屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。

音読了。

「終わりなき危機-本のメディアが伝えない、 世界の科学者による 福島原発事故研究報告」(ブックマン社)という邦題で訳書も出版されています。

以下はブックマン社による内容紹介。
http://bookman.co.jp/shop/society/9784893088390/

Amazonのカスタマーレビューはこんな感じ。
http://www.amazon.co.jp/product-reviews/4893088394/ref=cm_cr_dp_see_all_btm/376-7691700-6382411?ie=UTF8&showViewpoints=1&sortBy=bySubmissionDateDescending

紹介にもあるように、2013年のシンポジウムの内容をまとめたもの。
レビューにもあるように、各章(各人の発表内容)がそう長いものではないため、「もう少し知りたい」の手前で終わっているものもあるが、それでも、様々な分野の研究者による発表の内容は多岐に渡り、そして、決して明るい気持ちになる内容ではない。
(翻訳版がどう処理されたかは分らないが、原書では、結構はっきりと日本政府とTEPCOを批判している部分もあり、正直「よく出版できたよね」と思ったりもした)
英語では、やはり、一読してきっちり脳味噌には刻み込まれないため、後で読み返そうと、読みながら付箋を貼っていったら、付箋の嵐になってしまったのだった。

本書の内容には、恐らく別方向からの反論もあるだろうから、100%鵜呑みにすることはできないと思うものの、政府や関係諸団体が開示せずにいる情報が多々あるに違いないと思わざるを得ない(まあ、菅元首相の発表部分を読んで「言えんこともあるよね・・・」とも思わないではなかったけれど)。

ただ、私の中にも、これまで「怖くて知りたくない」という気持ちはあったと思う。私はごく平均的な国民だと思うので、多くの方が同じように感じておられるのではないか。

しかし、きちんと知らないからこそ、風評被害のようなものも起こるのだと思う。「よく分らないが怖い」という状況が一番厄介なのではないか。
安全視する側、リスクを訴える側両方の意見をよく知り、知った上で、日々の生活の中で、自分はどこまでのリスクを受け入れる用意があるのかを決めることが必要なのではないかと思う。
また、本書によれば、とりあえず先送りにされている問題も多いようだ。次の、そしてそれ以降の世代のためにも、どこかで「とりあえず先送り」は止めなければならないのではないか。

かなり刺激が強い部分もあるような気もするが、興味を持たれた方は、「きちんと知りたい」の最初の一歩として本書を手にとってみてください。英語も平易です。
2015.07.07 17:17 | 和書・洋書 | トラックバック(-) | コメント(0) |












管理者にだけ表示