屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。

前回記事へのちょっと追加というか、補足というか、
でも、それにすらなってないというか。

「翻訳心得帖」の幸せ仕事人さんが、
ブログで紹介して下さったせいでしょうか、
前回の「仕事か勉強か」の記事には、
(屋根裏的に)あり得ない数のアクセスを頂き、
ありがたく思うとともに、
・・・ちょっとびびってたりいたします。

けっこう軽い気持ちで(いや、真剣でしたけど)思うところを書いた記事に、
こんなにアクセスして頂いていいんだろうかと思ったり。
仕事がない時にどうするか、どのように勉強を続けていくか、
たぶん(自分も含め)皆が悩むところなんだなあとしみじみしたり。

どのようにお仕事と勉強を進めていくかは、
本当にその方の置かれた状況次第の部分も大きいと思いますので、
あの記事を読んで下さった方も、何というか、
本当に「参考データのひとつ」くらいに考えてやってください。

実際のところ、Sayoだって
失業(←我が家では仕事がない状態はこう呼ばれる)中は、
何となく雑事を片付けながらだらだら過ごしてしまうことが多く、
「しなあかん」とは思いつつも、
勉強は殆どできずにいるのが実情です。

体系的に知識を身に付けても仕事につながらない可能性もあるし、
基礎がなくてもやり方(?)次第で仕事につながる場合もある。
しみじみ考えてみると、Sayo自身が、実は両方の実例だったりするのでした。

ケース1 医学の基礎の基礎の基礎くらいは勉強したが、仕事につながっていない

転勤する旦那についてアメリカに渡った時、
彼の地では仕事ができないと聞いていたので
(なんだか、ビザ就労者の妻という私のビザステータスでは
働いてはいけないということでした←旦那のいい加減な説明なので間違っているかも)
アメリカにいる間は医薬分野の勉強をしようと思っていました。
(医薬分野の翻訳は面白そうだなとずっと思っておりましたので)
なので、近くのコミュニティ・カレッジでいくつか講義を取りました。
(そういう「つまみ食い」的なことができる学校だったんですね)
自分のことだけに専念できた(いちおー家事もやってました<念のため)
本当に贅沢な期間だったと思います。
(まー、だから今の色々大変は仕方ないさ)

そんなわけで、多少の知識は得たかなという状態で帰国し、仕事を再開したのですが、
その後、それらの知識が役に立った案件は3件です。
(あまりに少ないので全部覚えている)
他はすべて他の分野(おもに工業系)のお仕事です。
当時忙しくて修羅場っていた旧知の翻訳会社さん(A社さん)から声をかけて頂き、
そのまま、ずるずると・・・という感じでした。

ケース2 電気/通信の基礎はほとんどないが(高校の物理の自習時間にはクラスメートと花札していた)、時々その関係のお仕事も頂いている(で、死に掛けている)

でも何とかなっています。
(とりあえず、これまでは)

乱暴な言い方を許して頂ければ、
英語を正しく理解する能力、
必要な情報を手に入れるリサーチ力(&リサーチが苦にならない性格)、
その分野で定形的に用いられている訳語、言い回し、文体を探し出し
(とりあえず表面的にせよ何とか)理解し使用する能力、
があれば、背景知識が少なくても(皆無は難しいと思いますが)
かなりの分野の翻訳はできると思うのです。
(もちろん、それが不可能な分野や案件はいくつも存在します<念のため)

なので。
意図する分野の専門書等をコツコツ読みためて得た知識の他に
体系的な勉強も必要かどうかというのは、
それはもう、長い目で見て、
自分にとって「やっぱり必要」と考えるかどうかだと思うのです。

だって、やっぱり順番に勉強していこうと思えば、膨大な時間が必要だから。
翻訳につながるものではあっても、それに直結するとは言い切れない勉強だから。
そうやって勉強しても、私のように仕事につながらない場合もあるから。
(現状「翻訳が続けられるだけでありがたく幸せです」状態なので、
今後、医薬の分野の翻訳をガンガンやっていくということは、
おそらくないだろうと思います。
たまに頂けたら「やった!」って感じでしょうか。
機械関係の翻訳も結構面白かったりするし。)

それでは。
それらの勉強はまったく役に立たなかったのかというと。
はっきり言って、実生活ではかなり役に立っています。
旦那も自分も年だし、父母、義父母はもっと年だし、
まあそれなりにガタがきていて、病院のお世話になることも多いわけで。
そんな時、疾患の内容や治療の説明を、すんなり理解することができます。でもって、パニックにならずにすみます(逆に、知ってて怖いということもありますが)。薬理学も勉強しとけば、薬のこと(特に副作用や飲み合わせの可否とその理由なんか)ももっとよく分かったのにな~、とそこはちょっと残念ですが。
なので。
人生においては、役に立っているかなと思います。
というわけで。
個人的には、勉強しておいてよかったなと思っています。

ただ、翻訳人生ってことで考えてみると、
こういう勉強、どこまでやればいいのかって、本当に難しい。
英語の勉強と一緒で、
コレっていう決まったやり方、
ココっていうはっきりした到達点が
ないような気がします。

・・・とうだうだ書いてきたことは、
そういう例もあるのね、ということで、
データの一つとしてしまっていただけたらと。

最後になりましたが。
参考までに書いておきますと、Sayoが、医学の基礎の基礎の基礎(としつこく「基礎」を3回書くのは、それくらいしないと、医学を専攻された方に申し訳ないような気がするからです<思い切り文系出身)を勉強した順番は、生物学 → 解剖学 → ヒトの疾患(Human Diseases)→ 生理学 の順です。
このあと有機化学を取ろうと思っていたら、帰国になってしまいました。なので、「化学」「生化学」は完全(かーなーりーいい加減な)自習になってしまい、今イチ記憶に定着していないようです(実は、あまり興味が持てなかったので、自分に色々言い訳しつつ巧妙に後回しにしていたのですが、今となってみれば、テストテストで暗記を余儀なくされたに違いない講義を取っておけば、もっと記憶に残ったよな~と思います)。

自分で順番を決めたわけではなく、(少なくともSayoの通っていた)カレッジではprerequisiteという「あのクラスを取らないとこのクラスは取らしてあげないよん」という条件付きのクラスがあって、「生理学」や「分子生物学」を取るには、先に「解剖学」を取っておかねばならず、その「解剖学」や「疾患」の授業を取るには、先に「生物学」を取っておかなければならなかったので、自然とこの順番になってしまっただけです。
でも、「生物学」で全体像を掴んでから、「解剖学」で身体のどこにどんな器官(や組織や細胞)があり、「生理学」でそれらがどのように機能しているのかを学ぶという順番は、理に適っているような気がしないでもありません。

というわけで。
またまた何が書きたかったのかよく分からん記事になってしまってすいません。
読んで下さった方が、かえって混乱したんじゃないかと心配です。
そんな記事を、最後まで読んで下さってありがとうございました。

あ、前回の記事で、「回路(アース)を基礎から」とか書いたようですが
電気関係のお仕事がまだ暫く続きますので、ついつい、入門書ではなく、
「図説電気・電子用語事典」(実教出版)の方を買ってしまいました。
前回のアレは、とりあえず寝言(?)だったと言うことで・・・

SayoのBackgroundについては「はじめに」カテゴリの記事をご参照ください。
2011.03.05 01:01 | 翻訳 | トラックバック(-) | コメント(4) |

幸せ英語人さん、こんにちは。コメントありがとうございます。

仕事と勉強のさじ加減、本当に難しいですよね。
まあ、とりあえず基礎だけはやっておけば、例えば、調査の時に、ちょっと方向の違う2方向への分かれ道に辿り着いた時に、「あ、たぶんこっちの方向が正しい」ってピンと来ることもあるかもしれません。
まだお若いのだから、試行錯誤しつつ、現実とも相談しつつ、頑張ってください。応援してます。

2011.03.06 16:23 URL | Sayo@屋根裏 #RwF7odmQ [ 編集 ]

こんにちは。
ケース1とケース2はとても参考になります!nobaraさんとSayoさんのコメントも興味深く読ませていただきました。依頼があればすぐに受注するよな仕事の状況で(つまり休職していない状態で)、体系的な勉強をするのは時間的にかなり難しそうだと思いましたが、私の場合、「誰でもわかる高校物理」的な本ですら読めていないものが多く、読んだものがあってもnobaraさんのように「そういえばどっかで・・・」というほど頭に入ってません。まだまだ基礎ができていないので、仕事が途絶えたときに翻訳会社さんに積極的にアピールするよりは、買ったけど読んでない本に手をつけたりしようかな、と思ったりしました。といっても、これが長く続けば経済的に苦しくなって、そうもいっていられなくなると思いますし、ほどほどになると思いますが!

2011.03.06 14:35 URL | 幸せ英語人 #- [ 編集 ]

nobaraさん、
私も、実際の仕事は、「誰でもわかる高校物理」的な本の斜め読みの上でもがいているって感じです。もがいているうちに、ここまで辿り着いた、というか。分野は違えど、何だか状況は似てますね。
調べて分かった時&「もうコレしかない」的な訳語を思いついた時(そんなことは稀ですけどね)の快感がたまらなくて、翻訳続けている部分もあるかもです。
前回/今回の記事は、自分でも、書いているうちに、何だかよく分からなくなってしまったのでした。
全体的な勉強も、もちろん大事だけれど、仕事としての翻訳を考えれば、(たとえば医薬の分野なら)、翻訳先言語(和訳なら日本語)の論文や取説や症例報告をたくさん読んで、それぞれの言葉の使い方や文体の雰囲気に慣れる方が、実になるし早道ではないのかなあ、とか考え出すと、何だかキリがなくなってしまって。
そんな記事に、コメントありがとうございました。実際に医薬翻訳をされている方から、基礎は解剖生理的言葉をお聞きすることができたのも嬉しかったです。

P.S.
仕事に至ったか否かは別として、解剖生理の勉強は面白かったです。平衡を回復しようとする人間の身体の精緻な仕組みに感動でした。「ロボットにはまだまだ負けまへんで」て感じで。

2011.03.05 22:38 URL | Sayo@屋根裏 #RwF7odmQ [ 編集 ]

こんにちは。
医薬分野で細々と仕事を続けておりますが、わたしもこれといって体系的に勉強したことは、ほとんどありません。唯一、看護師さん向けの解剖生理の教科書を、一通り斜め読みしたぐらいでしょうか…。やっぱりこれが一番の基礎だなと思います。読んだといっても右から左へ抜けていったのですが、ともかくも一通り読んだことで、どんな仕事が来ても「そういえば、どっかで聞いたことあるな~」という部分が自分の中にできたような気がします。

あとはいつも、その場その場の一夜漬けで凌いでいるというのが現状ですね(悲)。しかしながら、その時々で得た知識の塵が、わずかながら蓄積されてきた部分もあります。たま~に、そういう部分が仕事で役立つとガッツポーズです。

2011.03.05 16:04 URL | nobara #- [ 編集 ]













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