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屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。

昨年コチラの読書感想文でも書いたとおり、「告白」は衝撃的なストーリーで凄い作品とは思いましたが、精神衛生上あまりヨロシくない内容でしたので、「湊かなえさんは当分いいかな」と思っておりました。

でも、読みやすい、波長の合う文章だったのも事実。
というわけで、図書館で出会った「花の鎖」を連れ帰ったのでした。
でもって、いちおー「告白」テイストを覚悟しながら読んでみました。

そうしたら、これが、結構普通の、なかなかに読後感のよい余韻の残るお話だったのです。

ネットで皆さんの感想を読んでみると、「毒がない」「物足りない」という内容のものも散見されましたので、もしかしたら、「花の鎖」の方が異端というか、「湊かなえらしくない」小説なのかもしれません。

ただ、読後感はよかったものの、軽く読むことのできる物語だったのも事実で、そういう意味では、「告白」の方が色々と考えさせられたように思います。

3人の女性の語りで話が進み、どの話にも、同じ和菓子店と生花店が登場するので、最初から3人の女性に何らかの関係があることは想像できます。もちろん謎解きもあるのですが、主題は謎解きではないので、3人の関係については、かなり早いうちからピンとくる方もおられるかもしれません。

最後にすべての謎が明かされてみると、3人の語り口調が、書き分けられているにもかかわらずどこか似たものであることも納得で、読み直してみれば伏線の張り方もハンパなく、改めて、湊さんは凄い作家さんだなと思いました。

ただ、語りの入れ替わりが結構頻繁にあったので、最後までちょっと人間関係の混乱がありました。また、これは、その同じ頻繁な入れ替わりが原因かもしれませんが、最後まで主人公たちにあまり感情移入することができなかったような気がします。女性たちの語る男性の魅力もあまり(というかほとんど)見えてこなくて、その点もちょっと残念でした。

・・・とはいえ、気持ちよく一気読みできたのも事実であります。
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2014.03.25 23:25 | 和書・洋書 | トラックバック(-) | コメント(4) |