屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。

今年は、最後に恒例の「振り返り」をやって締めようと思っていましたが、
やはりこの件には言及しておかなければ。


ご本人の挨拶全文はこちら↓
http://www.kansai-u.ac.jp/sports/message/machida/2014/12/post_26.html

過去数年間でもっとも疲弊したフィギュアスケート全日本選手権でした。
ワタクシ的には納期タイトな大型案件を抱えて、男子SP・FPの一部以外は動画様のお世話になりまして、未見の選手も多いので、選手権全体に対する感想は控えます。

さて、表題。
SayoのAll Time Favoritesは、ブラウニング、ヤグディン、佐藤有香、G&Gなど、もう引退して久しい選手たちなのですが、最近の現役選手の中では、高橋、鈴木、町田の3選手が(勝手に)ご贔屓でした。鈴木選手の引退は予定通り、高橋選手の引退もほぼ予想されたものでしたが、町田選手の場合は、電撃的引退宣言。ここ1~2年で引退だろうとは考えていましたし、FP後のインタビューを聞いて、今季で引退だろうと確信しましたが、まさか世界選手権も辞退とは。

しかも、高橋、鈴木両選手の滑りは、ショー(のTV放映)で見ることができますが、町田選手は学業優先で博士課程への進学も視野に入れているということなので、その滑り見ることは難しくなると思います。引退後は、振付けをしながら、アイスショーで、その独特の作品を見ることになるのかなと思っていただけに、「らしい」セカンドキャリアの選択とは思いましたが、昨夜は放心状態で、過去の動画を見まくってしまいました(<仕事ダイジョブか<自分)。

FP滑走後の解説で、本田コーチが、「(コンビネーションを失敗したがリカバリーしなかったため)コンビネーションが1つしか入ってないので、点が抑えられてくるでしょう」的なことを仰っていましたが、後半には(素人目ですが)コンビネーションジャンプにできそうなものもありました。その1つのジャンプで小塚選手との順位は入れ替わったと思います。それをしなかったのは、ミルズ師と作り上げた理想の第九のまま最後まで滑ろうと決めていたからなのかなと、今にして思いました。

誰にも、連盟にも告げずの発表だったようでしたが、引退「会見」後は連盟ともきちんと話をしたようで、以下で、強化部長の談話を読むことができます。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/sports/figureskate/all/1415/columndtl/
201412290001-spnavi

ユニークな語録で知られ、「我が道を行く」的なところもあり、引退会見も「好きなようにやったな~」という印象がないでもないですが、不思議と爽快感を感じます。それは、「我が道を行く」ことによるリスクとベネフィット、そうすることで負うべき責任、生じるかもしれない非難の言葉にきちんと立ち向かう用意ができていることが、その言動から感じられる選手だったからかもしれません。それにしても、小塚選手の「最後の最後に爆弾投下、樹らしい」というコメントには思わず笑ってしまいました。

今年のFPは小塚選手、町田選手と2選手の滑りが続き、あくまで個人的な感想ですが、Effortlessに滑る小塚選手の足捌き(?)に対し、町田選手の滑りそのものは、努力の伝わる滑りで、正直あまり綺麗だったとは言えません。それでも、「伝えたい」という気持ちが伝わってくる演技でした。

大学院ではスポーツマネジメントを専攻されるとか。
そういえば、ソチ五輪の後も、昨季の世界選手権の後も、大会運営に関する意見を口にしていて、そんな日本選手は初めてでしたから、驚いた記憶があります。選手でありながら、中からも外からもフィギュアスケートを見ようとしていた、その意味でもユニークな選手でした。どの方向から、スポーツマネジメントを攻めるのかにも興味が湧きます。

寂しくなりますが、新たな道に幸多かれと祈ります。


というわけで、「屋根裏通信」は年内あと1回更新の予定(ですが、新年にずれ込む可能性大)。
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2014.12.29 12:45 | フィギュアスケート(14-15 season~)  | トラックバック(-) | コメント(0) |
「ミズトラの会」主催、「治験翻訳講座といえば」のA先生のセミナーに参加して参りました。会のHPにセミナー報告書を挙げるという大役を仰せつかってしまったので(!)、詳細はそちらで報告するとして、ブログの方は、私の感じたこと、考えたことを記しておきたいと思います。

実は、私は、A先生の講座は、過去3期受講しておりまして、

(過去記事はコチラから)
治験の講座
治験の講座・2期目完走
治験の講座・3期目完走

1年半に渡って、先生の「なんで(その訳語を選んだのか説明しなさい)」攻撃に曝された身としましては、多少物足りない感も残らないでもなかったですが、主に「英訳基礎」講座の内容と、3期を通して先生が繰り返しお話になった内容がぎゅっと凝縮された4時間のセミナーで、疲れ切って寝てしまったのは最後の10分だけでした(寝たのかよ<自分)。

以前にも書いていますが、先生は、言語学を修められた方で、その方面からのアプローチはとても新鮮です。

先生の仰られたことを総括すると、翻訳とは「原文に書かれた情報を正しく理解し、その情報を別の言語で過不足なく再生する」ということになるかと思います。考えてみれば、それは、今年セミナーを受講した特許翻訳のN先生から学んだこととも、医薬翻訳のM先生から学んだこととも一致します。
もちろん、N先生もM先生も、そのように仰った訳ではありませんが、追求されているものは皆同じであるように感じました。

「原文の情報とその意味するところを正しく理解し、Output言語の対象読者がもっとも理解しやすい形で(できるだけシンプルにとも言えるかもしれません)、過不足なく置き換える」
というのが、今年1年掛けて私が辿り着いた結論です。

「翻訳は足さない、引かない」「原文が透けて見えない訳文が理想」のような言葉をよく耳にしますが、それらの言葉の根底にあるものも、「書かれた情報を足さない、引かない」「対象言語の読者が苦労せずに理解できる訳文」と置き換えることもできる訳で、結局は似たようなことを言っているのかもしれません。

そのためには、どうすればよいかというアプローチの方法は、人によって少しずつ違う訳ですが、大事なことは、自分の中に「翻訳とはこういうものではないか」という核を持つことではないかと改めて感じました。

そういう翻訳を目指すために、「こうすればよい」とA先生が提示して下さったやり方は、1つ1つは決して難しいものではありませんでした。問題は、1年なり2年なり、継続できるかということではないかと思います。
自分自身を振り返ってみれば、英会話でも運動でも、「これがいい」と聞いて始めた方法で長続きしたものは殆どありません。でも、それは、方法の部分だけを移植してしまったからだと思うのです。キモの部分もともに移植して初めて、継続も真の効果も得られるのではないかと。何を今さら、あたりまえじゃん、な結論で恥ずかしいですが。

セミナーの内容は、先生から事前に「Sayoさんには目新しいものはないよ」とお聞きしたとおり、かつて講座を通して教えて頂いたことばかりでした。ただ、そのために、自分の中で目指す翻訳を再確認することができ、初心に返ることができたように思います。

1年のよい締め括りとなりました。


でもって、お伝えできる限りの実践的な情報は、「ミズトラ」のHPの方でお伝えしたいと思います(年が明けてからね<全日本で修羅場ってますので??)、と巧妙に「ミズトラの会」のHPへの誘導を試みるSayoなのだった(右リンク欄にリンクあります)。
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2014.12.25 13:09 | 翻訳 | トラックバック(-) | コメント(7) |
以前「こんな手順で翻訳しています」という記事を書きました。
日付を見ると3年以上前で、まだエネルギーの殆どが両親の方を向いていて、
合間に細々と工業系の翻訳をしていた頃ですね。

その後、医療機器メインの和訳にシフトして3年が過ぎました。
読み返してみると、やり方は殆ど変っていなくて、
そのやり方が自分にとって心地よいのか進歩がないのか。
(たぶん、両方なんでしょうなあ)

現在のやり方は、こんな感じです。

原稿をプリントアウトして読む。
* 分量が多い場合は、まずざっと目を通すだけの場合もあります。
* 納期がタイトな論文の場合は、まず抄録と図表を精読し、その他はざっと流すだけの場合もあります。


Googleで関連分野(機器)に関する情報を検索し、前知識を得る。

訳出作業を開始する。
* 前日に翌日訳出予定分の原稿を精読し、専門用語以外の英語表現で「こう訳そう」と思いついた日本語表現を原稿に書き込んだり、長い文章の構文を( )や[ ]で括ったりして、訳出作業時に理解しやすくしておく。
* 適宜Googleその他参考資料で必要情報を検索する。
* 作業しながら、辞書で確認できず、Google等で確認した訳語(定訳がなさそうな場合はMy造語)&文書内で統一を必要とする訳語をExcelに対訳登録する(適宜、裏取りに使用したウエブサイトのURLを貼付)。
* 訳出作業の翌日、前日に訳出した箇所のきりのよい部分までを、原稿と突き合わせて確認する。まず、数字等の転記ミスだけチェックし、その後、普通に訳文チェック。訳抜け、単語の認識ミス、誤訳に特に注意して確認します(この時点で、原稿内容の完成度は95%くらい)。

という訳で、1日の作業は、前日分訳文チェック→訳出作業→翌日分原稿精読という流れになります。
初動が遅いので、超短期案件は苦手です。「どうやら初動が遅いらしい」と理解して下さった翻訳会社さんからは、分納の場合は、初回分納まで緩め納期を頂けることが多いので助かっています。

この「先に精読する」は、修理後引退し、現在は余生(バックアップPCとして稼働)を送っている「根性なし子」PC(特に夏場すぐに熱くなってシャットダウンを繰り返していた)が現役時、応急処置的に「PCを立ち上げる時間を減らそう!」ということで始めた方法ですが、自分に合っていると思えたので、そのまま続けているものです。


最後まで(或いは分納指定箇所まで)翻訳したら、段落単位で元原稿を読みながら、原稿チェック。この時は、「日本語としておかしくないか」を重点的にチェックします。また、Word検索・置換機能で訳語の統一を確認。

時間があれば、別の時間(日)に日本語原稿のみチェック。

納品

「案件終了後、秀丸に用語登録」から「作業しながらExcelに用語登録」というところが、一番大きく変わった点でしょうか。
秀丸はGrep検索もできて、それなりに重宝していましたが、Excelも1ファイルで管理していますので、ブック検索でファイル中の全シートを一括検索することもできて、そんなに不便ではありません。秀丸には、英日両方の単語(時には説明含む)を改行なしで登録しなければならず、検索時に若干読みにくかったのですが、Excelでは、英、日、備考(説明やURL)を別にすることができますので、内容を確認しやすくなりました(あくまで自分の場合です)。

ほぼ毎日、前日の訳文を確認する、翌日分の原稿を読むという作業が入るので、1日の処理量はそれほど多くありません(というより、もとから多くないのだった)。ただ、最後のチェックにかかる時間はかなり少ないと思います。

このやり方は、どちらかと言えば非効率的で、あまり他人にお勧めできる部分もないのですが、自分にとってはStress-lessなやり方です。3年半経過して、マイナーチェンジもありましたので、修正版(??)を記事にしてみました。

作業については、少し「こうしたい」と思う部分があり、現在、試行錯誤中です。
うまく行かなくて、結局、今までのやり方を踏襲するかもしれません。
結果はまた(読んで下さる皆さんが忘れた頃に)報告します(たぶん)。
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2014.12.21 15:31 | 翻訳 | トラックバック(-) | コメント(4) |
MEIの講座」「続・MEIの講座」を受講した後は、年明けに「医薬品の審査と規制」を受講して「Sayo的制度強化年間」を終わりにする積りだったのですが、なぜか今年は治験実施計画書(医療機器ですが)の案件を頂くことが多く、ならば「デザインする側から臨床試験を見ておこう」と急遽受講を決めのが、今回受講した「臨床試験デザインの基礎」です。

講義内容概要のシラバスで直通は↓
http://mei.osaka-u.ac.jp/cou05_05

講義は10月2回、11月2回の計4回で、「今さら」感満載の上、初回は体調不良で、3回目は家庭的事情で、4回目は(それまでの講義を基にしたグループワークがあったため)自主的に休講するというお恥ずかしい有様でして、闇に葬ろうかとも思ったのですが、講義資料は頂けて、休講した分、いつになく真剣に読みましたので、さくさくっと感想など記しておきます(講義内容についてこれ以上の詳細は、情報保護に関する誓約書を提出しておりますので、ご容赦ください)。

講師先生は、Statistician、つまり統計の専門家でいらっしゃるため、講義や資料は(シラバスにもあるとおり)統計に関連する内容が主で、個人的には、特に(決定する側から見た)試験規模の設定方法に関する部分が参考になりました。が、講義は、「皆さん、ある程度統計に関する知識あるよね」という前提で進むため、ついていくのが大変でした(というか、そもそもついていっていないという説もあるのだった)。

講義の小項目の一部は以下のとおり。

臨床試験にはなぜ統計が必要か
臨床試験の種類
ランダム化操作
被験者数(標本サイズ)の計算
解析対象集団
欠測値の取扱い
多重エンドポイントについての考え方
国際共同治験に関する考察
小規模試験に関する考察

講義の随所にICHのE9が登場しました。E9は2回通読し(1回は日英を対照しながら精読<暇だった説あり)、その後も、折りに触れて参照しますが、今回の講義のように、話の流れの中に組み込まれて登場すると、「なぜそうすることが大切なのか」を改めて再認識することができました(そしてまた忘れている今日この頃<そこが問題)。関連付けた学習が必要だなあと痛感。仕事で必死に調べた内容が身になって残るのも納得です。


と書いてくると、すごくよい講座のように聞こえるかもしれないのですが、本来は、仕事の中で多かれ少なかれ臨床試験に携わる方を対象とする講座ですので、「この情報がほしい」というものがあれば別ですが、「取りあえず受けてみようか」的に受講されることはあまりお勧めできないような気がします。まる1日拘束されますし。私自身も、特に今回は、まだまだ勉強不足(というか事前準備不足)の状態で臨んでしまったとかなり悔やんでいる部分もあります(でも、春以降「治験実施計画書」がMyブームだったのよ)。本当に自分に「今」必要な講座やセミナー(やウエブ上の独学)は何なのかを見極めることは本当に難しい(ま、勢いで(?)出席してみたら「実はとてもよかったわ」という場合もあったりするので、油断(?)は禁物なんですけど)。来年も、来年の努力目標に沿って、よく考えながら選択していきたいです。
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2014.12.15 20:57 | 翻訳 | トラックバック(-) | コメント(0) |
1つ前の記事に頂いたコメントへの返信を書いていましたら、
コメント作成機能様から「手短に要約せよ」とお叱りを受けてしまいました。

という訳で、返信を記事として独立させました。
コメント内容は前記事へのAkoronさんのコメントを参照してくださいませ。

***

「情報の取捨選択」は、(特に仕事を始めたばかりの頃は)本当に難しいですね。ワタクシなど、まず「自分より先輩の方が教えて下さる」というだけで、全て必要不可欠な情報のように思えましたもの。そうして、さわりをさっと見ただけで、「後で時間ができたら読もう」とどこかにしまって、しまったことで安心してしまう。この、「内容をよく確認せず、同業者情報なので取りあえず格納する」という情報への対し方が危険なのかもしれません。
今では、「これは」と思うサイト情報を教えて頂いた場合は、多少時間が掛かっても、全体を流し読みするようにしています(そうして夜行性Sayoの演技・・・じゃなかったわ、作業開始時間はズルズルと遅くなってしまう訳なんですが)。流し読みするだけでも、何となく記憶のどこかに引っ掛かっているようで、格納しなくても、そんなに時間を掛けずに検索することができるような気がします。
あと、情報取捨選択の際、優先順位付けできることも大切なのかなと。そうするためには、Akoronさんの仰るように、「どんな翻訳者になりたいのか」というイメージを持つことは大事かと思います。

そして
>「自分はどうありたいのか」の軸と、新しいものを吸収する柔軟性はどちらも持っていないと。
本当にそうですね。特に、ワタクシは「新しいものを吸収する」方向が弱いので、そこは気を付けるようにしたいです。

情報のアウトプットに関して言えば、内容が専門的なものも多く、「医薬翻訳者」というくくりでの共有が難しいという面はあるかもしれません。あとは、個人個人の考え方とか、その時々で何を一番優先したいかといったこともあるかもしれません。ポストする際は、情報元の信頼度の確認や裏取りもしますし、きちんとした情報を提供しようとすれば、多少は面倒臭いですよね。あと、自分もそうでしたが、特に、翻訳者としての経験が浅いうちは、「本当にこんな情報が必要なのだろうか、馬鹿にされたりしないかな」と躊躇してしまうことがあるのかもしれません(実際はそんなことないですし、「翻訳者」としての経験は浅くとも、仕事を通して培った別方向からの情報を持っている訳ですから、決して臆する必要も卑下する必要もないと思うのですが<と今なら言える<年を取ると怖いものは減るのだー)。
私自身も、性格的に、本来積極的にアウトプットする方ではありませんが、年を重ねる(=翻訳人生残り時間が少なくなる)につれて、自分の得たものをアウトプットしておきたいという気持ちは多少強くなったかもしれません。そこは、Akoronさんにも、長く続けてきてそれなりに年齢を重ねた、ということで共通する部分もあるのかなと思います。
基本隠者なSayoですが、来年は、(ブログは別とした)自分なりのアウトプット方法ももう少し考えてみたいなと思っています。
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2014.12.13 22:42 | 翻訳 | トラックバック(-) | コメント(0) |