屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。

日経新聞最終面には、「私の履歴書」という、(主に)経済界の重鎮が半生を振り返るというコラムがあります。だいたいひと月くらいの連載です。経済人が主ですが、俳優だったり歌舞伎役者だったりスポーツ選手だったりすることも。今月(?)は、プロゴルファーのトム・ワトソン氏の「半生振返り」です。ゴルフは、滞米時に多少手を染め、帰国後腰を痛めて結局止めてしまいましたが、TV観戦は好きなので(だって、うさぎが走るかも!<そこか)楽しみに読んでいます。

連載の中に、長年ワトソンのキャディを務めたBruce Edwardsが、「親友」として何度も登場します。
Bruceは、キャディという職業を「Professional career」に押し上げるのに大きく貢献したとも言われています(←ちょっと記憶あやふや)。元気であれば、たぶん今もワトソンのキャディを務めていたに違いありませんが、2004年4月に、ALS(筋萎縮性側索硬化症)のために、49歳の若さで亡くなりました。

Bruceの半生を綴った「Caddy for Life –the Bruce Edwards Story」は、帰国の直前に読みました。何となく見ていたTVのプログラムで、ギャラリーがキャディにスタオベするのを見て(・・・ゴルフは立って観戦することが多いので、「スタオベ」という表現は適切ではないのですが、雰囲気的にはそんな感じ)、「何で?」と思ったのがきっかけだったと思います。当時(2003年)、Bruceは病魔と闘いながら、まだキャディを務めていました。

Bruce Edwardsという人物は、少し奔放すぎる感じがして、正直あまり魅力的には思えなかったのですが、ゴルフの描写は臨場感がありましたし、ラストシーンは切なくて、グッとくるものがありました。

2003年のツアーのシーズンが終わった後、Bruceが“ Tom, I’ll see you in Hawaii,” と言い(当時、PGAツアーは年初にハワイからスタート)、Watsonが”I know you will”と応じる場面です。

その後、著者は、
Maybe Bruce would caddy in Hawaii. Maybe not. Caddying might be in his past. But the friendship was not.
They sat there together, in no rush to leave. Not just friends or even brothers.
Closer than brothers. And that would never change.
と締めくくっています。
(注:現在入手可能なReprint版ではラストが異なっている可能性があります)

帰国して暫くして、「天国のキャディ」という邦題で、訳書が出版されたことを知り、ネットをチェックして、Bruceが2004年に亡くなっていたことを知りました。(原書では亡くなったことは書かれていないのに)「売らんかなの題名やなあ」と思ったきり、彼のことも「Caddy for Life」のことも忘れていました。
今回、ワトスンの連載が始まって、改めて調べてみて、2005年にReprint版が出版されていたことを知りました。訳書は、そのReprint版が基になっているのではないかと思います。

当然ラストシーンも異なっていると思うのですが、私は、「じゃ、来年、ハワイでね」的な、あっさりしたこちらのラストが好き(・・・ってReprint版読んでませんが)。題名も「生涯一キャディ」とかするかな。産業翻訳者らしい、無駄の(少)ない、そして、いかにも売れなさそうなタイトルです...

新聞連載の方は、1990年代まで来ました。ワトソンは、親友の死をどんな風に語るのだろう・・・そして、年のせいでめっきり涙もろく、特に活字に弱いSayoはきっと泣くのだろうな。

5分でBruce Edwardsの半生を知りたい方はコチラ↓
http://www.bruceedwardsfoundation.org/about_bruce_edwards.htm
2014.05.24 22:04 | 和書・洋書 | トラックバック(-) | コメント(2) |

鍵コメント下さった**さま、まいどです~。
わざわざお祝いのメッセージありがとうございました!!

**さんは身近にALSの方がおられたのですね。私は、この病気について詳しく知ったのは本書を読んだ時が初めてなのですが、本当に辛い病気ですよね。昨今のギョーカイの様々な不祥事を耳にするにつけ、もっと真摯に研究に取り組んで、ALSを初めとするCureのない難病の治癒薬や療法を見つけてほしいと思わずにはいられません(もちろん、殆どの皆さんが真摯に取り組んでおられるとは思いますが)。

本記事をUPした翌日から、「履歴書」の方も、Bruceの病気に関する記事になりましたね。そして、今日は、とうとう亡くなってしまったよー。「I'll see you in Hawaii」あたりでヤバくなり、最後の「人生のキャディ」という言葉で泣きました~。

2014.05.28 18:08 URL | Sayo@屋根裏 #- [ 編集 ]

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2014.05.28 17:15  | # [ 編集 ]













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