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屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。

このギョーカイでは、Conservativeという語も訳しにくい語のひとつです。
(と思っているのがワタクシだけだったら、さくっとスルーしてね)

治療に関して、保存(温存)の意味で用いられることもありますが、ワタクシが悩むのは、conservative risk assessmentやconservative value was chosenなど、評価や数値がconservativeという文脈の場合。統計に絡んで登場することが多いです。

avoiding excess, syn: cautious (WordNet)
地味な, 控えめな, (見積もりなど)内輪な(うんのさん)

など、要は「控えめにするね」の意味で用いられる訳で、乱暴にざくっとまとめると、

conservativeに見積もる→簡単に有意差が出ないようにする→それでも有意差が出れば、その結果は有効(信憑性高)

という流れだと思うのですが、ICHを検索すると「保守的」という訳語が出てくる(特に「統計的原則」)。ざっとGoogleを検索しても、医学関連で「保守的」の語が使われているケースは多い。

で、ワタクシの悩みは、コンサバはいつも「保守的」で本当によいのか、ということでした。
最終読者は誰もが明確に「保守的」の意味を理解しているからその訳語で問題ないのか、それとも、ワタクシのように「何となくは理解している」という方も一定数おられて、本当はもっときちんと訳した方がよいのか、というところが今いちよく分からない。分からないぞ-。
これまで、何度か、それなりに翻訳経験のある方にお聞きしてみたことがありますが、皆さん、「うーん、なんか変な日本語だけど、ICHで使ってるし、検索しても『保守的』だよね~」という反応でした。

てことで、先日、医薬翻訳の大先輩にお会いする機会があったので、お聞きしてみた。

「(ケースバイケースの部分もありますが)私なら違う訳語を使いますね(その方が読者に親切だから)」

という明解な回答が初めて返ってきたのでした。

・・・ワタクシ、本当は、文脈毎にきちんと意味を説明する訳をしたかったんですが、これまでずっと迷っていて、「ま、ICHで使ってるしな」的に「保守的」を用いることも多々あったんです。
(もちろん、ガイドライン的文書の表現に順じることも大切とは思っています)
でも、これからは(先輩も「ケースバイケース」という言い方をされていましたので)文書の性質も考えながら、適宜、自信を持って「保守的」以外の訳語も使っていこうと思います。

(実状より)厳しく見積もった、控え目に見積もった、確実を期した、大事を取った、最悪の場合を想定した、すべてを包含する、低用量から開始する(投薬に関連して使用される場合)

・・・などなど、でしょうか。
ま、またconservativeに遭遇したら、そこで悩むとは思いますが。
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2016.03.15 00:12 | 翻訳 | トラックバック(-) | コメント(2) |