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屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。

今日は読書感想文ですので、お好みによりスルーでお願い致します。


「独走」(読了)→「ヒート」(読了)→「チーム」(今ここ)

箱根駅伝、何だか毎年見ちゃうんですよね~。まだTV中継がなかった時代から、ラジオで聞いていた記憶があります。
というわけで、2016年の正月は、「走る小説」を読んで箱根駅伝に備えるのだ!と「独走」を読み始めたのは、確かまだ11月だったような(長かった(涙)<そしてまだ駅伝の描写まで辿り着いていないという・・・)

堂場瞬一さんの作品は、警察モノを何冊か読んだことはありましたが、スポーツ小説を読むのは初めて。驚異的に筆の早い方らしく、警察モノを書かれる堂場さんと、スポーツモノを書かれる堂場さんと、普通の生活をなさる堂場さんと、3人の堂場瞬一さんがおられるという都市伝説は・・・ありませんが、それくらい多作の方のようです。好みの問題でしょうが、堂場瞬一さんの文章は好きです。


「独走」
五輪金メダルの量産を目指し、スポーツ省が選手とスポーツを管理する世界、というビミョーにパラレルワールドが舞台。そこで純粋培養された感のある元柔道金メダリストで今はスポーツ省に所属する沢居と、彼が担当する、将来を嘱望される「考えすぎる」きらいのある陸上長距離選手の仲島の2人が主人公。金銭的な心配の必要もなく、サポートは万全、メンタルに好影響を与えそうな友人も選んでくれる、という完全バックアップ体制なのですが、最終的に、仲島はそうした束縛を嫌い、自由に走れる新たな環境を選びます。その「環境」というのが、完全にドーピングの影響を排除した私企業による世界大会というのも、興味深い。
とはいえ、仲島がその大会で軽やかに楽しそうにトップを走る場面で終わる本作、正直、多少消化不良ではありました。仲島にはスポーツ省に対する多額の負債が残ったわけだし、新たな大会も、理想は素晴らしいものの、1企業の主催する大会である点を考えると、2回目以降どうなるかは不透明。
そうした現実を予感させる描写もほしかったなというのが正直なところです。
とはいえ、ありそうでなさそうでできそうで無理そうな(どっちやね~ん<自分)このパラレルワールド設定は、「おお、そう来るか」と非常に興味深かったです。


「ヒート」
日本人選手による新記録樹立を目指して新たに開催されることになった、高速コースの東海道マラソンが舞台。唯我独尊我が道を行く天才ランナー山城、その嚙ませ犬的存在として選ばれた、ペースメーカー甲本、大会の裏方として運営を任された神奈川県職員(元陸上ランナー)音無らが主人公。大会の舞台裏が詳細に描写されていて、そちらも興味深い。
お膳立てされたコースで走ることをよしとしない山城が、かつて学連選抜のメンバーとして箱根駅伝で襷を繋いだ浦に説得される(騙される?)形で出場を決めた後、舞台がいきなりレース当日に変わるのが、個人的には、多少唐突感が否めませんでした。徹底的に嫌なヤツとして描かれる山城が、浦と話して態度を変えたのも、「チーム」の背景を知らないワタクシ的には唐突。
ペースメーカーではなくランナーとして山城に勝負を挑む甲本と山城の一騎打ちの場面は圧巻。ラストは、この1行でよいのかな、と思いつつ消化不良。結果は「チームII」で確認せよ、ということらしい。


というわけで、山城と浦の原点を知りたいと、「チーム」に辿り着いたSayoです。
「チーム」は、大学名を背負ったチームとして箱根を走ることの叶わなかった選手達を集めた学連選抜の箱根駅伝を描いたもの。前述のとおり、まだ駅伝まで辿り着けていませんが、個人的には、これが一番面白い。次は、「チーム」の7年後を描いた「チームII」かな。

その前に、課題と仕事と確定申告。2月は逃げるとはよくいったよな~。

未読の方は、登場人物の重なる「チーム」→「ヒート」→「チームII」の順番に読まれるのがよろしいようです。
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2016.02.15 18:00 | 和書・洋書 | トラックバック(-) | コメント(2) |