で購入した12版の旧版で(帰国が決まった時に、「帰国したら簡単に購入できなくなる!」と慌てて購入した書籍のひとつです<参考までに「カッツング薬理学」として訳書も出ています)、「新版が手に入ったから多少手荒に扱ってもいいやろ(いや、よくないんですけど)」ってことで、筆写対象としました(左の肘でかなり体重をかけて開状態にしています<ばらばら事件が起きるのは時間の問題でしょう)。

最近、その中にPharmacodynamicsとPharmacokineticsに関する説明が登場したのでした(何たって、まだまだ概論始まったところですから<でもって、概論で終わりそうな予感)。その説明が、何とも分かり易い。ので、参考までに下記しておきます。

The actions of the drug on the body are termed pharmacodynamic processes (中略) These properties determine the group in which the drug is classified and often play the major role in deciding whether that group is appropriate therapy for a particular symptom or disease. The actions of the body on the drug are called pharmacokinetic processes (中略) Pharmacokinetic processes govern the absorption, distribution, and elimination of drug.
(Basic & Clinical Pharmacology (eighth edition) written by Bertram G. Katzungより)

薬から見た場合が「薬力学」、身体の側から見た場合が「薬物動態」と、何だか妙に納得。
「Text of Clinical Physiology」(ガイトン生理学)でも思いましたが、英語のテキストは、地の文は平易な英語で書かれているものが多いような気がするのでした。
それにしても、英訳案件でどんな日本語原稿がやって来るとしても、ここでgovern、自分では絶対使わへんよな~と、変なところに感心してしまったSayoなのでした。


SayoのBackgroundについては「はじめに」カテゴリの記事をご参照ください。
関連記事
2012.02.09 20:43 | 翻訳 | トラックバック(-) | コメント(2) |