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屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。


連休前のその日、ワタクシは、見るともなくテレビを見ながら、帳簿付けをしていました。
NHK、だったと思います。西川きよし師匠と藤井隆さんと(たぶん)アナウンサーの女性が、ゲストとトークするという番組。

その中で、ゲストの俳優さん(朝ドラで漫才師役をされていて、役作りのために実際に相方役と漫才をされているのだとか<今期の朝ドラは早々と脱落したので、記載に若干の間違いがあるかも)が、きよし師匠に「漫才がうまくなるにはどうすればよいですか」的な質問をされました。

きよし師匠は、「上手くいかなかったり受けが悪かったりしたときは、『どこが悪かったんやろ』と楽屋に戻ってから何度も(横山やすしと)二人でネタ合わせをした。50回はやった(この『50回』という数字でテレビ集中モードが覚醒するまでいい加減に聞き流していたので、その前のきよし師匠の言葉は正確ではない可能性があり、『舞台に上がる前は、50回はネタ合わせをした』ということだったかもしれません)。それだけやって初めて安定(安心?)してちょっとしたアドリブをはさめるようになる」と回答されました(もしかしたら、それは質問者が期待した答えと少し違っていたのかもしれませんが、そこは藤井隆さんが上手にフォローされていました)。

やすきよの漫才は、今見ても面白い。「これ前も見たネタやな」と思っても聞き入ってしまうことがあります。
やすしさんが奔放に好き放題暴走しているように見えて、裏ではこれだけ努力していたのだなと、ちょっとしみじみしました。

同時に、バラエティ番組に出ずっぱりの最近の漫才師の方々には、果たして、1回の本番のために50回練習する時間はあるのだろうかとも思いました。
あくまで、(普段そもそもあまりテレビを見ないワタクシの)個人的な感想ですが、最近の漫才は「1回みたら同じものはもういいかな」というものが多いような気がします。
視聴者が常に新しい、面白いものを求めている(あるいは作り手がそう思っている)というのもあるのかもしれませんが、昔ほど練習する時間がないということもあるのかもしれません。
...そして、もしかしたら、多くの漫才師の方が「このままではいかん」と思っておられる...のかもしれません。ちらっと思っただけですが。

そんな風に思ったのは、「十人十色」勉強会のあと、多くの参加者の方から「これまで体験したことがなかったような内容だった」(確かにそれはあるかも)という感想をいただいたり、翌日から「**をはじめた」というようなツイートをいくつも拝見したりしたからなのです。そうでなければ、ワタクシは、この話を「ええ話や」で記憶の底に葬っていたに違いない。

もしかしたら、多くの翻訳者の方が(ワタクシ同様)、日々の忙しさに追い立てられつつ、「今のままではいかん、本当は、良質の文章を音読し、聴き、書く訓練をする(そしてそれを続ける)ことが大切で、自分に必要なことなのだ」と焦燥感を募らせていたのかもしれません。今回の勉強会は、そうした焦燥感に対し「ひとつこういうやり方がある」という具体的な道を示してくれるものでした。それが、参加された方の胸に響いたのではなかろうか、と(スタッフの贔屓目も交えつつ)そんな風に感じております。

ワタクシ自身、「ストレッチ」が若干なあなあになっていたなという思いはあります。
少し整理し、毎日の生活に支障がない程度に違う内容のものも増やしていきたいと思いました。

昨日は廃人化していましたが、今日いち日少し頭を整理する時間がありましたので、明日をMy New Year's Dayとして、「(息切れしない程度に)今年も頑張ろう」スイッチを入れたいと思います(...ああ、日付変更線をまたいでしもうた...)。
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2018.01.09 00:10 | 翻訳 | トラックバック(-) | コメント(0) |
昨日(1月6日)、大阪で「十人十色」勉強会が開催されました。

講師は、実務翻訳者(金融)で出版翻訳も手がけられるS木立哉さん。
内容は、「『翻訳ストレッチ』を体験しよう」と「実務翻訳と出版翻訳の両立について」の2本立てです。

最初は「side 聴講者」「side スタッフ」の2本の記事を書こうと思っていましたが、今、資料を読み返してみると、メモほとんど取ってないし(ストレッチはきちんとやりましたよ<念のため)、あんまり記憶ないし。
勉強会中は、S木さんから、「早口になりすぎたら止めてね」と大役を仰せつかり、話の内容より「それは関西人をも凌駕する早口なのか」という点に注意を集中し、電気を点けたり消したりで忙しく、質疑応答ではマイクを持って歩き回っていたため、「なんか気がついたら終了時間になっとった」というのが正直なところです。

以前、翻訳祭実行委員の方が「ゆっくり話が聞けない」と仰っていたことがあるのですが、しみじみ実感いたしました。

ということで、1本で2サイドの報告になります。


「十人十色」勉強会報告 side 聴講者

「翻訳ストレッチ」
TOEIC用の問題集を使用するなど、ストレッチの内容が一部変わっていますが、キモは前回報告時と同じですので、リンクを張っておきます。
http://sayo0911.blog103.fc2.com/blog-entry-524.html

心に残った点を箇条書きしておきます。

・続けることが大事(自分の生活の一部に組み込む)。
・翻訳力をつけるためのものではない。
・毎日翻訳に向かうための(自分の中の)準備を整えるものである(その意味で「筋トレ」ではなく「ストレッチ」)。
・知らず知らずのうちに身についた自分の翻訳のクセを取るものである(そういう意識を持つことが大事かも)。

今回、1. 原文と訳文の比較(音読しつつその場でメモ、その場で暗記)、2. ひたすら音読教材(味わいながら読み、体にしみ込ませる)、3. 学びのための教材(音読しつつメモ、その場で暗記)、の3種類に分類した「今回の使用教材一覧」をまとめてくださったのですが、自分は、2. しかできていないなあと反省しました。前回の報告のあと、原文と訳文を比べる作業を追加しようと思ったのですが、まだできていません。今年は、それをルーチンに組み入れることを課題にしたいと思います。

蛇足。
S木さんは、「訳文の文頭や言葉尻の処理が上手く参考になります」と、この原文と訳文の比較に村井章子さんの訳文を使っておられます(村井さんの文章はワタクシも個人的に好きでして、JTFセミナーのDVDも購入しました)。その話とからめて、柴田耕太郎さんの「決定版 翻訳力錬成テキストブック」についても触れられたのですが、柴田さん訳は「ここがギリギリの線」という訳文もあるので、自分は「ここまでやってしまっても大丈夫か」を確認するような意味で使用しており、初学者はいきなり柴田先生から入らない方がよいのではないかとのことでした(*あくまで個人的な意見ということで述べられています)。
翻訳祭で柴田先生のお話をお聞きしたとき、ワタクシも若干同様のことを感じましたので、「蛇足」として述べておきます。

「実務翻訳と出版翻訳の両立について」

「ここだけ」という話が多く、あまり詳しく報告できないのが残念なのですが、ご自分の体験から「実務翻訳と出版翻訳の両立は、金銭的にも、精神的にも、肉体的にも厳しい」ということを、数字でデータとして示してくださいました。
S木さんの尊敬するある先輩は、「出版は一に給料、二に稼いでくれる配偶者、三四がなくて五に資産」と、本気ともつかぬ口調で仰るそうです。
それほど儲からない、憧れだけではなかなか食べていけない仕事だと強調し、自分は「自己表現と自己実現への欲求、社会に何か残したいという得も言われぬ情念、そして『これを世に出すのは俺しかいない!』という意地」でやっていると仰るのですが、そう語るS木さんはどこか楽しげで、出版翻訳が好きだからこそ、時間を捻出して両立されておられるのだなと思えました。同時に、出版翻訳を目指す人たちへの「それだけの覚悟を持てるなら頑張りなさい」というエールのようにも聞こえました。まあ、勝手にそう思っただけですけど。あとは、体を壊さないよう、そこを気をつけて頂きたいと思いました。
訳書や著書、ストレッチに使用した書籍など何冊も持参いただき、休み時間には、それらを並べた場所に常に人だかりができました。ばたばたしていて、ゆっくり拝見できなかったのが残念です。


「十人十色」勉強会報告 side スタッフ
(興味のある方のみどうぞ)

話は昨年4月にさかのぼります。
その日、ワタクシは、ある決意を胸に東に向かう新幹線に乗っていました。十人十色の「第2回翻訳ストレッチ」に参加するためです。そのときから、「S木さんを大阪にお呼びしよう」という心積もりはありました。
JTFセミナーの講演会録を読んだり、参加された方の呟きを目にしたりするかぎり、これまでの各種セミナーとはひと味違う、面白そうなセミナーです。きっと、関西にもS木さんの話を聞きたいという方がたくさんおられるに違いない。

だがしかし。
「よいセミナー(らしい)」ということは分かっていても、やはり、自分で体験してからコトを進めたい。その方が全力でお願いも宣伝もできるというもの。ということで、実際に「翻訳ストレッチ」を体験し、期待どおりの(以上の)感触を得、懇親会の席で「是非大阪でも」と直訴し...「じゃあ『十人十色』で行きましょう」と、結構あっさり話が決まったのでした。

でもだがしかし。
ワタクシには、勉強会を仕切るだけのノウハウも人脈も力もありません。これはもう、それらすべてに長けた「しゃちょー」にお縋りするしかあるまいと、帰阪した翌週の「大人の遠足」でご一緒したN内さんにヘルプを要請し、「わたしもその話聞いてみたいわ」と快諾頂きました。

そして、すべてが動き始める...ハズだったのですが、諸般の事情で開催が延び延びになり、8月に「1月6日でいきましょう」ということが決まりました。その時点で、まずは会場を抑えました(ワタクシじゃないけど)。

その後、しばらくの間は「翻訳ストレッチ」以外にどんな話をして頂くかについてポツポツと話し合う以外は特に何もしなかったのですが、年初という若干特殊な時期であることから、早めに告知した方がよかろうという話になり、10月下旬に、「十人十色」勉強会のグループページに当ブログのお知らせ記事へのリンクを張って告知する形で、開催を告知しました。
実名とHN(Sayo)の両方をご存じの方が増えてきたため、昨年頃から、FBのトモダチ限定のTLではたまにブログ記事へのリンクを張ったりはしていましたが、「十人十色」という大人数の勉強会で両者を関連付けることに葛藤がなかったわけではありません。が、まあ、最終的には「ま、えっか」で最後の一線(?)を踏み越えました。「ブログにリンク」の形にするのが、一番労力が少なく思えたのよね。

また、新年会の時期と重なることから、11月早々、S木さんの食べものや飲み物の好みを確認した上で、アバウトな人数で会場を抑えました。これには、これまで各種の幹事をやり倒してきた旦那の助言がかなり役に立ちました。

この頃から、後半部分の「実務翻訳と出版翻訳の両立」についての話合いも具体的になっていきました。S木さん始め、十人十色管理人のI口(ふ)さん、N内さんは、皆さんレスポンスも早く、話がしやすい方々でした。勉強会&懇親会を無事に終了することができたのは、幹事のチームワークがよかったことも大きかったに違いないと、個人的には思っています。11月末、翻訳祭に合わせてワタクシとN内さんが上京したおりに、4人で話し合う時間を設けられたことも大きかったと思います。ここで、方針や流れの理解にズレがないことを確認しました。
勉強会の募集と集金はI口さんが、懇親会の募集やキャンセル対応はN内さんが、懇親会場とのやり取りと「何か書いて告知する」のはワタクシ、と何となく役割分担が決まり、ワタクシ的には、あとの2人の担当は任せておけば何の心配もなし、と思えたのも心強かったです。

12月に入り、募集が始まると、早々に満員御礼の状態となり、根が小心者のワタクシは、だんだん怖くなってきました。これだけの人数の参加者に満足してもらえるだけの勉強会(ワタシが喋るんじゃないけど)や懇親会(ワタシが作るんじゃないけど)ができるのか>自分。この時期、N内さんには「ダイジョブだよ」とずいぶん励ましてもらい、本当に感謝しています(また、「十人十色」勉強会の方に書き込ませて頂きましたが、勉強会にも懇親会にも、キャンセル待ちのまま参加できなかった方が出てしまい、その点は、「仕方がなかった」と思いつつも、今も本当に申し訳なく思っています)。

S木さんからは、「そこまで言っていいんかい」的なものも含め、次々と当日資料のデータが届き始めました(一度方針を決めてからは、ご自分の方から「あれも話そうか、この話もしようか」と提案してくださったので、こちらもとてもやりやすかったです)。最後に「レジュメです」と届いた資料に目を通した瞬間、ワタクシは、「この勉強会、もらったぜ(自分が何かポカをやらかさなければ)」と心密かにガッツポーズし、4月のあの日、S木さんを関西弁で口説いた自分を全力で褒めてやったのでした(もーこれ以上、自分は褒めへんからな、今だけ許してな)。

当日は、たくさんの方に助けて頂き、無事に懇親会まで終えることができました。
この達成感は麻薬に...なりませんので、念のため。しつこいようですが、ワタクシは「臨時」スタッフです。

あ、最後に、2つだけ。

その1
S木さんの話の内容も話術も素晴らしかったです。関西人に突っ込むスキを与えず、笑いを取りながら話を進めていくのは、なかなかできることではありません(<あ、皆さん、お話の内容に感服してたのかな、あ、そっちかな、スイマセン)。

その2
懇親会のお店について。「たちばな ひるとんプラザイースト店」というお店ですが、何度もしつこく電話したワタクシにいつも丁寧に対応してくださり、当日は、山ほどの小銭を交えて支払いをしたワタクシに(「当日5500円を握りしめてきてください」と連呼しすぎたせいか、5480円を握りしめてきてくださった方が多かったのだった)、イヤな顔ひとつ見せず最後まで笑顔で対応してくださいました。お料理も美味しかったです。飲み放題の延長(事前に予約要)も可能です。関西の幹事の方は、心の片隅に留めておいて頂ければと思います。
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2018.01.07 18:16 | 十人十色大阪2018・跡地 | トラックバック(-) | コメント(0) |

そんなわけで、年末年始、通常営業だった屋根裏です。
この超弩級の「気持ち改まり感のなさ」はどうだろう。ダイジョブか、自分。

たぶん、6日の「十人十色」勉強会で、「今年も頑張ろう」スイッチが入ると思います。
そうだ、そういうことにしておこう(気が抜けて廃人化するという説もあります).


さて。
年末年始は、ワタクシ的にはやや大きめの案件に取り組みました。
一部内容が重複する参考資料も頂いたのですが、全訳で、「基本、参考資料の訳語を踏襲してほしいが、変更可(ただしコメントつけてね)」という指示がありました。
最終的に50%以上重複する部分があり、ここはもう「うっしっしっ」と軽やかにコピペしたいところですが、昨年からのMy Themeは「考える」ひと手間をかけることです。

以前は、

A. 英文を読む
B. 参考資料で該当訳文を確認する
C. (該当訳文があれば)そのままで問題ないかどうか考える
D. 最終的な訳文を仕上げる

としていたところですが、暫く前から、AとBの間に

A'. 自分で訳文を生成する

というStepを入れています(この場合、「C」にかかる時間は短くなります)。

全体としては作業時間は延びますので、非効率的なやり方かなとも思うのですが(というわけで、今回も最後はかなりへろへろだったのだった)、こういう案件をいただいたときは、今暫くこのやり方を続けてみようと思います。
最初からあるものに合わせにいくのと、自分で考えたものと比較するのとでは、結果は同じでも、きっとどこかに違いがあるはず。はず。

「A'」を入れたことで、以前より、参考資料作成者さんの文章のクセがよく分かるようになったのが、自分でもちょっとびっくりでした。
ここでいう「文章のクセ」というのは、たとえば、followingという語を「以下の」としても「次の」としても違いがない場合、自分なら第一選択肢としてどちらをとるか、というような小さな「クセ」です。

今回の仕事は取説でした。
取説では、「書かれた内容がすぐに理解でき、迷わず操作ができる」ことが大切だと思うのですが、加えて、「全体が同じトーンである」ことも、取説的user-friendlinessといえるのではないかなあと思っています。
取説は、あたまから順に読んでいくというより、「必要なときに必要な部分を読む」という読み方をされるのがフツーですから、どこをとっても同じ調子で書かれている方が、使用者は理解しやすいのではないかと思ったりするわけです。
もちろん、正しい内容が、過不足なく、分かりやすく書かれていることが前提ですが。

なので、この頃では(...以前はあまり考えなかったんですけど...)、差分翻訳であってもなくても、参考資料と「表現を合わせてください」という指示がある場合は、まず自分で訳語を考えつつも、最終的には、できるだけ気配を消して、参考資料のクセに合わせるようにしています(質の高い参考資料を頂けることが多く、正直「この日本語に合わせにいくのツラいわ...」というケースがないのはありがたいことだと思っています)。
最初に「A’」を入れることで、逆にそれがしやすくなるのは、自分訳と参考資料訳の違いが、自分の中でより鮮明になるからなのかなと思います。

Step「A’」を入れても、流用できる参考資料がある方がラクはラクなのですが、一からの訳出の方が楽しいのは確か。調べものもしんどいことが多いですが。
次は週明けから「一から仕事」なのですが、原稿が未入稿のため、若干戦々恐々している今日この頃です。
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2018.01.05 21:36 | 翻訳 | トラックバック(-) | コメント(0) |