屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。

私は、Wordにベタ打ちで原稿を仕上げることが多いのですが・・・

よく間違うのが「調製」(prepare)と「調整」(adjust)。

特にこの2つが同じ文脈に両方が出てきた時は要注意。
微妙に疲れた目で10行くらいの文章を見ると、この2つは「一卵性双生児」とは言わないまでも、よく似た兄弟か上手な変装くらいにはよく似て見えるのです(<それはお前だけという説もあり)。アブナイ、アブナイ。

そこそこ間違うのが「対象」(イロイロ)と「対照」(control)。

これも同じ文脈に両方が出てくると、変換ソフトくんが判断に迷ってPANICになり、「取りあえず」てことで、直近に使用した語句を提示して来るようです。決して兄弟には見えないんですが、同じような服の同じような髪型の2人の女性をふと間違う程度にはよく似ている。「対照」の近くで「対象」を使用する場合は要注意です。

逆に以外に間違わないのが「曝露」。

たぶん、上の例のように、似たような背格好の語句と間違う可能性がなく、「暴露」としていないかどうかだけを確認できるためではないかと思います。「暴露」と「曝露」を同時に使用する場合はヤバいかもしれませんが、個人的には、これまでのところ、(仕事では)そのような文章に遭遇したことはなかったと思います。

ということで、多少気分転換できたましたので、仕事に戻りまする。
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2014.01.27 16:08 | 翻訳 | トラックバック(-) | コメント(2) |
暫く前に、「日経メディカルを購読しています」という記事を書いたかと思うのですが、1月号を持ちまして、めでたく1年間の購読を終了致しました。

「読み倒したか」「読み込んだか」と問われれば、決して「はい」とは言えないかと思うのですが、「臨床医のための総合医療雑誌」と位置付けられる本誌は、今の自分には何とも中途半端な雑誌のような気がします(かと言って、ある分野に特化した雑誌は、往々にして内容が難し過ぎるし<ちょっとジレンマ)。

薬剤広告(添付文書の抜粋)は、同じものが何度も掲載されます。頻用語句は分かるようになりますが、翻訳作業に関係してその薬剤のことが知りたい場合は、PMDAで得られるその薬剤に関する情報を読まなければなりません。当たり前の話ですが、薬剤広告だけでは不十分。

今回、MEDI QUIZや検査画像の見方などの記事を結構興味深く読みはしたのですが、医師ではない私にとっては、難し過ぎる内容が殆どでした。説明の文章など、「このように書くのか」と大変参考になったのも事実なのですが、そうした「文体」は、さらに購読を続けなくとも、1年分の雑誌を繰り返し読むことで、かなり身につくように感じました。統計に関する記述の含まれる学会報告も同様(そして、一番興味深く読んだのは、実は「医事裁判」に関する連載だったり)。

ということで、今月号にて一応購読は終了。また気が変わるかもしれませんが。

海外も含めた業界の動向や制度変更についての情報を、どこからどのように得るかというのは、その方面のアンテナのカバー範囲の狭い私にとって、今後も大きな課題ではあるのですが、暫くの間は、雑誌は特集号を狙う方向で、試行錯誤していこうと思います。

それにしても、つくづく、自分はウェブ版の雑誌は向かない人間だよな~と思うのでした。フィギュアの記事とかはさくさく読めるのですが、「こうだからこうなる」系の頭を使う記事は、やはり紙に下線、蛍光ペン、付箋で対処しなければ駄目なようです。


・・・とか言っている間に、今年ももう1ヵ月が過ぎようとしている今日この頃。今年は、正月からがしっと読書するぜ(注:お楽しみ読書ではありません)と思っていたあの頃の私は、いったいどこへ行ってしまったんでしょうか(とか言いながら「ナニワモンスター」(海堂尊)を読んでいるSayoなのだった)。
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2014.01.25 00:02 | 翻訳 | トラックバック(-) | コメント(2) |
訃報。
旦那の会社の先輩が亡くなった。
私も何度かお会いしたことがある。

独身で、マンションで一人暮らし。
ご実家のことで、毎日電話で連絡を取り合っていたのが、2、3日連絡が途絶え、不審に思った兄弟の方が部屋を訪れ、椅子に座ったまま亡くなっている先輩を発見されたということだった。特に苦しんだ様子もなかったらしい、ということなので心臓突然死か何かではないかと思う。

事情があって、離れて暮らすご家族を金銭的に援助されていたようだ。一昨年、会社の希望退職に応じた時、少しばかり上乗せされた退職金でその問題を終わらせることができたとも聞いていた。旦那的には、その生き方に、歯痒い思いを抱いたこともあったようだが、先輩なりに一生懸命まっとうに生きてこられたと思う。

葬儀はご実家(地方)で行うということで、遺体は、一晩葬儀社に安置された後、昨日そちらに送られた。地方に住む兄弟の方は、先輩の交友関係については全くご存じなかったらしいが、ひょんなことから行きつけの飲み屋さんの知るところとなり、そこから旦那に連絡が行った。
それが一昨日の夜遅く。旦那は連絡がつく限りの同僚・友人に連絡し、集まれる限りの友人知人が、最後のお別れに出向いたということだ(葬儀社に無理を言って霊安室に通して貰ったらしい)。

霊感の強い(自称)方がおられて、「最後に皆が集まってくれて、○○が喜んでいるのが見える」とか仰られたそうだが、その真偽の程は別として、いわゆる孤独死ではあったけれど、最後は友人達に送って貰えてよかったのではないかと思う。そう思わねえとやってらんねえし。

その晩、旦那は、「2~3日前変な夢を見たんだよね。呼ばれたんかな」とのたまった。私は、「よくしてあげたから、お礼言いに来はったん違う?」と返しながら、その場におられるのかもしれない○○さんの霊に向かって、心の中で「そちらも何かと寂しいでしょうが、ウチのヤツはも少しコチラに置いといてやって下さい」とお願いしておいた。私は旦那を除けば、天涯孤独の身なので。心優しい方だったので、分かって下さったと思う。

享年60歳。

40代に入った頃から、ぽつぽつと友人知人の訃報を耳にするようになった。それでも、40代のうちは、まだどこか「他人事」感があったが、50代に入ると、急に「明日は我が身」と実感するようになった。60まで生きて、あと9年。暫くの間誰かの心に残るような人生を送ることができるだろうか。
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2014.01.17 20:34 | 分類不能 | トラックバック(-) | コメント(2) |
情報機構さんですよ、情報機構さん。
お値段の察しつきますよね。
消費税込み、36750円也の書籍です。
(http://www.johokiko.co.jp/publishing/BA130301.php)

この書籍のお話は暫くあとね。


生物学的安全性試験に関する依頼は結構多く、1回の案件の報告書数が10報などということもざらにあるので、報告書数だけでカウントすれば、昨年だけでも3~40報訳したのではないかと思います。ただ、特にGLP試験では、試験方法も報告書への記載内容も事細かに定められているので、試験報告者(試験所)によって報告書の型もだいたい決まっていて、差分翻訳になることが多いです。慣れてくると楽といえば楽なのですが、逆に、注意ミスによるポカをやらないように気をつけなければなりません。

最初の頃は、どんな試験なのかということもよく分からず、「よく似た参考資料を付けますから」と頂いた資料を基に、ただただ必死で訳していたのですが、先輩翻訳者さんにお役立ちサイトを教えて頂いたり、自分でもネット上で資料を探したりしながら数をこなすうちに、この種の試験で参照する資料はだいたい決まってきました。

1. 参考資料
クライアントさん(ORクライアントが使用した試験所)によって報告書の「型」があるので、既にある型から大きく逸脱しないように翻訳する必要があります。
2. 薬局方 
発熱性物質試験、エンドトキシン試験の場合は、まず薬局方を参照します。
以前は、コチラのPDFファイルをDLしたものを検索していましたが、今は、対訳君に収録のもの(版が違いますが、該当する試験について変更はないよう)を使用しています。
3. 厚労省「医療機器の製造販売承認申請等に必要な生物学的安全性評価の基本的考え方について」の別添
(http://www.pmda.go.jp/kijunsakusei/file/guideline/medical_device/T120302I0070.pdf)
個々の試験については、この資料を参照。個人的には一番使用頻度が高い資料です。
4. 書籍「医薬品GLPと毒性試験の基礎知識」(馬屋原宏、薬事日報社)
医薬品対象ですが、「毒性試験法ガイドライン各論」で、個々の生物学的安全性試験の大まかな内容を知ることができます。
5. 書籍「実験動物の管理と使用に関する指針 第8版」(日本実験動物学会監訳、アドスリー)
動物の取扱いに関する用語を知りたい時などに使用。
6. 実験動物学用語集
日本実験動物学会が編集したものなのですが(http://www.jalas.jp/gakkai/edu_book.html)、時々参照しています。
(書き忘れ追加分)
7. OECD毒性試験ガイドライン
http://jonai.medwel.cst.nihon-u.ac.jp/uploadfiles/file/pdf/OECD%20TG%20Health%20Effects%20jp.pdf


・・・と、手元にこれだけあれば、医療機器の非臨床試験に関する武装はひとまず完成かな、と思います。生物学的安全性試験と言っても、全種類の試験の報告書の翻訳を求められることはなく(あくまで私の場合ですが)、「細胞毒性試験」「感作性試験」「皮内反応試験」あたりが多いでしょうか。その他、「復帰突然変異試験」とか「埋植試験」とか。

ただ、これもあくまで私の場合なのですが、循環器系の医療機器の翻訳を依頼されることが多いため、この他に「血液適合性試験」の報告書に遭遇することがあります。(3)の別添にも、この試験についての記載はあるのですが、「溶血性試験」以外はあまり詳しく記載されておらず、「溶血以外の試験の情報もあればなあ」と常々思っていたのでした。


そこで登場するのが、「医療機器の生物学的安全性試験」(情報機構)です。半年くらい前に情報機構さんのサイトで見つけてから、「目次を見る限り、役に立ちそうだよな~、でも高いしな~」とうじうじしていたのですが、昨年半ば頃から、時々血液適合性試験に関する案件を打診されることがあり、年末に思い切って購入しました(そして風邪を引きました<懐が)。

結果から言えば、購入してよかったです。
これまであまり考えなかった、「なぜその試験をするのか」「その試験では何をどのように見て判断するのか」ということが分かったこと、海外基準(ISO)と国内基準の違いを分り易く説明してくれていること、目次から推測した通り、血液適合性試験についてそれなりのページ数を割いて説明してくれていることなどが、その理由です。

ただ、個々の試験方法については、薬局方やガイダンスの方が詳しいですし、抽出方法、試験方法、判定基準が分かれば実際の翻訳はできるかなと思いますので、非臨床試験の翻訳にどうしても必要な書籍だとは思いません。お値段的なこともありますし。
また、今の自分には有用ですが、非臨床試験の翻訳を始めた頃の自分にとっては、たとえば、書いてあることが殆ど理解できず、宝の持ち腐れ以外の何物でもなかったと思います。「将来のために所持しておく」べき資料であるとは思えません。

これまで、頂いた参考資料の記述については、多少「?」という部分があっても、調べがつかず自信のないものについてはそのまま使用してきたのですが、この本を一読して、「やはりこの語はおかしい」「この語を使用する時は気をつけないといけない」ということがありました。

その1つが、以前「非臨床、in triplicate」でも話題にした「in triplicate」です。たくさんの方からコメントを頂き「概ね『3連』という語を使用してよさそうだ」という結論になりました。ただ、その結論は、「ガイダンスにこういう表現があるから」「現場でその言葉が一般的に用いられるから」といった根拠の上に立つもので、その後も、in triplicateを訳す時に、文脈によって「3連」「3つ」「3個」等の語を使い分けながらも、今イチ訳語に自信が持てずにいたのです。

この書籍の「細胞毒性試験」の項に

「(ISO 10993-5:2009では)試験方法の項では、最低n=3の繰り返しが求められている。これは試験そのものを3回繰り返すのではなく、細胞を播種したディッシュやウェルを3以上設定することである」(P.57)

と記載されており、試験報告書中のin triplicateはこれにあたるのだということが確認できました。という訳で、このin triplicateと共によく出現するreplicate(s)という語も、「複製」ではなく、設定した3個のうちのそれぞれを言うらしいということも分かったのでした。めでたしめでたし。

とはいえ、「血液適合性試験」に関する言及も、「他の資料より充実している」という程度ですので、この種の試験については、今後も、アンテナを張りつつ、遭遇するたびに調査調査で乗り切っていくことになろうかと思います。
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2014.01.12 21:05 | 辞書・参考書 | トラックバック(-) | コメント(5) |
CD Book聴了。

いちおー医薬翻訳者の端くれなので、「聞き流し」では、フィクションなら医療ミステリー(Robin CookさんとかMichael Palmerさんとか)、ノンフィクションなら医療モノ(Richard Prestonさんとか)を聴くことが多いです。

Amazonの該当ページで、「次はどれにしようかな♪」とCDを探すのがまた楽しい。書店での背表紙立読みと同じです。まあ、殆どは「ほしいものリスト」に入れたままになっていますが。年末に、上半期のお楽しみ用として、Jeffrey Archerの「Best Kept Secret」(Clifton Sagaの3巻目)とKen Follettの「Fall of Giants」(何と24 CDs!!)だけ購入しました。

閑話休題。
記事タイトルのCDは、何となくタイトルに惹かれて購入したもの。副題は「Inspirational True Stories from the ER」。夜間にERを訪れる様々な患者の治療の様子を描いたノンフィクションのようでした。医療に関る単語が頻出するかなくらいの気持ちで、あまり期待せずに聴いたのですが・・・

・・・これが、内容的にもかなりヒットの作品でした(もちろんSayo的にってことですが)。紙の書籍なら、「ページを繰るのももどかしく」(内容や単語ができるだけ頭に入るよう、1CDは取りあえず3巡すると決めているので、正確には「3巡する時間ももどかしく」)という感じ。

著者はER勤務の医師です。彼が、自分がこれまでに出会った患者について(時には過去のCaseを思い出しながら)1人称で語っていくという構成で、個々のストーリーは独立しているのですが、全体を通じて、ER薬剤保管庫で発生した巧妙な麻薬持ち出し事件(?)の犯人探しの模様が挟まれ、ミステリーを読んでいるかのような錯覚に陥ります(そして、最期に意外な犯人が発覚するのだ)。

助かる患者もいれば亡くなる患者もいるわけで、心停止で救急搬送されてきた同僚がERで亡くなったり、幼児虐待が発覚したりと、どうしても哀しい話や痛ましい話が多くなっていますし、麻薬中毒の(と思われる)医療関係者探しについても、何人もの人間がその影響を受ける結果となってしまい、全体のトーンは決して明るいとは言えないのですが、「それでも、この仕事が好きだし、誇りを持っている」というERメンバーの気持ちが伝わってくるような、希望の持てるEpilogueだったと思います。

Amazonで調べてみましたら、Lesslie医師は、同様の著書を何冊も出しておられるようです。この著者の作品なら、他のものも読んでみたいかも~と、取りあえず1冊「ほしいものリスト」に入れました。購入すると、たぶん、先に読んでしまいたくなると思うので、暫く我慢、なのだ。
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2014.01.08 16:02 | 和書・洋書 | トラックバック(-) | コメント(0) |