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2016. 02. 01  
日曜日、K先生(がんもどきのK先生ではない方のK先生)のお話をお伺いしたく、下記シンポジウムに参加してまいりました。

「抗がん剤の今」
http://www3.pref.nara.jp/gannet/3738.htm

K先生の基調講演についていえば、少しばかり予習もしていましたので、特に目新しい内容はなかったですが、外科手術、放射線治療、化学療法に次いで、緩和ケアを第4の治療というか、全体の基礎と考えるという捉え方が心に残りました。
(免疫療法を第4の治療とする考え方もあるようですが、少しググったところでは、免疫チェックポイント阻害剤等による治療を「免疫療法」と呼んでいるものから、「免疫を強化する」という少なからず怪しげな「免疫療法」まで様々なものがヒットし、「免疫療法」というものが世間でどこまできちんと認知されているか、不安な部分もあります<というワタクシもあまり分かっているとは言えないんですけど)。

全体では、地元病院の腫瘍センター長先生、がん専門薬剤師さん、がん治療を支える在宅医先生等、後半のシンポジウムに登壇された方々のお話の方が、地元の現状(・・・というかある意味惨状というか・・・)や仕事の実際に即したお話が聞けたという点で実り多かったような気がします。

ワタクシは、今現在は、「がんを放置したり民間療法のみに頼ったりせず、その時点で自分の人生にとって最適と思われる治療(化学療法を含む)を受ける」という考え方でいますが、実際に、自分や家族が進行がんであると言われれば、その考えが変わらないとも限りません。実際、ごく早期のがんではありましたが、その言葉の持つ破壊力は身をもって体験しました。「科学的なエビデンスあろうがなかろうが、とにかく世間でよいと言われるどんな療法にも頼りたい」と思う気持ちもまたよく理解できるのです。

また、世間でも「これからはがんは共存する病気」などと言われたりもしますが、やはりまだ「自然の寿命を縮める死病」というイメージは完全に拭えず、化学療法の副作用に対する恐れも根強いものがあるような気がします(あっしもジツは怖かったり・・・)。

患者(家族)はもちろん、メディアにも(様々な視点からの情報を偏らず発信する)、医師にも(きちんとした知識を身につけ患者にあった治療をする)、医療施設や行政にも(多くの患者が最適な治療を受けられるよう、在宅治療医を含めたチーム医療を強化する)、それぞれの立場でまだまだ努力できることがたくさんあると思いました。机上の理想論かもしれませんけど。

患者としては、
・病気とその治療法について、信頼できる情報源から正しい情報を取得し、
・患者個人個人に適したさじ加減のできる(できれば腫瘍内科医のチームに)適切な治療を受け、
・身近に何らかの形で医療に従事する相談者を確保し、
・がん治療であれば、早い段階から(痛みや不安やストレスを緩和するという意味での)緩和ケアを視野に入れる
のが現状最善のあり方なのかなというのが、シンポジウムを通して得た現時点での感想です。

余命がどれだけ延びたかという数字は、治療を行う根拠としてはもちろん重要でしょうが、どれだけ長く本人らしく本人の望むとおり過ごすことができたかということが一番大事で、そのために適切な治療をきちんと行うことが大切なのだ、ということがK先生の(そして登壇された皆さんの)一番仰りたかったことではないかと思いました。

「Being Mortal」と通じる部分も多く、早く、医療に従事される方々に(そしてそれ以外の方にも)この本が届けばよいなと思います。
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プロフィール

Sayo

Author:Sayo
医療機器の和訳も9年目。
老眼腰痛、最近は膝痛とも闘いつつ
翻訳人生をまっとうしようと奮闘中。
この頃になってやっと翻訳の奥深さ・
難しさ・楽しさが分かってきたような。
記事は「翻訳一般」多め、ときどき読書感想文、本業(医療機器)やや少な目。
(2019年4月現在)

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