屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。

先日、「医療機器関連の辞書や参考書でお勧めのものはありますか」的な質問を頂きました。
そうなんです、ジツは「屋根裏通信」は医療機器翻訳者のサイトだったのでした(本人も忘れていることが多い)。

そう尋ねたくなる気持ち、分からないでもありません。
製薬分野の翻訳だと、医学辞書を中心にそろえていくことになるかと思うのですが、「医療機器」に関して言えば、あまりにも扱う範囲が広すぎて、一般的な辞書以外に「これはMUST」的なものを挙げるのが難しいのです。私も、機械電気度の高い案件、生体関連度の高い案件、(非)臨床試験関連案件で、使用する基本辞書セット(?)や参考書はビミョーに異なります。そのあたりは、慣れで見当をつけていくしかないような気もします。もっとも、これはどの分野もそうかもしれませんが。


・翻訳者必携の英語・英英・国語辞典については、帽子屋さんのブログやセミナーやさまざまな書きものを参考にしていただくのがよいと思います。
「禿頭帽子屋の独語妄言 side A」 http://baldhatter.txt-nifty.com/
・NESTさんの「翻訳者の薦める辞書・資料」のサイトも大変参考になります(情報が膨大すぎて、ワタクシはいつもキャパ超え死してしまうのですが)。
「翻訳者の薦める辞書・資料」 http://nest.s194.xrea.com/lingua/


こうした大先輩にはもちろん適うべくもありませんが、以下に、医療機器翻訳者Sayoの普段使いの辞書や辞書ブラウザを記しておきます。
技術系翻訳10年(ほとんどが休眠期)+医療機器翻訳6年(わりとがっつり働いてます)の試行錯誤の結果です。
(これまでもそうだったように、今後も少しずつ「自分にぴったりのもの」を取り入れつつ変化していくと思いますので、あくまでも現時点、てことで)


1 対訳君医学版ACCEPT

翻訳会社提供の辞書検索用ツール(内蔵辞書+登録辞書)
http://www.mcl-corp.jp/software/s_main.html
残念ながら、2015年6月でパッケージ版販売が中止になり、その後音沙汰がないので、今後の入手は不可能かもしれません。
ワタクシは辞書ブラウザの一つという感覚で使用しています。
利点:内蔵辞書の「医療統計用語辞典」、別売の「ICHガイドライン+薬局方」が手放せない。対訳入力窓を「かんざし」的に使用して、辞書グループ別に編成した複数ウィンドウの辞書を串刺し検索できる。Windows 10でも動作する(らしい)。
欠点:そもそも新たに入手できない。ICHは古いものしか対訳がなく薬局方は15版である。最新のLogoVista辞書は登録できない/登録できるが文字化けがひどい/登録できるが検索しようとすると「対訳君」が落ちる。「かんざし」で串刺しはできない。

と、利点・欠点ありますが、ワタクシ的にはメインの辞書検索ブラウザとして便利に使っています。
デフォルトで立ち上げる辞書ウィンドウは以下のとおり。

英辞朗(裏取りは必要ですが、やっぱり便利)
WordNet+Webster 1913
英語辞書(ビジネス技術実用大辞典、新編英和活用大辞典、リーダーズ2版+プラス)
医学辞書(ライフサイエンス辞書、医療統計用語辞典、南山堂医学英和大辞典、インタープレス版バイオ・メディカル用語対訳)
研究社新和英大辞典(全文検索にして英和訳語探しに使用)

*英語辞書のビジネス技術実用大辞典、新編英和活用大辞典はPASORAMAでも見られますが、対訳君の方が見やすいため主にこちらを使っています。
*この他にICHと薬局方メインの対訳ウィンドウも開いています。
*現在未使用ですが、SIIエンジニアモデルが寿命を迎え「180万語対訳大辞典」が使用できなくなったときに備えて「日外科学技術45万語対訳辞典」も確保(どのブラウザでも開ける優等生であります)。

2 LogoVistaブラウザ

英語辞書(ジーニアス英和大辞典、リーダーズ3版+プラス)
国語辞書(日本語大シソーラス、日本語コロケーション、類義語使い分け辞典、明鏡国語辞典)

3 EBWin

対訳君とほぼ同数の辞書を登録していますが、現在は「翻訳訳語辞典」のみを開いています。

4 SII電子辞書SR-G9003(エンジニアモデル)をPASORAMA接続
(Dayfiler医学モデルも所持していますが、あまり出番がありません)
*残念ですが、SII電子辞書も販売終了となっていて、現在ではAmazonマーケットプレイスなどでしか入手できません。

2、3、4は、単体で検索する場合もありますが、たいていはかんざしで串刺し検索します。

5 デフォルトで開いている辞書関係のウェブサイト

Japan Knowledge Personal
http://japanknowledge.com/personal/
(主に、英英辞典を使用していますが、日本語の意味の確認などにも使用。まだまだ使いこなせていませんが、それでも便利)
ライフサイエンス辞書
https://lsd-project.jp/cgi-bin/lsdproj/ejlookup04.pl
(対訳君に入っているものは古いので、ワタクシは基本的にウェブのライフサイエンス辞書を使用しています)


ワタクシは「身体に入れる系」の医療機器の翻訳がほとんどですので、医療機器翻訳の中でも医学寄りだと思うのですが、それでも「医学度」の高い案件とそうでない案件があります。
「医学度」が高い案件の場合は、上記の基本セットの他に、必要に応じて、以下の辞書グループや辞書サイトも開きます。

・LogoVistaの医学辞書グループ(医学書院医学英和大辞典、研究社歯学英和辞典)
・循環器用語集(循環器案件が多いので)
http://www.j-circ.or.jp/yougoshu/
・日本医学会用語辞典(訳語が複数あるときは、コチラのサイトの用語を採用することが多い。無料ですが登録要)
http://jams.med.or.jp/dic/mdic.html
・臨床試験用語集(治験関連案件の場合)
http://www.tri-kobe.org/cdisc/glossary/glossary.php


また、マーケティング案件など、日本語で悩むことが多い案件の場合は、以下のサイトも開いておきます。

・少納言(現代日本語書き言葉均衡コーパス、コロケーションを確認したいとき)
http://www.kotonoha.gr.jp/shonagon/
・連想類語辞典(注意して使用する必要はあるかと思いますが、思いがけない訳語を思いついたりするのだ)
http://renso-ruigo.com/


紙辞書や参考書は、案件によって参照するものが違ってきますが、医学関連でよく参考にするのは、

「FDAの事典」(薬事日報社、第2版) 医学和訳者必携(ホンマか<自分)。
「医療機器の生物学的安全試験」(情報機構) 非臨床試験関連案件の場合。いやもう、「使い倒したる」と握り拳せざるを得ないようなお値段です。何といっても「情報機構」さんですから。でも、何度も助けて貰いましたので、たぶんもとは取ったと思う。
「新版・知識整理のためのペースメーカ・ICD・CDT/CDT-D・ILRブック」(メジカルビュー社) この本なしには、特に循環器の電気生理案件には立ち向かえません(あくまでも個人的な感想です)
「医療機器開発ガイド」(じほう) 法規制の確認に。
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2017.09.05 23:36 | 辞書・参考書 | トラックバック(-) | コメント(8) |