屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。

過去の「完走」記事は
治験の講座
治験の講座 2期目完走

ということで、脳味噌も溶けようかという猛暑の中、「和訳上級」完走致しました。
今後、単発講座の受講は考えていますが、本講座の通学講座は、今回をもって終わりの予定です。

英訳初級&実践、和訳上級と3クラス受講しましたが、初級、実践、上級と3レベルあるうちの、特に実践以上の講座については、「こういう場合はこう訳す」というtipsを「覚えたい」と考える方には、あまり満足感の得られない講座かなと思います。英訳の基礎についても、「こういう意味合いの場合はこの動詞を選択する」ということをかなり集中的に学ぶのですが、それは、「この動詞にはこういう意味合いがあるので、このcontextではこの動詞を使用する」という基本を学ぶのであって、ただ「このような文にはこの動詞を当てる」ということを機械的に覚える訳ではありません。

というわけですので、「case by case」のテクニックを学びたいという場合は、本講座で得られるものはあまり多くないのではないかと思います。何と言っても5回15時間ですし。治験関連の文書は使っていますが、「こういう風に考えながら翻訳(解釈)していく」というやり方の基本を学ぶ講座だと思います。というわけなので、たとえ治験のbackgroundがなくとも、応用方法が身についた方は、講座後の勉強/実務によって飛躍的に力がつくのではないかと思いました。(「case by case」のテクニックを覚えることを非とするものではありません。翻訳を学ぶ段階で、そのようなことが必要な時期というのもあると思っています。ただ、それを講座出学びたいという場合は別の講座を検討される方がいいのではないかと思うのでした)。

説明会では「治験の知識がなくても大丈夫」と謳っているようですが、医薬翻訳の基礎程度は学んで「治験とはこういうもの」「こういう規制に従っている」という多少の知識を得ていた方が、本講座から搾り取れる(?)ものは多いような気がします。あと、講師先生の「『何で(その訳語を選択しましたか)』攻撃」を(それなりに)撃破したるという負けん気と下調べに割ける時間が多少取れる状態で講座に臨まれた方がいいかな~と。

で、やっと、今回(和訳上級講座)の感想です。
テキストは「治験薬概要書」です(HPに記載)。これは、乱暴にまとめると、「この治験薬については臨床試験の前段階の試験(非臨床試験=細胞や動物を用いた試験)ではこのような結果が出た(から十分臨床試験に値する薬剤なのよん)」ということを記した文書です。医療機器分野の翻訳でも、時々この非臨床試験を扱うことがあり、「治験翻訳まで手を広げる機会はなくとも、きちんと学んでおいて損はないやろ」と考えたのが受講動機の1つでした(あと、和訳の「何で攻撃」はどんな形でやってくるのかを体験してみたいというヨコシマな動機もありました)。

私なぞが英語の文書に難癖をつけるのは「アンタ何様??」て感じで気が引けるのですが、テキストの文章には、たまに「そこ、何か端折ってない?」的な意味を取るのに難儀する部分もあり、内容以外の部分でも実務(時には、「文法的に正しい英語ではない場合がある」「話者の思考が飛んでいるようだ」など、「どう考えても英語が変」な場合もあります)に即したものではないかと思います。
ただ、分子構造がどうの、細胞での試験はどうの、動物での試験はどうの、という内容ですので、もう少し治験の王道(?)に近いのではと思われる実施計画書や報告書などに比べると、面白み(?)薄いと感じられる方もいらっしゃるかもしれません(個人的には、講座受講期間中は非臨床のお仕事が多かったので、面白く受講することができたと思います)。

今回の講座では、5回の講座で20頁(出来上がり換算、400字=1頁)弱の量を訳しますので、表記ゆれをなくす、訳語/表現を統一する、コメントが必要と思われる箇所にはコメントを付するなど、「仕事と思って訳す」ことを心掛けてみました。「講座だし」と思って取り組むのと「これが本当の仕事なら」と思って取り組むのとでは、調査にしても訳出作業にしても、やはり本気度が違ってくるような気がします(注:あくまで自分の場合)。それでも、懲りずに「(その時だけ)寝てたみたいっすね(汗)」とばっくれなければならないポカもやってしまいましたので、無意識のうちに多少手を抜いていたに違いなく、まだまだ修行が足りないようです。

講座での個人的収穫は、参照資料とその優先順位についてきちんと確認できたこと、これまでのやり方を踏襲してよい部分、微修正が必要な部分が確認できたこと、などいくつかありますが(曖昧な内容しか書けなくてすいません)、どれも「今後に生かしていくのは自分次第」ということで、実になるまでにはまだまだ努力が必要な感じです。

自分に限って言えば、「仕事としての翻訳を少し経験していた」「医療機器という医薬分野の片隅で経験を積み始めた」段階で、本講座(初級)の受講を開始したのは、時期的にとてもよかったような気がします(まあ「四十九日ハイ(?)で申し込んだ」というのが実情ですが)。講師先生の仰ることを咀嚼できるだけの基礎が自分の中にあり、でも、まだまだこの分野では知らないことも多い、という状態で、吸収できるものも多かったような気がします(忘れたものも多いという説もある)。

そんなわけで、講師先生の「何で攻撃」とも今回でお別れなのですが、一抹の寂しさを覚えずにはいられないSayoなのでした。
2013.08.21 00:15 | 翻訳 | トラックバック(-) | コメント(4) |

Tomokoさん、まいどです~。
いやいや、「あら嫌だわ、寝てたみたいです」とかって逃げたりもしてましたよ。仕事でも訳語を選ぶ理由を意識するようになったような気がするので、私は先生の講座で学んでよかったと思っています。Tomokoさんも論理的思考回路で負けず嫌いそうなので、先生合いそうな気がします。

おおっ、すごい「育てよう」な気満々のチェッカーさんですね~、というか会社の方針なのでしょうか。普通は、チェッカーからの質問や「ここは今後どうしても直してほしい」場合以外、あまりFBはないのではないような気がします。上級チェッカーさんからの的を得たチェック、その時は凹みますが、確実に力が付くと思います。翻訳への取り組み方とか色んな点でTomokoさんの「翻訳力」向上に繋がっているハズ。

毎日暑いですね~。どうぞお身体ご自愛ください。

2013.08.23 12:40 URL | Sayo@屋根裏 #- [ 編集 ]

「なんで攻撃」に対応するのは大変そうですね。
私は以前、仕事で上級チェッカーさんらしき方からの細かいフィードバックをいただいたときから、納品時のコメントにはチェッカーさんから来るであろう「なんで攻撃」に対応するものを逐一つけるようにしています。そのチェッカーさんは非常に細かく、論理的に「なぜこの語に変えた方がよいのか」をコメントされていたので、その精神を見習おうと思って。ただ、それは主に専門用語に対してつけているので、一般的な語まではコメントをつけていないことが多いです。自分はまだまだ読み込みが浅く、英語力に欠けると思っています。

講習などを受けると自分の普段の仕事も客観視できるのがいいですね。

2013.08.23 10:07 URL | tomoko #- [ 編集 ]

リスノさん、まいどです~。
「何で攻撃」は私が勝手に命名したもので、「ここはなぜその語(訳)を選んだのかな」ていつも聞かれるんですよ。それに立ち向かうには、きちんと調査をして、自分の中で説明ができる状態になっていなければならないので、普段の仕事でも、「ここでその訳語を使う理由は?」「原文がこう書かれている理由は?」ということを考えることが(多少は)多くなったかも。そういうことって、昔、翻訳の講座でも学んだような気もしますが、その時は「ふ~ん、なるほど」で終わっていたので、記憶の奥の方に埋もれてしまっていたんですよね。
座学の先生とは相性もあると思うので、諸手を挙げてお勧めはできませんが、「完走」シリーズを読んで感じるものがあれば、将来受けてみられてもいいかも(お子さんが小さい間はなかなか難しいと思いますが)。月1回というのも、仕事を持つ身にはほどよい頻度でした。ではでは~。近いうちにお会いできるのを楽しみに。

2013.08.22 16:38 URL | Sayo@屋根裏 #- [ 編集 ]

こんにちは(^^)
「何で攻撃」という表現がおもしろいですね。何となく感覚で訳していては攻撃に立ち向かえないだろうし、勉強になるんだろうと思います。それから本当の仕事だと思って取り組む姿勢は大事ですね。私も課題に取り組む機会があればそうしようと思いました!

今の状況ではなかなか難しいですが、いつか講座を受けてみたいな、と思ったりすることがあるので参考にさせていただきます。では、お身体色々とお気をつけて。近いうちに今度こそお目にかかれますように~☆

2013.08.22 14:14 URL | リスノ #- [ 編集 ]













管理者にだけ表示