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2015. 07. 13  
日曜日、大坂で開かれた下記ワークショップに参加しました。
http://jat.org/ja/events/show/writing_in_japanese_workshop

講師先生のお名前を聞くのはこれが初めてでしたので、まずは著書1冊読んでから(「シルク・ドゥ・ソレイユ」)、参加を決めました。

「はじめに」部分を読む間こそ多少もたもたしましたが(要領の悪いSayoさんは、初めての方の文章を読むときは、たいていそうなります)、その後は最後までほぼ一気に読みでした。何より、読了後は、「シルク・ドゥ・ソレイユ」の公演を生で見たいという気持ちになりましたので、そんな文章を書かれる方のワークショップなら受けてみたいと思ったのです。

いざフタを開けてみると、出席者10名程度のうち、半数以上が非日本語ネイティブの翻訳者の方で、受付で、思わず、「今日は日本語のワークショップですよね」と確認してしまいました。

非英語ネイティブである私が、きちんとした英語の文章を書くためのTipsを得るために、時々英訳のセミナーに参加するように、非日本語ネイティブの方も、日本語を書く力の底上げを図るべく、こうしたセミナーに参加されるのかなと思います(<お聞きしてみた訳ではありませんが)。

私は、翻訳を離れても「読みやすい無駄のない文章を書く訓練をしたい」という思いがありましたので、参加してよかったと思いましたが、和訳力の向上に直結するTipsが得られたかといえば、そういう訳ではありません(何事も訓練を続けることが大事、ということなのだった)。

上で紹介したURLにも書かれているとおり、3時間という時間の中で、

与えられたテーマ(Workshop開始時に初めて知らされます)で400字程度の文章を書く→声に出して読み、引っ掛かった部分を書き直す→タイトルを考える→中見出しを考える→「です、ます」調の文体を「だ、である」調に直す→200字で書き直す→第三者目線で推敲する→2人一組のペアで、相手の書いた文章を読みチェックする

ということをやります。
(しかも、すべて200字詰めの原稿用紙上!)
(で、久し振りに「現代国語表記辞典(三省堂)」を使用しました)

結局、時間が足りなくて端折った部分もあり、講師先生は、「400字の文章を宿題にすればよかったですね」と言っておられましたが、「与えられた時間内に与えられたテーマでそれなりの文章を書く」という訓練ができたということも、私にとっては収穫でした。
講師先生も含めてみなノリがよく(特に非日本語ネイティブの方々)、Workshopということもあるのでしょうが、質問しやすい雰囲気があり、お聞きしたいと思っていたことは、全部お聞きすることができました。
翻訳のやり方も(ベースとなる流れはあるものの)一様ではないように、「文章を書く」やり方も、上記のような一定の流れはあるものの、ライターによって多少の違いはあるようで、先生の体験や「私はこうする」というお話も興味深かったです。

「外に出せるまでに推敲する(簡潔に表現する作業を含む)」という点では自分の書いた文章の推敲も翻訳の推敲も同じかなと思いますが、それでもやはり、両者は違うものであるように感じられました。

翻訳では、他人の書いた文章がベースですから、「相手の伝えたいことはすべて伝え、情報は足さない、引かない」が基本になるかと思います。チェック時にも、ケアレスミス以外の部分では、(特にかなり意訳した場合など)、情報の塊としてみた場合、原文と同じだけの情報が訳文に含まれているかどうかということにも気を遣います。

対して、自分の書いた原稿の推敲時には、もちろん「(自分の)伝えたいこと」を考えながら作業をするわけですが、ケアレスミスの確認やより相応しい表現の模索等の他に、「がしっと削る」作業が必要となるように思います。愛着のある表現の場合、なかなか難しい作業です(なので、第三者目線の推敲は、自分の書いた文章の方が難しいような気がします<というか難しい部分が別というか・・・)。それから、ヒキのタイトルや書出しといったことも、翻訳では(要約やパンフレット翻訳案件等は別として)意識しないことかなと思います。

・・・といった風に、これまであまりきちんと考えてみなかった(言葉にしてみなかった、という意味ですが)両者の違いをしみじみ考えるよいきっかけにもなったかなと思います。

翻訳者以外の、ものを書かれる方のお話をお聞きするのは初めてでしたので、そういう意味でも興味深い3時間でした。


今週は様々な所用が重なったため、翻訳者的死のロードを行くSayoでございますので、読んでくださる皆様、暫く失礼致します。
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プロフィール

Sayo

Author:Sayo
医療機器の和訳も9年目。
老眼腰痛、最近は膝痛とも闘いつつ
翻訳人生をまっとうしようと奮闘中。
この頃になってやっと翻訳の奥深さ・
難しさ・楽しさが分かってきたような。
記事は「翻訳一般」多め、ときどき読書感想文、本業(医療機器)やや少な目。
(2019年4月現在)

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