屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。

CD BOOK聞流し終了。
以前記事にした5巻モノClifton Chronicle「Only Time Will Tell」の続編です。

前の記事でも書きましたが、粗筋は、Wikipediaさんがうまくまとめて下さっていますので(英語ですが)、そちらをご参照下さい。
http://en.wikipedia.org/wiki/The_Sins_of_the_Father_(novel)

前作では、主人公Harryの誕生~19歳まで(1920~1939年)を扱っていましたが、本作では1939~1945年の6年間が描かれます。前作のラストでは、皆のためによかれと思って名前を騙ったTom Bradshawが、実は兄弟殺しで指名手配中だったことから、Harryがアメリカ上陸と同時に逮捕されるところで終わるのですが、本作も、「で、これからどうなる?」的に終わっていました。ヒキが上手いね~(でも、第3巻「Best Kept Secret」は4月発売なのだ<Kindle版は既に発売済み)。

本作でも、様々な登場人物の視点からストーリーが語られます。前作では、同じ時に(ほぼ)同じ場所居合わせた登場人物によって、異なる角度から同じ事件が語られることが多く、全く違った視点から1つの同じ状況が語られていたり、別の登場人物視点の語りではさらっと流されていた部分が伏線回収的謎解き的に詳しく語られたりする面白さもあったのですが、本作では、登場人物の活動範囲が大陸やアメリカにまで広がってしまったため、普通の3人称ストーリー状態になってしまい、前作のような謎解き的面白さはなくなってしまいました。

それでも、ストーリーは十分面白かったです。ツッコミ入れたくなる場面もありますが、それでも、Jeffry Archerは、稀有なストーリーテリングの才能を持った作家だと思います。それから、これは好みの分かれるところかもしれませんが、基本は「勧善懲悪」なので、主人公たちがどんな苦難に出会っても、「でも最後には逆転♪」と安心して読むことができます、たぶん(個人的には「英国流水戸黄門」と読んでいます)。「たぶん」としたのは、全作品を網羅しているわけではないためで、特に他意はありません。

前作では、一押しのキャラだったOld Jackが物語の終盤で亡くなってしまい、悲嘆にくれたSayoですが、本作でも、結構気に入っていた2人の登場人物が途中で亡くなってしまい、「私の好きな人は、皆こうなる運命なのね~」と、またまた悲嘆に暮れております。主要な登場人物は、良くも悪くも多少定型的なところがありますが、彼らのような一過性(?)の登場人物は、もう少しキャラが濃い場合が多く、より心に残るのかなと思います。特に、Harryの収監時のCell inmateだったPat Quinなんかは、もの凄く乱暴な括りでは「お笑い担当」的な位置付けで大好きだったんですけど、亡くなる場面もきちんと描いて貰えていなくて、とても不憫だったのでした。

何とももやもやしてしまうのは、異母兄弟かもしれないHarryとEmmaが愛し合い(これは知らなかったことですし、ストーリー上もここから話が大きく動くので仕方がないことなのですが)、子供まで設けたことに対して、家族も世間もとても寛容なこと。確か、「チェルシーテラスへの道」では、主人公夫婦の一人息子(実は他の男性との間にできた子供)が、愛する相手が異母妹であることを知り、絶望のあまり自殺するという場面があったような気がするのですが。い、いいのか、これで、と思う私も、慣習というか因習というかに囚われているのかもしれませんが。同じ著者の作品であるだけに、個人的に、ちょっと「?」と思ってしまう部分です。
「Best Kept Secret」では、HarryとEmmaの息子Sebastianと、異母何たらを外してしまえば「伯母甥」の関係にあたるJessica(しかも伯母さんの方が年下だし)が、兄妹として育てられるようになるらしいのですが、この2人の関係にもまたひと波乱ありそうな予感です。

前作が面白かったので、本作で前作比の「面白度」が低下したらどうしよう~と思ったのですが、とても面白かったです。主人公たちがまだ若く「人生これから」で全てにおいて勢いがあるのが、痛快であり、羨ましくもあり、懐かしくもあり(しみじみ・・・とずずっと日本茶などすするSayo婆なのだった)。

てことで、「Best Kept Secret」の粗筋を先取りしたい方は、こちら↓から。
http://us.macmillan.com/bestkeptsecret-1/JeffreyArcher
2013.03.28 16:53 | 和書・洋書 | トラックバック(-) | コメント(0) |












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