屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。

以前「こんな手順で翻訳しています」という記事を書きました。
日付を見ると3年以上前で、まだエネルギーの殆どが両親の方を向いていて、
合間に細々と工業系の翻訳をしていた頃ですね。

その後、医療機器メインの和訳にシフトして3年が過ぎました。
読み返してみると、やり方は殆ど変っていなくて、
そのやり方が自分にとって心地よいのか進歩がないのか。
(たぶん、両方なんでしょうなあ)

現在のやり方は、こんな感じです。

原稿をプリントアウトして読む。
* 分量が多い場合は、まずざっと目を通すだけの場合もあります。
* 納期がタイトな論文の場合は、まず抄録と図表を精読し、その他はざっと流すだけの場合もあります。


Googleで関連分野(機器)に関する情報を検索し、前知識を得る。

訳出作業を開始する。
* 前日に翌日訳出予定分の原稿を精読し、専門用語以外の英語表現で「こう訳そう」と思いついた日本語表現を原稿に書き込んだり、長い文章の構文を( )や[ ]で括ったりして、訳出作業時に理解しやすくしておく。
* 適宜Googleその他参考資料で必要情報を検索する。
* 作業しながら、辞書で確認できず、Google等で確認した訳語(定訳がなさそうな場合はMy造語)&文書内で統一を必要とする訳語をExcelに対訳登録する(適宜、裏取りに使用したウエブサイトのURLを貼付)。
* 訳出作業の翌日、前日に訳出した箇所のきりのよい部分までを、原稿と突き合わせて確認する。まず、数字等の転記ミスだけチェックし、その後、普通に訳文チェック。訳抜け、単語の認識ミス、誤訳に特に注意して確認します(この時点で、原稿内容の完成度は95%くらい)。

という訳で、1日の作業は、前日分訳文チェック→訳出作業→翌日分原稿精読という流れになります。
初動が遅いので、超短期案件は苦手です。「どうやら初動が遅いらしい」と理解して下さった翻訳会社さんからは、分納の場合は、初回分納まで緩め納期を頂けることが多いので助かっています。

この「先に精読する」は、修理後引退し、現在は余生(バックアップPCとして稼働)を送っている「根性なし子」PC(特に夏場すぐに熱くなってシャットダウンを繰り返していた)が現役時、応急処置的に「PCを立ち上げる時間を減らそう!」ということで始めた方法ですが、自分に合っていると思えたので、そのまま続けているものです。


最後まで(或いは分納指定箇所まで)翻訳したら、段落単位で元原稿を読みながら、原稿チェック。この時は、「日本語としておかしくないか」を重点的にチェックします。また、Word検索・置換機能で訳語の統一を確認。

時間があれば、別の時間(日)に日本語原稿のみチェック。

納品

「案件終了後、秀丸に用語登録」から「作業しながらExcelに用語登録」というところが、一番大きく変わった点でしょうか。
秀丸はGrep検索もできて、それなりに重宝していましたが、Excelも1ファイルで管理していますので、ブック検索でファイル中の全シートを一括検索することもできて、そんなに不便ではありません。秀丸には、英日両方の単語(時には説明含む)を改行なしで登録しなければならず、検索時に若干読みにくかったのですが、Excelでは、英、日、備考(説明やURL)を別にすることができますので、内容を確認しやすくなりました(あくまで自分の場合です)。

ほぼ毎日、前日の訳文を確認する、翌日分の原稿を読むという作業が入るので、1日の処理量はそれほど多くありません(というより、もとから多くないのだった)。ただ、最後のチェックにかかる時間はかなり少ないと思います。

このやり方は、どちらかと言えば非効率的で、あまり他人にお勧めできる部分もないのですが、自分にとってはStress-lessなやり方です。3年半経過して、マイナーチェンジもありましたので、修正版(??)を記事にしてみました。

作業については、少し「こうしたい」と思う部分があり、現在、試行錯誤中です。
うまく行かなくて、結局、今までのやり方を踏襲するかもしれません。
結果はまた(読んで下さる皆さんが忘れた頃に)報告します(たぶん)。
2014.12.21 15:31 | 翻訳 | トラックバック(-) | コメント(4) |

サコさま、まいどです~(「屋根裏」の2回目からの挨拶は、Sayoがその昔お得意先のおっちゃんたちから浴び続けた「まいど」が、有無を言わさずデフォルトになります)。

いえいえ、もしも「試してみよう」と思うことがあれば、どんどん取っていってください。
ブログ上でバラしているとおり、ワタクシも齢50を過ぎ、家庭の事情などもあり、いつまでフル稼働できるか分からない状態になりまして、自分が先輩方から教えて頂いたことや身に着けたことを、できる限り残しておきたいと思うようになりました。でも、誰がどこから見ても「教え体質」ではないし、性格シャイなので(あ、どこかで「うそこけ」と仰っている方がいますね、それは、世を忍ぶ仮の姿です<念のため)「共感することがあれば取っていってね」と思いながら、こうしてせこせこと記事を書いています。

けれど、時間は掛かるかもしれませんが、最終的にはサコさんに一番フィットするサコさんのやり方を見つけて、息の長い幹の太い翻訳者になって頂ければ嬉しいです。

2014.12.24 17:47 URL | Sayo@屋根裏 #- [ 編集 ]

お忙しいなか、丁寧に教えてくださってどうもありがとうございました。拝見しているうちに、sayoさんがこれまでの積み重ねから身につけてこられたようなことを、私が簡単に聞き出してしまうようなことになってしまって申し訳ない気持ちになってしまいました。

でも、具体的な方法をお聞きすることができて、とても助かりました。sayoさんに教えていただいたように、まずはやってみようと思います。

ちなみに私は医薬の分野です。肝心なこともお伝えせずに失礼いたしました。

それでは、また。ブログの更新楽しみにしております。

2014.12.24 13:41 URL | サコ #- [ 編集 ]

サコさま、はじめまして。
冬場は(ほぼ)フィギュアスケート愛を語る場と化す屋根裏に来て下さってありがとうございます!

お尋ねの件ですが、「正しい断ち切り点」というのはないように思います。
あくまで1例ということで読んでくださいませ。

サコさんがどの分野の翻訳をされているのか分からないので、自分の分野(医療機器)について書きますね。

まず、クライアントのHP(あれば、該当機器のページも)と該当機器(又は同じ製造発売元の同種の機器)の添付文書を参照します。
よほど「これはおかしい」と思う箇所があれば別ですが、訳語はこれらのものに合わせます。

次に、厚労省や学会が出しているガイドラインや文書、薬局方、ICHを参照します。
「日本医療器材工業会における規格/基準等関連用語のあり方」
http://www.mtjapan.or.jp/jp/app/info/detail/id/325
を参照することもあります。

それからGoogle検索します。個人的には、同じ日本語訳が50件程度というのが、自分の中の1つの目安ですが、余り適しているとは言えない語句を多数の記事が引用している場合もありますので、件数Onlyで判断するのは難しいような気がします。「(この修羅場っている時に)定訳ないっ(怒)」という時は、だいたい元の英語(部品だったり手法だったり)がどんな風に機能するのかというのがよくわからない場合が多いので、訳語を決める前には、必ず英語の説明で少しなりとも理解するよう努力しています。

基本的には、個人のブログの訳語は拝借しないようにしていますが、時々、医師や技術者の方のブログで「おおっ(も~らい!)」という時もありますので、そういう時は、「ガイドライン等で定訳はないようですが、個人ブログからのこの情報が、英語の説明をよく表していると思われるため、こちらの訳語を使用しました+ブログURL、英語説明URL」みたいなコメントをつける時もあります。My造語の場合も、ケースバイケースですが「定訳確認できず、英語の説明を参考にこの訳語にしました+英語説明URL」のようなコメントを付けます。

あくまで1つの例として、参考にして頂ければと思います。
ここまでしないといけないということではなく、また、私はこのあたりを1つの到達点(?)としていますが、他の方には十分点ではないかもしれません。
ただ、過去に「この訳語は次回はこれで」という翻訳会社さん経由のクライアントFBを頂いたことはありますが、このやり方で、仕事を干されたということはありませんでしたので、「どうしようもなく不十分なレベル」ということではないのかなと思います。

あんまり回答になっていなくてすいません。
仕事をする中で、「ここまでは譲れない」点として、ご自分で身に着けていかれるしかないのかなと思います。
お仕事頑張ってくださいませ。

2014.12.22 12:43 URL | Sayo@屋根裏 #- [ 編集 ]

はじめまして。サコと申します。いつも勉強させていただいております。

実はつい最近、翻訳の仕事をはじめたばかりなのですが、ひとつ迷いながら作業しているところがあり、その点がSayoさんの記事に記載されていたので教えていただけないかと思いコメントさせていただきました。

「訳出作業を開始する」のなかで、「定訳がなさそうな場合はMy造語」と書かれていますが、「定訳がなさそう」と考えられるにはどれくらい調べる必要があるのか、差し支えなければ教えていただけないでしょうか。

この作業をしていると、底なし沼にいるような気がするときがあり、どの時点で「定訳がない」と断ち切ればいいのかいつも迷います。

図々しく質問してしまって申し訳ないのですが、なかなか頼れる人も見つからず、Sayoさんにお聞きしてしまいました。
お時間のあるときにでもお教えいただければ幸いです。

2014.12.22 04:16 URL | サコ #- [ 編集 ]













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