屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。

強化のためになるような内容ではありません、念のため。
いつものようにぼそぼそ呟いています。


何名もの翻訳者の方が記事にしておられましたが、
「通訳・翻訳ジャーナル」Winter号の特集の1つが「日本語力強化」でした。

私は翻訳者の風上にも置けないヤツなんで、
「通翻ジャーナル」も図書館読みで済ませます。
11月は「贖罪案件」でちょっと忙しくしておりましたが、
先日やっと「背表紙の立読みするで」(至福の時間の1つです)
的な気分的余裕ができ、図書館に行ってまいりました。

「日本語力強化」の記事はまだ拾い読みした程度ですが
(新号発売後に旧号の借出が可能になるので、
たいていは「取りあえずざっと読む→後で借りる」流れなのだった)
ナルホドとも当り前とも言える内容だなあというのが、大雑把な印象でした。

お勧め図書も何冊かありました。
「てにをは辞典」は、いくつかのブログでも紹介されていた記憶がありますし、
翻訳者仲間の方にも「面白いですよ~」と教えて頂いたことがあり
読み物的にも興味ありますが、とりあえず「ほしいものリスト」保存中です。


以下は、特集に寄稿されていた方々の文章の記憶に残った部分をいいとこ取りして(きちんと覚えていないけどたぶん)、多少Sayoの思うところも付け加えた感想です。いつものように、気分転換のお供にテキトーに読み流してやってください。

個人的には、(そのように書いておられた方もおられたかと思うのですが)「その分野のその文書の『TPO』に最適な言葉で翻訳する」ことが、翻訳者に求められる「日本語力」であろうと思います。当り前っちゃあ当り前ですが。

話はちょっと脱線致しますが、実は私、森鴎外などの、きしぱしぴしっ(←擬音語か擬態語かさえ謎な凄い表現ですが)としたリズム感のある文語調の文体が密かに好きなのですね(なので、独特のリズムのある英語も同様に好きなのかもしれないと時々思う)。でも、あの文体で、取扱説明書とかパンフレットとかを訳すのは翻訳者的には自殺行為ですよね(・・・いや、意外にいけるかもしれない<特に、パンフレットは意外性で顧客を惹き付ける効果があるかも<ないない)。

・・・というのは、まあ、極端な例ですが、つまり、そういう文書に「森鴎外」は、翻訳におけるTPOを完全に外していると言ってみたかっただけです。
取説とパンフレットとひとくくりにしましたが、それぞれ求められる言葉や文体は違いますし、「過不足なくきちんと意味を伝える」以外に注意しないといけない点も違ってくる。個人的には、取説では「曖昧な表現がないこと」、パンフレットは「ネガティブな表現を使用しないこと」が重要かなと思っています。日々のお仕事では、なかなかそこまで気が回らないのが現実で、目指すべき理想でありますが。

それ以外に、分野ごとの特別な表現や言い回しというのがあります。
医薬翻訳の勉強を始めた頃は、このギョーカイ(?)ではお馴染みの「有意な」さえ、それまで聞いたこともなかったので、「この日本語何やねん??」と頭の中をハテナマークが飛び交ったものです。

そんな風に、「日常生活では使わんやろ」的な表現は、たぶんどの分野でも登場するものではないかと思います。そんな時、私は、つい医薬翻訳者としてはまだまだ修行中の身である自分の立場を忘れて(読者の皆様も一瞬忘れてやってね)「そんな言葉は普段使わんやろ~!!」と突込みを入れてしまうのです。
翻訳者の日本語力には、そういう、日常的にはちょっと「?」な言葉でも、業界用語であれば適所で正しく使うという能力も含まれるのではと思います。

そいつらに多少の自信を持って立ち向かうには、多読・精読・濫読(分野を限らず)による語彙の蓄積は必要だろうと思いますし(ここ10年以上、全然できていないことを告白しておきます<昔も「分野を限った多読」のみでしたので、「最近できてません」以前の問題ですね)、自分の目指す分野で用いられる文書を多読して表現に慣れよという諸先輩方の教えは、ご自身の経験に裏打ちされた適切な助言と思います。

その上で、敢えて、「これも大切なのでは?」と思うのは、「その表現は普段使いの言葉としてはおかしくないか? → (調べる→どうやら常用されているらしい) → てことで業界用語としては一般的に使用される」という段階を踏んで(つまり「ソレ、日本語としてどうなのよ?」ということを考えながら)、表現を覚えていくことではないかなと思います。
「significant=(医療統計では)有意」と覚えることは簡単ですが、覚えたことは、継続使用しない限り、(年をとれば)必ず忘れます(まあ、「有意」は色んなトコでよく遭遇しますんで「コレを忘れたら終わりよ」感はありますが)。「無意味(=randomに起こる確率)じゃなく、『意』味が『有』って起こることだから『有意』なのね~(日本語は深いわね~)」と納得して(?)覚えれば、記憶にも残りやすいと思うのです。そういう「変やけどええんか?」の比較対照としてたくさんの語彙を持っていることは翻訳者にとって無形の財産ではないかなと思ったりするわけです。とか、格好よさげなこと言ってますが、言ってる本人全然できてませんので、自戒をこめまして。


そんなわけで(<どんなわけで?)ですね、最近、屋根裏的には高頻度の更新が続いておりますが、これはあくまでも「贖罪案件」の反動ですので、そろそろいつものペースに落ち着くかな~と思います。
2012.12.02 00:08 | 翻訳 | トラックバック(-) | コメント(2) |

Baba-nekoさん、はじめまして。
私もbaba-nekoさんのブログに時々お邪魔させて頂いています(ロン君&猫ちゃんたち可愛いし)。これからも、どうぞ宜しくお願い致します。
どの分野にも独特の表現ってありますよね。私は以前、派遣翻訳者として、メーカーの品質管理部にいたことがあるのですが、そこでも、個人的に「はい?」な表現はたくさんありました。
ただ、(異論のある方もいらっしゃるかかと思うのですが)、個人的には、翻訳においては、エンドクライアントさんが悩まずすっと理解できる文章を書くことが必要なのかなとっています。そこで用いられる言葉は、長い時間を経て大勢の方々に使用されるようになってきたものでもあるので、「正しい」「正しくない」でアッサリ測れるものではないのだろうとも思います。
「その場に最適な訳語」をきちんと取捨選択ができるようでありたいと思いますが・・・フダンの日本語がコレですから、あくまで理想です。
立読みで済ませた私が言うのも説得力に欠けますが、「通翻ジャーナル」では何名もの方がそれぞれ少しずつ違う立場から、「日本語力」について書かれていたと思います。Baba-nekoさんにとって「ぴぴぴっ」という部分があるとよいですね。
ではでは。

2012.12.02 19:46 URL | Sayo@屋根裏 #- [ 編集 ]

はじめまして。分野は違いますが(主にITです)同業者のbaba-nekoです。いつも新しいエントリがアップされるたびにお邪魔させていただいております。
今回のこの記事、私もまったく同じような思いがあります。
自分の中では、これって日本語としてはどうなんだろうって思う日本語、というか日本語の表現を使いまくっております。
その結果、なんだか自分の日本語がおかしくなっていることを実感していたりもします。
翻訳を始めた頃の私はいなくなっているような…
私はこの業界自体の情報を積極的に取りに行くタイプではないのですが、通翻ジャーナルをAmazonにてオーダーしました。それもこれも日本語力って、いったい何なんだって思いがあります。
これからもsayoさんのエントリを楽しみにお待ちいたします♪

2012.12.02 16:55 URL | baba-neko #QdxuN4Dc [ 編集 ]













管理者にだけ表示