屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。

対訳君とTradosについて、(同日に)別々の講師の方から話をお伺いする機会がありました。
講師は、対訳君の方は、このソフトウエアを開発された翻訳会社の方、Tradosの方は、恐らく「使い倒して知り尽くしている」という点ではギョーカイでも10指に入るのではないかと勝手に思っている翻訳者の方です。

Tradosについては、翻訳会社から所有の有無を聞かれることも多くなってきているのですが、翻訳料金体系など、あまりよい話を聞かないこともあり、ずっと胡散臭い目で見ていました。ただ、内容をよく知らないまま「何となく」毛嫌いしていたのも事実でしたので、今回、ヘビーユーザーの方から、分り易く使い方のイロハを説明して頂けたのは、本当にありがたかったです。実際にこうやって作業をするのだということがよく分かりました。

同時に「今の自分にはあまりメリットなさそう」ということも実感として分かりました。
Tradosが駄目とかそういうことではなく、自分は、Tradosを使用することによって大きなメリットがありそうなタイプの文書をあまり扱わないからです(というより、そのようなタイプの文書はTradosユーザーに回り、それ以外のニッチな文書の翻訳が私に回ってくるということなのかもしれません)。製薬分野は殆ど扱わないのでよく分かりませんが、医療機器でも重機器(!?)では、ボリュームの大きいマニュアルが存在しますし、それらの翻訳では、十分威力を発揮すると思います。非臨床分野の翻訳でも(特にメモリーを充実させれば)かなり役に立つと感じました。Trados指定ではない仕事をTradosでやる場合は特に。

「作業」として考えた時、おおまかに言えば、元原語と翻訳先言語を対にして作業を進められる&過去の仕事を土台にしてマッチする文(フレーズ、単語)を簡単に引き出すことができる、という点がTradosの強みなのかなと理解しています。(アナログですんません)。
この「対にして翻訳をする」という作業が、自分にとって楽かどうか、そのような文書を多く扱うかどうかということが、私のようなど素人がTradosに手を出す場合の1つの決めてになるのかなと。

もちろん、マニュアルにも「操作の順番」という流れはありますが、「Indexから必要な箇所を探して必要箇所だけを読む」という使い方が一般的なように、どちらかと言えば、マニュアルは、他の文書と比べて、文書全体のスムーズな流れはあまり重視されないような気がします。私が扱うのは、論文(もどき)や報告書の類いが殆どで、もう少し大きい流れの中で「こうしてこうだからこうなったのよん♪ これ前にも書いたよね♪ それを基にこういう結論になるのよん♪」的な内容のものも多く、流れを把握しながら訳さなければ、話が見えない場合が多々あります(まあ全体のボリュームは少ないですが)。なので、個人的には、翻訳原稿は翻訳原稿だけを見ながら訳出する方が楽なような気がします。こういうやり方が好き(で実際に困っていない)で、ずるずる流れる系の翻訳の多い方には、Tradosは特に必要ないのではないかと感じました。

とはいえ、ありがたいことに、この頃では、報告書と言っても100枚を超える案件を手にすることもあり、語句や表現の整合性を取るのも、これまでの自分のやり方ではちくっとしんどくなってきました。通常、英語版・日本語版をセットで貰うことの多い参考資料も、ボリュームが多くなれば、一致する部分を探すのもひと苦労です。このあたり、皆さんの意見も参考にしながら、使えるツールはうまく使っていく必要があるなあと思います。
とはいえ、ツールを使うことで、「機械にやらせたのだから」と「ヒトの目」チェックが疎かになることは避けなければならないとも思います。その翻訳を請け負ったのは、あくまでも、ツールではなく私なのですから。

今回のTradosセミナーでは、講師の方の「ツールに使われるな」という言葉が心に残りました。ただ、個人的には、「ツールに使われない」を「だからツールは不要なのだ」と引っ繰り返して、現状維持の免罪符にはしないよう、そのことも、常に心掛けねばなりません。言葉も心の持ちようも、ほとんどの場合2面性があって、人間誰しも(無意識に)楽な方を選んでしまいがちだからです。

最後になりましたが、
同じセミナーについて、複数名の方が異なる立場から記事を書かれています。
読み比べて頂くのもまた一興かと(該当記事へのリンクは以下のとおり)。

長くなってしまいましたので、「対訳君」についてはまた別立てで記事にします(かもしれないし、その言葉は闇に葬り去られるかもしれない「屋根裏通信」なのだった)。


新・翻訳者つれづれ日記」(Kyokoさん)
女は翻訳でよみがえる」(猫先生)
at home」(Tomokoさん)
翻訳者Akoronの一期一会」(Akoronさん)
2013.09.18 13:46 | 翻訳 | トラックバック(-) | コメント(2) |

Yasukoさん、まいどです~。
先日はお会いできなくて残念でしたが、よいこともあったようですね。おめでとうございます。
私も、Yasukoさんのお話もお聞きしたかったので残念でしたわ。次の機会に是非。
私のお話は、「普段話し慣れないおばはんがおたおた体験談を話した」の域を出なくて、もう少しきちんと準備したらよかったなあと後悔しきりです。講師の方のお話もよかったですが、Rさんも分り易くお話されていたし、Tさんの体験談は、きちんと準備もされていて、しかも医薬翻訳者によるTradosと対訳君の両刀使いに試行錯誤されているという点が、ちょっと斬新というか、聞き応えありましたよ。

対訳君は、自分の中でまとめる意味でも記事に上げたいのですが、少しお時間くださいませ~。
ではでは。次にお会いできるのを楽しみに。

2013.09.19 12:30 URL | Sayo@屋根裏 #- [ 編集 ]

Sayoさん、まいどです~。

先日はプレゼン、お疲れ様でした。ぜひ拝聴したかったのに残念でなりません(涙)。

「対訳君」に関する別仕立て記事アップお待ちしてます!(「闇に葬り去られる」ことのないように早めにお願いしておくのだった)。
お仕事ひと段落したときによろしくお願いします。

2013.09.19 09:30 URL | yasuko #- [ 編集 ]













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