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屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。


届きました~。
業界の動向はやはり気になりますから、毎回購入するようにしています。

2年前の号とあまり変わらないつくりですが、その時点で「これから」の方を主な読者とする雑誌としては、これはこれでいいのかなと思います。
それなりに勉強してきたハズの私も参考になる部分はまだまだたくさんあります。

医療機器の扱いが小さいのは、ちょっと悲しいですが、まあ毎度のこと。
法律は「医薬品医療機器等法」に変わっても、メディカル翻訳の分野では、まだまだ添えもの的扱いなのだと感じます。
電気機械やITが絡んでくるので「メディカル」で括りにくいということはあるかもしれません。それで、どうしても包括的な説明だけになってしまうのでしょうが、いつか、少し違った切り口からの医療機器翻訳に関する説明を読んでみたいものです。今後需要が増えこそすれ、減ることはない分野だと思います。

今回、一番興味深く読んだのは、メディカル専門の翻訳会社の方による「AIの時代がやってくる-メディカル翻訳におけるMTの可能性」という記事でした。巻頭特別企画のひとつです。
短納期で言い回しが決まっている(定型書式)文書にSMTを利用する、という考え方には頷けるものがあります。
今後、メディカルの分野でも、人手による翻訳と機械翻訳が併存するという流れは避けられないのかなと思います。寄稿者の方も「MTは確実に普及する」と言っておられます。

ひとつ気になったのは、「MTをツールとして上手に活用していくためには、より高い専門性、翻訳スキルが求められる」「MTを仕事を奪う競争相手と考えるのではなく、効率化のツールと考えていただければ」と書いておられること。(間違っていたら申し訳ないのですが)これは、「知識の豊富なスキルの高い翻訳者にこそPEをしてほしい」とも読めます。
文書の性質にもよるでしょうが、確かに、アウトプットされた訳文に(内容的に)間違いがないかどうかをチェックするには、特にメディカルの分野では、かなりの専門知識が必要になると思います。専門的正確性を担保しつつ、読むに耐える訳文にeditするには、高い翻訳スキルも必要でしょう。
けれど、PEという作業は、翻訳者をアウトプットされた訳文の範囲でしか翻訳できなくしてしまうのではないかと思うのです。自分で一から考えるからこそ、さまざまな方向から翻訳に取り組むことも可能です。でも、どんなに優秀な方でも、「すでにある訳文の範囲で直す」という作業ばかりしていると、その範囲で考えることしかしなくなり、最終的には、その訳文のレベルの翻訳しかできなくなってしまうのではないでしょうか。それは言いすぎとしても、本来の翻訳力がある程度低下するのは否めないと思います。少なくとも、何かと流されやすい私はそうなってしまうと思います。

とはいえ、PEが、高い専門性とスキルを必要とする作業であるのも確か。
ですから、翻訳会社には、優秀な方は、その技術に対して、金銭的に正当な報酬で報いてほしいと思います。
そして、もしも自社登録の優秀な翻訳者の方をPEに抜擢しようと考えているのであれば、そうすることで――人によっては――その方本来の翻訳能力を低下させてしまうおそれがある(翻訳会社的にみれば、優秀な翻訳者を失うリスクがある)のではないか、という点も今一度考えてみて頂ければ嬉しいなと思います。


*「翻訳能力の低下」に関しては、周りの影響を受けやすい自分の目線で「こうではないか」と考えているものです。「そういう可能性もあるかも」と捉えて頂ければ。
それはそれとして、翻訳者自身も「この先自分はどうしたいか、何をしたいか」をきちんと考える時期にきているのではないかと思いました。
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2018.10.05 01:03 | 翻訳 | トラックバック(-) | コメント(2) |