屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。

てことで、やっと「Micro」です。
...ていうか、ここはいったい何のブログなんだろう<自分。

この非常時に(2つ前の記事↓を参照)、何悠長に大作読んどんねんという厳しいご意見もあろうかと存じますが、いつもの「ながらリスニング」の一環ということでお許しください。2度目の分納が済んで、ほんのわずかの開放感。今日はこれから、溜まった外回り仕事(?)をやっつけて、夕方から、また心を入れ替える予定。

てことで、聞流しですので、一部理解した内容が間違っている可能性があります。ご注意ください。


Crichtonが残した、全体の4分の1ほどの原稿+プロット+資料から、2年の歳月を掛けてPrestonが完成させたという、Crichtonの遺作。

どこまでがCrichtonの原稿なのだろうと思いながら聴きました。が、もちろん、非Native SpeakerのSayoには、(たとえあったとしても)表現の微妙な違いなど分かろうはずもないのでした。いずれにしても、訳書では、酒井明昭伸氏が、見事に「ひとつの作品」にして下さっているはずです。Crichtonの作品では、「ジュラシックパーク」(正/続)、「NEXT」を訳書で読み、「Pray」「Timeline」をながらリスニングしましたが、全体「Crichton」テイストのように感じました。森林中でのサバイバルの詳細な描写は、Prestonの手になるものではないかという気がしますけど。Prestonも、ぐいぐい読ませてくれる方ですし、ご自身「Cobra Event」という小説も書いておられますので、Prestonが引き継いだのは妥当な選択だなあと思いました。

「ジュラシックパーク」(主要登場人物サバイバル<で順番に舞台から退場)系の話らしいということが分かった時点で、心安らかに最後まで聴き続けるため、図書館に走り、「マイクロワールド(下巻)」をラストから100ページほどざくっと立ち読みし(ストーリーは分からないまま登場人物の去就だけ確認するという、こういう読み方は結構得意)、誰が生き残ったのかを確認しました。結果、「この組み合わせでこの人数かい~!!!(驚倒)」でしたが、ともかく「心安らかに最後まで」の目的は果たすことができました。

面白かったですが、日本語で読むのは、人によっては「・・・(熟考の余地あり)」かもと思いました。小人化された学生たちが鳥や昆虫やハンターと戦って敗れ去っていく様は、個人的には、「ジュラシックパーク」よりグロい描写ではないかと。日本語で読むと、簡単に脳内動画変換できてしまう部分が、英語なのでワンクッションあることに加え、耳から入れるためにストーリーを聴き取ることに集中していて、ささっと流せた感はあります。CGや3D技術が進んだ現在、映画向きの題材という感じはしますが、小心者のSayoは、映画化されても見に行かないと思います。

ストーリーは、だいたいこんな感じ↓
(多少ネタバレあっても面白く読めるかと思いますが、いちおー、ここで回れ右の判断をなさって下さい。ちょっとスペースを置いときます)







7名のScience専攻の大学院生が、磁気を利用して物体を矮小化する技術を開発したNanigen社(ハワイ)のpsychopath社長の手によって2分の1インチの大きさに小人化され、証拠隠しのために、Nanigen社所有の森林中に放り出されるというもの。長くその状態でいると、bendsと呼ばれる止血不能の状態に陥り死に至るため、何としてもTensor coreと呼ばれるその装置で、元のサイズに戻らなければなりません。かくして、7人の森林脱出行が開始されます。
で、多くの仲間が敗れ去って行き、一部メンバーがやっとのことでNanigen社まで辿り着くのですが、そこにも、こちらは人工の産物であるBotと呼ばれるミニキラーロボットが待ち受けています。1~2ミリの大きさしかないのですが、ナイフだのハサミだの物騒な武器を備えていて、小さな切り傷をこさえるのみならず、体内に入り込んで中から動脈を切断し敵を殺傷します。昆虫も怖いですが、こっちもかなり怖い。個人的には、怖さヴェロキラプトル(「ジュラシックパーク」)級。それから、こっちは実際に学生相手に立ち回り(?)こそしなかったものの、致死薬物ミサイルを備えたHell stormというBotもいます。最後には、皆さん焼き尽くされちゃうようですが。

さて。
この「Micro」は、著者(Crichton)のIntroductionから始まっています。
その中で、Crichtonは、現代の子供たちは自然に触れる機会がなくなったと嘆き、実際には自然をunderstandできていなくてmanageしているだけと述べています。それが、小人化した学生たちのサバイバル物語に繋がっていくのですが、じゃあ、機械を小型化する技術にはどう繋がって行くのだろうというのが、ちょっと疑問として残りました。
Nanigen社は、もともと自然界から病気の治療に用いられる薬物を得ることを目的としていて、小型化技術もその目的を果たすためなのですが(と金儲けに走るPsychopath社長は熱く語っている<嘘こけ)、ラストの方では、どう見ても武器造りが主目的としか思えない感じになってしまっていて、自然界での冒険と小型化技術が分断されてしまったような印象を受けました。せっかくの技術なのに、(ストーリー中で)学生たちを自然界に放り出す役割しか果たさないTensor coreは悲しすぎますし、(手術や薬のデリバリで)医学界に大きく貢献できる可能性を秘めながら、人を攻撃するためだけにせっせと働かされる(?)Botたちは不憫です。うまく言えないのですが、様々な内容を詰め込もうとし過ぎて、全体少し散漫になってしまったような印象を受けました。などとエラソーに書いてしまいましたが、十分面白かったのは事実です。でもって、あくまで、個人的な感想です。
それにしても、Crichtonは、自然とBot技術をどう結びつけようとしていたんだろう。残念なことに、Introductionには、その部分への言及はなく、not finishedと終わっています。

Crichtonの新作がもう読めないのは残念です。
2012.11.07 12:33 | 和書・洋書 | トラックバック(-) | コメント(0) |












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