屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。

2016年の始めに書いた「心掛けること」を振り返ってみました。

健康第一で(しみじみ<毎日歩いてます)、
 → 週3~4日程度に堕落しました(寒いし)
感謝の心を忘れず(つい自分の力だけでここまできたと思いがちです)、
 → 忘れては思い出して自分を戒め、の繰返しでした
もしも順境が続くならば好事魔多しと自らを戒め、
 → 「翻訳が続けられる環境」的にはそれなり順境、仕事量もぼちぼち順境でした。好事魔多しと気を引き締めます。
「これだけは」を曲げない、負けない、逃げない勇気を持ち、
 → 自分の中で「これだけは」をある程度定めることのできた1年ではあったかなと思います。
人生は足るを知り、翻訳は足りて満足せず、
 → 「足りて満足せず」度合が低く、通信講座やセミナーで何度かボディブロー喰らいました。
朝目覚め夜床に就くときはEveryday is Giftの言葉を思い浮かべ、
 → まあ、ときどきは。
「なんとかなる」の精神で、他人には優しく自分には厳しく(+旦那は甘やかさず)、
 → 自分にはそれなりに厳しく接しましたが、他人にも「ほんとうに」優しくできたかどうか。旦那は甘やかしすぎました(猛省)。
ヒトとして上質な1年を送りたいと思います。
 → ぜんぜん上質ではありませんでした。今後の継続目標です。

ワタクシは、あまり、年~数年単位の目標は考えないヒトでして、個人事業主としてはそこは反省しないといけないところだろうな、と思うのですが、「毎日の積み重ねで、1年を大過なく乗り切れますように」を1年の目標(?)とすると、1年間、周囲環境や状況が大きく動くことなく翻訳に専念できていますので、来年も験を担いで「家族にも自分にも大過なく1年間翻訳の仕事を続けられますように」のみを1年の目標にしたいと思います。

その上で、翻訳絡みで気をつけたいことを挙げておくなら...

・独りよがりにならない。
・反省すべきときは、その事柄ときちんと向き合った上で前を向く。
・心地よい言葉を鵜呑みにせず、厳しい言葉に耳を塞がない。
・自分の書いた訳文がぼこぼこにされそうな場に、できる限り身をさらす。
・批判や意見と人格を混同しない。

あたりでしょうか。
新しいものやことを否定せず、自分の中にどう取り込めるか、自分をどう順応させられるかを考えられる柔軟性も忘れたくないなと(<あくまで希望ですが<よく忘れるので)。

ということで、新年の抱負まで書いてしまったので、お正月はがりごり仕事し、合間に家庭サービス(の振り)に勤しむことにしたいと思います。

今年も1年ありがとうございました。皆さまどうぞよい年をお迎えください。
そして、2017年もユルく続く予定の「屋根裏」をどうぞ宜しくお願い致します。
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2016.12.30 14:31 | 翻訳 | トラックバック(-) | コメント(0) |
とりあえず...生きてますのご挨拶的に...
年内にもう一度今年を振り返ってみたいと思っていますが...
できなかった場合は「とうけいかいせきけいかくしょ」と差し違えたと思っていただければ。


アクションというとまず頭に浮かぶのは、ひかわきょうこさんという漫画家さんです。
もちろん、アクション満載の漫画や小説を書かれる方は他に数多おられるのですが、なぜかひかわさんの「彼方から」がぱっと頭に浮かぶのです。

もうデビューされて40年近くになるでしょうか、「地味で目立たない、でも一生懸命なヒロインが、過去/陰のある、でも根は真っ直ぐなツンデレの人気者と両想いになる」という、当時の少女漫画の王道をいく漫画を描かれる方でした。「王道に軸足を置きつつのアクション指向(?)」路線が明確化したのは、たしか「荒野の天使ども」の頃。そして、それが花開いたのが「彼方から」の異世界のヒーロー、イザークであったと個人的には思っています。自制心を失うと角・牙・鱗が生えるという(ほんで四つん這いになってた記憶が...)、「王道少女漫画のヒーロー的にどうだろね」な部分もあましたが、それでもイザークは格好よく、アクションシーンでは「その動き、関節的にありえねーだろ」と突っ込みを入れつつも、惚れ惚れしてしまったものです。ワタクシがあと35年ばかり若ければ、イザークに壁ドンされたかったですね。まあ、相手は二次元ですが。

「彼方から」のような映像が頭に浮かぶようなアクションを文字で描写したい、というのがワタクシの密かな野望のひとつです。
下のお話では挑戦して玉砕した、て感じでした。プロローグだけなのでアクションはありませんが。
いつかまた、自分の関節で「あーでもない、こーでもない」と色々試行錯誤しながら挑戦してみたいと思っています。

*****

プロローグ

 ポリスが現場の路地に到着したとき、男はすでにこと切れていた。
 仰向けに倒れた身体の左肩から右腹部にかけて、鋭利な刃物ですっぱり切られたような長い傷があり、そこから流れ出た血が背中の下に血溜りを作っている。臓腑に届くほど深い傷とは思えなかったが、一見したところ他に外傷は見当たらなかったから、失血によるショックが直接の死因と思われた。

 死体を検め終わった警官は、立ち上がってあたりを見回した。
 飲食店の裏口と覚しきいくつかの戸口に灯された電球の明りのおかげで、ぼんやりとだが向う端まで見通すことができた。ことさら物騒な場所とも思えない。路地とはいっても、ごく小型の車なら何とか通り抜けられないことはない程度の幅もある。もっとも、路地を入ってすぐの場所に細長のゴミ集積場があったから、実際に車で通り抜けようとする輩はいないに違いないが。

 男はその集積場の脇に、頭を路地の出口に向ける格好で倒れていた。
 第一発見者は、角のビルの地下にある安酒場の店員だった。店を閉めた後、帰宅する足でゴミを捨てに寄って、男が倒れているのに気づいたという。さては酔っ払いか、蹴って起こしてやるかと2、3歩近づいたところで血まみれの衣服と血溜りに気づき、慌てて911通報したということだった。

 それにしても、いったいどんな凶器を使えばこんな裂傷ができるのだろうと、改めて死体を見下ろしながら、警官は考えた。
 仕事柄、そしてスラム化が進みつつある旧ダウンタウン地区を抱える土地柄、20年余の勤務の中で、これまで嫌というほど殺傷事件の被害者を見てきたが、外傷が正面の裂傷だけ ―― しかもどうやらそれが致命傷らしい ―― という被害者にお目にかかるのは、これが初めてだった。
 ナイフを使えば、刺傷が残る。これは、もっと刀身の長い凶器を斜めに振り下ろしたときにできる傷だ。
 ふいに日本刀という言葉が脳裏に浮かんだ。前夜テレビでニホンの古いサムライ映画を見たせいかもしれない。確かにあれを使えばこのような傷を負わせることは可能だろう。問題は、そんな凶器は簡単に手に入らないということだ。

 小石の転がる音が彼を現実に引き戻した。反射的にホルスターに手が伸びる。だが、小石を飛ばした靴の持ち主の特徴的な足音には聞き覚えがある。先ほど酒場に待たせている通報者のもとに話を聞きに行かせたルーキーのものだ。警官は苦笑しながら緊張を解いた。振り向くと、果たしてそこにはひょろりと背の高いパートナーの若者が立っていた。

「何か分かったか」
 ポーカーフェイスをつくって問う。若者が要領よく事情聴取の内容を総括した。
 店員の話では、被害者は、この辺りをねぐらとするホームレスのひとりではないかということだった。近寄った際一瞬目に留まったこめかみの傷跡に見覚えがあるような気がするというのだ。確かに、死体の左のこめかみには引きつれたような長い傷跡がある。

 ホームレスか...と先輩警官は、内心嘆息した。道理で粗末というよりぼろに近い身なりをしているはずだ。どうせ身元を証明するものなど所持していないに違いないから、いつものように、適当に報告書をでっち上げてお蔵入りにするしかあるまい。謎の凶器に食指が動いたのも事実だったが、ホームレスの殺人事件如きにいちいち深入りしていては、身体がいくつあっても足りないのが現実だ。

「仏さんを運ぶ手配はしたんだろうな」
 彼がルーキーの若者にそう声をかけたとき、
「俺あ、見たぜ」
 路地の入り口で甲高い声がした。
 2人の警官が弾かれたように振り向くと、そこに、小柄で年齢不詳の男が立っていた。その身なりから、被害者のホームレス仲間ではないかと察せられた。

「D(というのが被害者の通称らしかった)を殺った奴をよ」
 と男は続けた。
「若い男だ。Dはそいつと何か言い争ってた ―― と思ったら、瞬きした間に男の姿が消えちまったんだ。そして、Dが血を吹いてぶっ倒れた。だから、奴がやったに違いねえ。それしか考えられねえ」

 ルーキーが先輩の視線を捉え、自分の頭の横で小さく輪を描いた。コイツ、頭がイカれてるんじゃないですか、と言っているのだ。自分も同じことを考えていた先輩警官は、若者に苦笑を返し、
「消えたってのは、どういう意味だ?」
「何でも聞いてくれ」という台詞を表情筋だけで見事に表現している男の期待に応えた。
「だから、そのまんまだって。透明人間みてえに消えちまったのよ。嘘じゃねえ」
 警官は自分の質問を呪った。まったく、つくならもっとマシな嘘をつけよ。
「で、その『透明人間』は、何か手に持っていたのか?」
 いんや、と男は即座に首を振った。
「手ぶらだった。顔は見えなかったが、そこんとこは間違いねえ」

 ふと、自分たちの注意を引くのが目的なら、もう少しましな嘘をつくだろうという考えが警官の頭を掠めた。透明人間の部分を除けば、一応話に筋は通っている。

「で、何ですぐ警察に知らせなかった?」
「人殺しの透明人間がうろうろしているかもしんねえのに、こんなとこでぐずぐずしている馬鹿はいねえ。あんたらの姿が見えたんで戻ってきたのさ。ああいう物騒なヤツはちゃんと捕まえてもらわないとな」

 やはり眉唾だな、と警官は思い直した。手掛かりと引き換えに、食事か宿か現なまか、とにかく何らかの報酬を要求する手合いに違いない。

 一陣の風が路地を吹き抜け、警官は思わずぶるっと身を震わせた。年中温暖な西海岸とはいえ、春の浅いこの季節の夜の冷え込みはまだ厳しい。こういう晩は、早く仕事を片付けて一杯やるに限る。

「それじゃ、その『透明人間』とやらの話を詳しく聞かせてもらおうか」
 大袈裟な動作で手帳を広げ、鉛筆の芯を舐めた。

「かまいたちは嗤う(Invisible Jack, the Ripper in the Modern Age)」(初稿2008年頃)
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2016.12.28 14:36 | 好きなもの・こと | トラックバック(-) | コメント(0) |
久し振りに読書感想文です。

海堂さんの小説は結構読んでいて、「屋根裏」でも何回か記事にしています。

アリアドネの弾丸
ナニワ・モンスター

海堂尊という名前は、ワタクシの「そこに『医療モノ』の本が」センサを発動させるのよね。

...と思って読み始めたら、何ということでしょう、ソコハカとなくラノベ調味料を振りかけた感のある、青春風味成長小説ではありませんか(というような分かったようで分からない訳文は書くまいと自戒したのはつい一昨日だったような気がしないでもありませんが)。文が走りすぎている感じがしないでもない部分もありましたが、そういうところは楽しんで書かれたのでしょうか。もちろん、成長するための選択はとても厳しいものではあるのですけれど。

主人公は、かつて「ナイチンゲールの沈黙」に登場した小児患者、佐々木アツシ。本作では、アツシの中3から高1までの期間が描かれています(そして、田口先生や如月翔子など当時の面々が、それなりにエラくなってちらりと顔を覗かせてくれるのも嬉しい)。
ジツは、アツシは、医療の進歩を待つための5年間のコールドスリープから覚めたあとであり、現在は「社会に馴染む」ことを学びながら、自分と入れ替わりにコールドスリープに入った元自分の管理人の女性の管理人をしています(このあたりの経緯は前作「モルフェウスの領域」に描かれているようですが、前作は未読)。

さまざまな意味で自分の殻に閉じこもっていたアツシは、最初はこじ開けられる形ではあったものの(少なくともワタクシにはそんな印象があります)、クラスメートらに心を開いていきます。クラスメートや天才ボクサー神倉さんなど、それぞれ個性的な(個性的すぎる)キャラクターも、皆どこか憎めず。でも、そういえば、海堂さんの描かれる大人キャラも殆どがそんな感じだったかも。
「ナイチンゲールの沈黙」は「ジェネラルルージュの凱旋」と同じ時間軸を扱った作品で、ワタクシは初読時、「ジェネラルルージュ」を陽、「ナイチンゲールの沈黙」を陰と捉えたのですが、「アクアマリンの神殿」も、真面目くさった顔で面白いことを書いているのですけど、全体を覆うトーンはその延長上にあるように感じました(ラストはそうでもないですし、あくまで個人的な感想です)。

詳細は割愛しますが、スリーパーの目覚めのときが迫ってきて、アツシは、覚醒後にスリーパーの記憶を消して新しい人格として覚醒させるか、記憶を残したまま覚醒させるかの選択を迫られます。それが、大人になるための「最後の踏み絵」になっているような印象です。
乱暴に書いてしまうと、選択の際に大事なことは、最後は「気持ち」だってことなんですが、そこに至るアツシとサポータのやり取りはワタクシにはとても難しく、何度読み直しても「正しく理解した」という確信が持てません。たぶん、「モルフェウスの領域」を読んでいないから余計だと思うのですが。ひとつ推測できたのは、「モルフェウスの領域」時には、コールドスリープに関する法律や倫理問題がまだ整備されていなかったのではないか、ということ。あくまで推測ですけど。

ジツは今日、再生医療の安全性とリスクに関するシンポジウムを聴講してきたのですが、その中で「新たな技術の臨床応用では、安全性やリスクの評価方法や規制が技術の開発と同時に走っている(本来先に存在すべきものの整備が遅れがち)」というような話も出まして、本当はそこは必死でメモを取っていなければならないところなのですが、ワタクシは何となくこの「アクアマリンの神殿」のことを考えていたのですよね。
なので、他にもいろいろ書きたい記事はあるのですが、「アクアマリン」を先にしてみました。

いろいろ書きましたが、面白かったです。成長物語、好き。
アツシ、スリーパーの日比野涼子、アツシのクラスメイト麻生夏美の登場する後日譚があるのかどうか気になります。

シンポジウムの内容は、また日を(年を?)改めまして。
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2016.12.23 21:48 | 和書・洋書 | トラックバック(-) | コメント(6) |
ていうか、「それ以外」編を書く前に年が明けそうな気がする。
ていうか、ブログ記事を書いている前に年賀状に手を付けた方がいいような気もする。

でもって、自分についての「あの頃と今」でして、読んで下さる方が得るものは少ないかな~とも思いますので、今日もひとつ、お好みでスルーでお願い致します。


この1年を振り返ってみたとき、2月から7月にかけて受講したノンフィクションの通信講座と、5月から6月にかけて読んだ「翻訳のレッスン」が、自分にとっての転機になったように思います。

通信講座に関する記事はコチラ↓です。
通信講座完走しました
通信講座・直接講義

この通信講座は、「他分野の翻訳も経験してみたい」+「この先生なら」ということで始めたものでしたが、1年前の今頃、心のどこかに「このままでいいのかなあ<自分」という漠然とした思いがあり、心の片隅では「成績がよかったらノンフィクションに乗換えもありかも」とも思っていました(世間ではこれを「慢心」と呼びます)。まあ、実際は、その慢心はすぐに打ち砕かれたのですけど。

通信講座では、半年を通して「原文を読みその伝えんとすることを訳文で伝える」というキモの部分に立ち帰り、同時に「翻訳者としての自分がブレない」ことの大切さを学んだように思います。
私はそれまで、「その場その場で適切な語句・文・文章を生成すること」「論理的に破綻していないこと」には気をつけていましたが、「流れを意識する」ということはほとんどしていませんでした。ですから、(ときには解釈間違いもあるとは思いますが)「正しい訳文」を書いてはいても、読者が読みやすい訳文になっていないことも多かったかなと思います。私が翻訳を担当する文書の最終想定読者は、「時間がない中で多量の文書を読み、その文書の内容を正しく理解しなければならない」人たち(おおむね専門家)です。であれば、そうした方たちが「ざっと目を通したとき間違いなく内容を理解できる」訳文が必要なはず。「正しい」だけではちょっと足りないかもなあ、とこの頃思うようになりました。

通信講座を通じてそんなことを考え始めるようになった頃、「翻訳のレッスン」に出会いました。そんな時期だったからこそ、「原文と同じ絵を(訳文として)描く」という言葉がすんなり頭に入ってきたのかもしれません。

さらに、通信講座と「翻訳のレッスン」を通じて、私は「さまざまな時点でまず自分で考えよ」ということを学んだような気がします(つらつら考え始めていたことの1つの答えを「翻訳のレッスン」で得た→そうやん、まず自分で悩まなあかんのやん、と自覚した、みたいな)。

2015年の中頃以降、「自分はさまざまな点で他人に後れを取っているのではと焦る → 大先輩の言う/することを取りあえず取り入れてみる → 立場や考え方が違うのでそのままでは上手くいかない → 自分を見失って方向性にも悩む → このままではいけない」という気持ちの変遷があり、「何かをやってみよう」と通信講座に挑戦するところから始まったのが私の2016年でした。そんな時期だったからこそ、通信講座も「翻訳のレッスン」も私に多くのことを教えてくれたのかもしれません。

1年経って、以前より多少「意識下で流れを意識する」「頭の中に絵を描く」ことができるようになってきたかなと思います。まだまだですけど。
来年は、「意識する」「流れを考える」だけではなく、できるだけ無意識に近い状態でそれができるよう、具体的な訓練やそのときそのときで気をつけることを試行錯誤していければと思います。
ノンフィクションは、うーん、今のところ「ひたすらその道を目指して邁進しよう」という気持ちにはなってません。ただ、時間が経つにつれて、最初に「産業翻訳とは違う」と思ったほど違わないのではないかという気もしてきました。何と言ってもキモは同じなので。注意すべきところが違うかなという気はしますが。とはいえ、別分野の翻訳の勉強が今の分野の翻訳に役立つことは間違いないように思いますので、そこは何らかの形で続けていきたいと思っています。あまり負荷の掛からない形で日常に組み込むにはどうしたらいいかという部分は考えどころですが(そこをきちんと考えないと、やはり仕事優先に埋没してしまいそう<自分の場合)。
1年前と比べて、訳す文書の種類はあまり変わっていないのですが、「意識する」ことを意識してみると、以前より訳出作業に時間は掛かっていますが、訳出に悩むこと自体が(ある意味)楽しくなりました。そういう意識転換ができたことが、もしかしたら一番の収穫だったのかもしれません。
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2016.12.21 20:35 | 翻訳 | トラックバック(-) | コメント(0) |
それまでも、やったりやらなかったりしていたのですが、今年の春頃から全案件対応にしてみました。

読上げソフトなどを使用して「耳からチェック」するという話も聞きますが、ワタクシ、耳は駄目(?)なんですよね。
どうも超短時間で集中力が切れてしまうようで。逆に、BGMは適度な生活雑音以外はNGという、音関連は本当に因果な性分(?)です。

でも、訳文の確認には、やはり「目から」以外のチェックは取り入れたいのですよね。

ということで始めた「音読チェック」、正直、訳文の質が上がったかどうか自分ではよく分かりませんが、始めてみて改めて分かったことがあります。それは「自分が読んでつっかえる(どこでブレス切りしてよいか、自分でも分からなくなる)箇所は、文意が正確に伝えられていない」ということ。特に、長い文で係り受けが曖昧な箇所は、かなりの確率で引っ掛かります(...というか、そういう訳文しか作れていないというか...)。でも、そういう箇所は(特に、自分は原文を理解して読んでいるので)黙読ではさらっと流してしまうんですよね。でも、たぶん初読者の読み手には「よう分からんかった」な訳になっているはず。

そんな訳で、音読チェック、ワタクシにはよいチェックになっているようです。


そんなワタクシの今の訳文作成手順は以下のとおり。

もと原稿を印刷する。
 ↓
Wordで、対訳原稿の元になる英語のみの原稿を作成する(和訳者なので、原稿は英語です)
 ・PDF原稿、PPT、上書き用Word原稿などの元原稿から、翻訳対象箇所だけを抜き出し、Wordにコピペする(ちまちまやります)。最終的にWord英語原稿への上書きやPPTによる納品を指定されても、必ず対訳原稿を作成します。OCRが必要な場合はFineReaderを使用します。
 ・コピペ時に、数字や単位が正しくコピペされていることを確認(普段の仕事は、数字、数値、企業名等はそのままコピペが基本なので、数字/数値の確認をしながら翻訳せずにすむよう、この時点でまず正しくコピペできていることを確認します)。
 ・翻訳時に原文が邪魔にならないよう、文字色を変更(10%グレー程度の薄い色に変更)。
 * S藤さんではありませんが、対訳原稿を作成する作業をする時間が取れないと思われる納期の案件は、涙を呑んでお断りするか、納期引き延ばし交渉をするかします(翻訳会社さん、スイマセン)。ワタクシの場合、自分の資産として、この形で対訳原稿を保存しておきたいというヨコシマ(?)な気持ちもあります。
 ↓
翻訳作業
 ・紙原稿を見ながら、原文の上段に訳文を作成していきます(パラグラフ単位でひとかたまり)。
 ・控えておいた方がよいと思う語句を、必要に応じメモやURLも含め、適宜Excelの対訳表に追加します。
 ↓
区切りのよいところで見直し
 ・内容がひとまとまりになるところで。だいたい2日に1回くらいの量。まだ疲れの溜まっていないその日の作業の1番始めに「見直し作業」をします(...それがすでに昼前という不健全な生活を来年はきっと改めます<キリッ)。
 ・見直し1巡目-数値、数字、製品名等、文には関係しない部分のみチェック。
 ・見直し2巡目-原文と付き合わせて内容をチェック。
 ↓
最後まで訳出と見直しが終わったら、日本語原稿を音読。
 ↓
Wildlightで原稿をチェック
 ・あくまでワタクシの場合ですが、全角・半角や表記を細かく指定されるソークラさんがあり、たとえば、「±」表示は全角にする/半角にするなど、翻訳会社さん指定のスタイルガイドと「ここは違う」「ここは同じ」という箇所がいくつもあって、いつもチェックに難儀していたのです。Wildlightを導入し、諸先輩の助けを借りて(というか、正確には『ほぼ先輩が作ってくれました』状態ですが)、ソークラ毎に一気にチェックができる辞書を作ってから、この最終チェックが本当にラクになりました(<Wildlightの回しものではありません<念のため)。「これもほしい」と思ったらすぐに辞書に追加できるのが嬉しいです。
 ↓
納品用原稿を作成
 ・Word上書き原稿やPPTで納品するものは該当原稿にコピペ。Wordベタ打ちで納品するものは原文を消去。
 ・対訳原稿は必ず自分用に残します。


翻訳祭のセッションを拝聴した後では、こうして曝すのも恥ずかしいしょぼい翻訳手順ですが、まあ1例ということで(恥)。
もう少し強化したいところ、省力化したいところもありますし(アナログSayoさんの改善内容なんで、たかがしれていますが)、Wildlightの辞書は、JTFのスタイルガイドも参考にもちっと補強したいなと思っていますので、そこは来年早期の課題としたいです。
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2016.12.13 22:08 | 翻訳 | トラックバック(-) | コメント(4) |