屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。

先日、大阪で開催されたJTFセミナー(医薬翻訳の極意、伝授します)に出席致しました。

講師のM先生には、1年前にこてんぱんにされています(その時の記事はコチラ)。
当時、「それなりにお仕事を頂いて慢心していた自分をぺしゃんこにされた」みたいなことを書いておりますが、「慢心」てば立ち直りの早いこと。日本には、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」といういいことわざがありますねえ(<と感心している場合ではない<自分)。

事前提出課題は、前回と似た内容の(疾患の種類は異なります)論文で、一読して、「しめしめ」と思いましたですよ。「(訳出や調査の過程で)もう同じ轍は踏むまい」。で、踏みまくっているどこまでも進歩のないSayoなのだった。

1週間が経過し、当初の衝撃も記憶もやや薄れつつありますが、思いつくところを順不同に。

参考文献
以前にも書きましたが、ワタクシは「Mメソッド(と取りあえず呼ばせて頂きます)」育ちなので、この老体には「参考文献には目を通せ」が叩き込まれています。
ですが、今回、「効率的な読み方」というものがあり、「とにかく読めばいいわけではない」ということが分かったような気がします。また、原文のどこに注目し、何をどう検索し答えを探しにいくのか、というやり方が、まだ不十分だなあということも実感致しました。この点は、今後、考えながら実践あるのみ、でしょうか。

課題出題者(≒翻訳会社)の意図
先生の回答は、「読解力・文章力・調査力をみる」というあまりにも当たり前なもの。やはり「まずは翻訳力ありき」で、「力を蓄える」ことを疎かにしてはいかんなあと。一朝一夕で身につくものではありませんが(また、実際のトライアルでは、「なぜこの会社は今この時、このような翻訳者を募集するのか、推測される翻訳会社の意図は自分の意図に沿ったものか」を見極める必要もありましょうが、キモは翻訳力、ということです)。翻訳事典でIさんが仰っていた、「『鬼に金棒』は鬼(文脈では実力がある人)が使ってこその金棒」という言葉が思い浮かびました。

FBで、同じセミナーを受講された翻訳者の方が、成績優秀者(A判定)と自分たちの違いは、「代わりがきく翻訳者かそうでないか」という点で、「この人でないとダメ」と思って貰えるようなレベルに達するには何ができるかを考えたい、というようなことを仰っていまして、その言葉には考えさせられました。

今のワタクシたちは(いちおー、同レベルだったので「たち」とさせて頂きました)「代わりはきくがそれなりに重宝される翻訳者」だと思うのです。そのレベルを推し量れる1つの打診方法に、「〇〇さんなら何とかしてくれると思って」「〇〇さんなら無理をきいてくれると思って」という言葉とともにやってくる、週末の打診があるような気がします。ワタクシも、一時この言葉に「おお、戦力にされているのか」と舞い上がって、厳しい納期で頑張ったこともありますが、この頃では、それは決して「この文書の翻訳にはアナタの力がほしい」ということではないのだ、と思うようになりました(単に体力が衰えただけという説もある)。頼りにはされていても、それは決してワタクシではなくてもよいのです。厳しい中でもそれなりの長さの納期を提示され「この納期でどうでしょう、どうしてもあなたにやってほしい」と言って貰えるのが「この人なら」という、自分の目指したい翻訳者と言えるのかなと、今はそんな風に考えています。もちろん、理想と現実は常に同じではありませんが、「自分はこうありたい」という理想を追求する姿勢は常に失わずにいたいと思います。

というわけで、今年は1月から慢心を踏み潰される日々が続いたから、暫く慢心とはおさらばだよ~ん(でありたい<希望的観測)。
2016.02.11 23:03 | 翻訳 | トラックバック(-) | コメント(2) |

Connyさん、まいどです~。

>信頼を取り戻すにはかなりの時間が

分かります。私も、以前の分野で経験あります。復調はしましたが、少し時間かかりました。忙しく順調だとと気持ちが緩みがちなのは、Ordinary Personのサガなのかもしれません。「好事魔多し」とはよく言ったなと思います。

私も、もう年なので、「あなたしか」というのは、(理想をいえば)どの案件もそうあってほしいとは思いますが、「引きも切らずそういう依頼がきてほしい」ということともまた少し違うんです(まあ、そうなれば、それはそれで嬉しいことには違いありませんが)。うまく言えないんですけど。
どちらかといえば、「なるぞ!」と鼻息荒くではなく、地味で目立たないけど「いつもそこに信頼できるあの人がいる」と思ってもらえるような、そういう翻訳者として終わりたいな~、というのが今一番近い心境です。それも、定年間近に似ているかも。

人それぞれ考え方はありましょうが、ワタクシ的には、故辻静雄氏(辻調理専門学校創始者)の「べつにあれでもあのままどこへ出しても恥ずかしくない味なんです。しかし九十点の味でいいということになると、七十点の味に落ちるのはすぐですからね」という言葉を大事にしたいなと思っています。

>品質だけは下げたくないし、自分も楽しく仕事をしたいので今後も投資はつづけますけどね。

ですね!ワタクシの場合は、あまり「楽しい」と思いながら仕事をすることはなく(でも続けているのは、やっぱり好きなんだと思います)、投資額にため息の出ることも多い今日この頃ですが、そこは、楽しく歯を食いしばって(←日本語の乱れともいう)頑張っていきたいと思います。お互い、もう暫くボチボチ頑張りましょー。

2016.02.12 20:36 URL | Sayo@屋根裏 #- [ 編集 ]

自分の慢心に気づいたのはメインからの打診がパタリと途絶えたとき。少しずつもらうようにはなりましたが、慢心時のチェックの甘さ(納期のきついのが続いたという言い訳もしたいところですが、プロの発言ではないので小声でということで)で失った信頼を取り戻すにはかなりの時間がかかりそうです。

10年目あたりまでは、あなたしかっていう翻訳者になるぞ!と意気揚々としておりましたが、最近は普通に発注してもらいパートさんより幾分上に設定した目標報酬に達成すればいいかと、定年間近の心境です。

例えるなら会社の社長になる器ではないことに気付いたとでも言いましょうか。

品質だけは下げたくないし、自分も楽しく仕事をしたいので今後も投資はつづけますけどね。

2016.02.12 18:41 URL | Conny #a4Z/FfFc [ 編集 ]













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