屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。

皆さんも私も息抜きということで、強引にまとめてみると「昔語り」だったりします。

先日、偶然に、7~8年前に作成したと思われる、履歴書兼自己紹介書&翻訳実績書のセットに遭遇しました。帰国して約1年、以前からお付合いのあった翻訳会社からぼちぼちお仕事は頂いていたものの、今イチ満足できず、新規の取引先を開拓しようと作成した時のものです。

読み返してみて、取り立てて可もなく不可もなく、「この人の訳文が見てみたい」ではなく「取りあえずトライアルやらせてみてもいいか」レベルの書類だなあと思いました。

1. 丁寧だが冗長で読みにくい。
2. そこそこ熱意は感じられるものの印象に残らない。
3. Advantages、disadvantagesがよく分からない(自己分析ができていない)。
4. 翻訳実績の羅列が経験の少なさを露呈。

という感じです。
一応、主述はきちんと一致し、文章に破綻もありませんでしたので、最低限の文章力は認めて貰えるとは思いますが(というか、大事な書類の作成においてそれができないということは、そもそも、英日翻訳者として致命的なことであるはずです)。

もちろん、トライアル(&合格すればその後の仕事)できちんとした訳文を提出することが最重要課題ではあるのですが、最初の関門はこの応募書類ですから、はったりや誇大自己評価や嘘はまずいでしょうが、「勝ちに行く」を意識して応募書類を作成することも大事かと。

もちろん、翻訳会社のトライアルと普通の採用とでは多少見るべきところは違うでしょうが、それでも、専攻でも職歴でも翻訳経験でも資格でもない部分で「おっ」と思わせる応募書類というのはあると思います。


もう20年以上前になりますが、新卒採用を担当していた時期がありました。世はバブル期の売り手市場で、ちょうど半沢直樹さんが銀行の面接に臨んでおられた時代です。人を見る目のなかった私は、「御社は第1志望群の1つです」という当時の学生さんの決まり文句に何度泣かされたことでしょう。

新卒採用と言っても、大阪支社の平社員でしたので、会社説明会で仕事や福利厚生の説明をし、自己紹介書に目を通し、「これは」と思う学生さんを呼んで面談し、一次面接に進んで貰う人を選抜するところまでが私の仕事でした。「選抜」と言っても、私が(修羅場をくぐり抜けてきた百戦錬磨の)学生さんの「是非、御社で一緒に仕事がしたいのです」という(だいたいにおいて嘘八百の)泣き落としに弱いことをよく心得ている上司から再チェックが入りましたから、私の仕事は上司の面談の手間暇を省いているとしか言えない程度のもので、ここでも私は、猫の手社員だったのでした。

支社と言っても、旬の時期には1回の説明会に50人近く集まりましたから、2ヶ月近くの間は、自己紹介書を読んで読んで読みまくる日々でした(もちろん、他の仕事もしてました<念のため)。

そうするうちに、(一応チェックすべき点はあるものの)どの自己紹介書も同じに見えてきます。就職指南書を参考にされる方もそれなりに多いのでしょう(あっしらも参考にします)、自己PR点としては、「(クラブや同好会で)部長又は副部長として大人数をまとめた」「マネージャなどの裏方として地味な仕事で皆を支えた」「アルバイト先で様々な年代の人と協調して働いた」「ホームステイした(或いは一人で外国を長期間旅行した)経験がある」などが圧倒的に多く見受けられました(一生懸命勉学に励んでいても、それをメインのウリにしないのが、当時の流儀(?)でした)。
個々の学生さんは、確かにそうやって大学生活を謳歌し勉学にも励んで来たに違いなく、一人一人は個性を持った方々に違いないのですが、こと「自己紹介書」に関して言えば、同じような内容ばかりであれば、「その他大勢」の束の中に埋没してしまいます。

その中にも、「おっ」と思うような自己紹介書はありました。
それは、「何を書く」ということではなく、あえて言うなら、ちらっと垣間見える個性や知性のようなもので、うまく説明できないのですが、例えば、理系の学生さんの卒論のテーマに関する説明が面白くもう少しその話を聞いてみたいと思わせるもの、愛読書の種類が個性的なもの、PR欄に自分の名前の一字一字を頭文字とする五七調のPRをしているものなどです。あとは、自分を客観視した後で、全体を上手くまとめているもの。たとえば同じ「裏方として皆を支えた」でも、「そう書くと有利だから」の人と「ここは実際に自分の売り」と考えて書いている人とでは、ビミョーに書き方が違うのでした。

時々、全編非常に丁寧に、裏ページまで使って細かな字でびっしり書くことで熱意を示してくれる学生さんもいました(←当時は手書き)。気持ちは痛いほど分かりましたが、「自己紹介書」としては、よほど内容がない限り「簡潔にまとめられない人」「読み手を意識しない人」というマイナス評価になってしまいます。

ということで、新卒採用の「自己紹介書」について言えば、

・読める字である(上手下手もありますが、下手でも丁寧に書かれた字というのはあります)
・誤字脱字がない
・最低限のきちんとした日本語が書けている

ことが前提で、その上で、

・簡潔にまとめられている
・自己分析を行った上で書いている

ものは、取りあえず「面談」束、「おっ」というものは、上司確認の上、即電話アポという感じでした。今では考えられないのどかな新卒採用風景であります(しみじみ~)。

翻訳関係の書類に関しても、当てはまる部分はあるような気がします。翻訳に関する「おっ」は何かと言われるとすぐには「コレ」とは言えないですし、そもそも書類専攻に際して「おっ」はいらないのかもしれませんが、「賢い(?)書類を作成する」ことは大事だと思います。
2013.07.20 22:03 | 分類不能 | トラックバック(-) | コメント(4) |

Yasukoさん、わーん、もう時代が違うので、たぶん「誤字脱字NG」の部分くらいしか訳に立たないと思いますよー。
今となれば、「長い人生自分で棹させば新卒の就職がすべてではない」と言えますけど、それはあくまでも今の自分の話ですし。
いずれにせよ、今頑張ったことはすべて、今後の人生において、お嬢様の糧となると思います。
うまくいくように祈ってます~(で、名古屋方面に念飛ばしておきました)。

2015.06.04 18:13 URL | Sayo@屋根裏 #- [ 編集 ]

sayoさん、
早速ご丁寧なコメントをありがとうございます!(感謝)
今、コメントも合わせて印刷して娘に渡したところ
「ありがとう、読むわ。」といってコピーを持って自室に入っていきました。(お、いつになく素直やん)

中学受験をして、さして深く考えることも迷う事もなく大学4年になってしまった子ですが、今回の就活は「自分探しの旅」と自分でも位置づけているらしく、初めてまじめに自分と向き合う機会となっているようです。

まあ、最終的にはご縁のあるところに落ち着くということなのでしょうけど、とりあえず大きな節目なのでしっかり取り組んでもらいたいものです。

(そして50を越えてようやく天職と思える仕事についたという人もいる<私。あ、大阪方面にも・・。)

2015.06.04 16:50 URL | yasuko #- [ 編集 ]

Yasukoさん、まいどです~。
ダイジョブです。メールで通知あるので分かりますよ~。

おお、お嬢さん、もうそんなお年なんですね。私の頃(雇用機会均等法前夜=「4大卒女の子はいらないのよ」と門前払い)とはまた全然別の大変さがあるんでしょうね。
どうぞ、体調を崩さないように頑張ってくださいませとお伝えください。

「そこで何がしたいか、自分に何ができるのかよく分からんが、とにかくESは出しておこう」的なESは、採用担当者が読めば分かります。
本当に「行きたい」と思う会社であれば、よく研究なさることをお勧めします。
ただし、ESではあまり披露されない方がいいかも。1箇所にだけ「ぱしっ」と小出しにされた方が、私なら引っ掛かりますね。
まあ、あくまでも、「25年前の採用なら」という前提の話です。

時間があれば、「自分史」(何をしてきたか、どんな性格か、長所や弱点は何か、(漠然と)社会でどんなことがしたいか、大学3年間で大きく変わった/成長したと思う点はあるか等)を書いてみるのもよいかもです。書くことで落ち着き、考えが整理され、それまで気づかなかったことに気づく可能性もあります。あくまで個人的な経験ですが、「自分史」を書いてみるまでは面接全敗でしたが、これを書いてみて、結構相手に迎合していたり、向こうが好きそうな話を「盛って」いたりしていたことが分かり、その後、等身大+α(ま、多少は強気で行くのだよ)で、面接に臨んだ会社に採用して頂きました。ES作成にも役に立つかもしれません。

ただ、全ての情報が20数年前の体験に基づいていますので、現代の就活とは、違う部分が多いと思います。
多少の参考程度にして頂ければ幸いです。頑張ってくださいませ。

というわけで、お嬢様を意識して書いてみましたので、いつもと違うノリになっています。
うまくいくといいですね~。でも、Yasukoさんのお嬢さんなのだから、大丈夫! 

2015.06.04 13:47 URL | Sayo@屋根裏 #- [ 編集 ]

sayoさん、まいど!

なんといまごろ2年前の記事にコメントしております。(というかこのコメントは気づいてもらえるのでしょうか。仕組みがよくわかっていません。)

ただ今長女が絶賛就活中。で、会社めぐり、ES(エントリーシートの意味であることを知ったのはつい最近。)を書く毎日です。

「そういえば、むかしsayoさんとこでESの書き方の記事あったよなあ」と思いだし、見つけました!
ああ、やはりいい事、書いてはりますね。エントリーの仕方が変わっても、変わらないことはあるものです。
親としてもできれば書類選考くらいは通ってほしいので、このページをあとで娘に見せようとおもいます。

(といっても、今の就活のことがさっぱりわからない母親のいうことに耳を貸してくれるかは不明ですが。とほ)

2015.06.04 12:43 URL | yasuko #- [ 編集 ]













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