屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。

「風神秘抄」のその後の物語。

若い頃は結構異世界ファンタジーも読んでいましたが、30歳を過ぎた頃から、何となく、あまり面白いと思えなくなりました。
それでも、まだ「魔術師の帝国」(レイモンド・E・フィースト)とか、どうしても里子に出せない子らを何冊か手元に残してますけど。

そんな中、夢中になったのが、荻原規子さんの「勾玉三部作」(「空色勾玉」「白鳥異伝」「薄紅天女」)でした。
(とかいいながら、手元にないんですけど<別宅=図書館に置いて(?)ます)

いずれも、日本古代を舞台にしたファンタジーで、YAに分類されることが多いようです。
「空色勾玉」はまだ神々がこの地を治めていた時代が舞台、
「白鳥異伝」はヤマトタケル伝説が下敷き、
「薄紅天女」はアテルイ伝説と更級日記がモチーフ、
と少しずつ時代が下っていきます。

個人的には、「白鳥異伝」が一番好きでした。ヤマトタケル伝説が基になっているので、「悲恋かよ~」とドキドキしながら頁を繰ったので、余計かもしれません。主人公の少年も一番カッコよかったしね(人間いくつになってもトキメキは大事であります)。個人的には、「そなた」とか「おぬし」に混じってときどき現代風の言葉遣いが出てくるのが気になりますが、そこは好みというものでしょう。

閑話休題。

「あまねく神竜住まう国」の前日譚である「風神秘抄」では、時代はさらに下り、源平の争いが背景となります。異能の少年草十郎と舞姫糸世(いとせ)が主人公なのですが、もう何年も前に読んだので、正直詳しい話は忘れました。「あまねく・・・」は図書館で見つけて、流し読みし、「おお続編とな」と借り出したものです。

「風神秘抄」では脇役というか命を助けられる側だった源頼朝(流人として在伊豆)が主人公。彼の目から見た草十郎と糸世の物語であるとともに、少年頼朝の成長物語でもあります。「風神秘抄」のカラス(だったと思う)も捨てがたいですが、特に異能の持ち主というわけではない普通人頼朝が悩みながら自分の道を切り開いていく、こちらの後日譚の方が好きかな(<とはいえ大蛇と戦うわけなんですが)。

荻原規子さんは「西の善き魔女」など、普通に異世界を舞台とするファンタジーも書いておられますが、「西の善き魔女」は個人的にはイマイチでした。それなりに面白かったですけど。

どうしてかな、と考えてみたのですが、(古代ではありますが)「同じ時間軸の日本が舞台」という制約の中で、史実にも従いつつ、「どこまでぶっ飛んだファンタジーが書けるか」というところで勝負なさっている感の感じられるところが、個人的に好きなのかなと思います。宮部みゆきさんの、「現代が舞台だがすこしだけ特殊能力が絡む」とか「江戸時代が舞台で怨霊が」とかの話は好きなんですが、純ファンタジーものは苦手というのも、同じ理由からきているのかもしれません。

「あまねく・・・」で頼朝は伊豆に自分の居場所を見つけます。のちに北条政子になりそうな少女もちらっと登場しました。
この話に続きがあるのか、そこで、義経殺しに至る経緯(荻原さん的解釈)が描かれるのかどうか、気になるところです。

お気が向かれましたら。
2016.01.13 00:53 | 和書・洋書 | トラックバック(-) | コメント(0) |












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