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2016. 04. 17  
この春、また何名かのアスリートが競技の世界から引退します。
屋根裏でも、ときどき、一流アスリートの引退を記事にしています。

引退
引退考

今回、(いつものように)翻訳と強引に関連付けようとしているのは、フィギュアスケートの小塚さん。
年齢的なことや怪我のことなどを考えると、引退の報に接したとき「やっぱり」という感じはありました。
丁寧で美しく、Nobleという言葉がぴったりの滑りをされる方でしたが、演技中も自分を抑えているように見えることも多く(常に「もう1人の小塚崇彦がいて、小塚崇彦の滑りを見ている、的な?)、(あくまで好みの問題ですが)ワタクシはどちらかといえば、「感情を出してくる」系の高橋さんや町田さんの滑りの方が好きでした。それでも、ときどきそのスケートに見とれてしまうことがあり、特に、彼のスプレッドイーグルは絶品でした(というか、その角度でナゼ倒れない??)。今後はショーにも出演されないということで、あのイーグルをもう過去映像でしか見られないと思うと、残念でなりません。

以下は、その小塚さんへのスポナビのインタビュー(3回シリーズ)です。
いつものように、強引に「翻訳」方向にもってきたいと思います。


小塚崇彦の「凝縮された」スケート人生
今あらためて振り返る栄光と挫折
http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201604020007-spnavi

「それぞれの先生に個性があり、その先生たちが振り付けてくれるプログラムというのは僕のレベルの少し上を目指すものでした。最初はできないんですけど、それに追いつくことで成長していくというその繰り返しでやってきたと思います。今は何が必要で、この先はどうすべきか。それを気づかせる振り付けをしてくれているんだなというのは感じました。それぞれに得意、不得意な分野があると思うんですけど、その先生の色に染め上げられることによって自分のキャパシティーが広がっていき、どんどん成長していったのは感じます」

翻訳者としても、成長を目指すのであれば、この「(今の自分より)少し上のレベル」を与えてくれる講座や参考書をきちんと見極めることは重要かなと思います。
そして、ある程度経験を積んだら、(可能であれば)タイプの違う一流の先達の話(講座)を聞いてみることも。合う合わないはあると思いますが、何かしら得るものはあると思うので。ただ、自分の中に「こう」というものがない状態でこれをやるのは、引き摺られる可能性があるので危険かも。ワタクシは、様々なものに引き摺られやすい人間なので、駆出しの頃にこれをやったら、PANICって終わりだったかも・・・


小塚崇彦、単独インタビュー
引退発表後に語った「氷上を去る」理由
http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201603260003-spnavi


引退する小塚崇彦がファンの質問に回答
佐藤信夫コーチを怒らせた出来事とは?
http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201604020008-spnavi

「Q ―今後のフィギュアスケート界はどうなってほしいと思いますか?
いち個人としての意見ですけど、2004年から今の新採点方式になって、時間を経るごとに、どんどん昔の良いフィギュアスケート感というか、そういうものがなくなっているかなと。フィギュアスケート感というのは何かというと、言い方は悪いかもしれないけど「無駄なこと」。例えば氷で遊んでいるような動作です。そういうのが少しなくなっている気がするので、点数にはならないかもしれないけど、スケートでしかできないことを大事にしてもらいたいなと思います」

翻訳でも「(一見)無駄なこと」は大事ではないかと思っています。ワタクシも、毎日無駄なことをたくさんやっているし(注:SNSやAmazonさん家に入り浸っている、という意味ではありません<まあ、そういうときも多いですが)。もちろん、訳出作業そのものについて、極力翻訳に関係しない無駄は省くべきだと思いますが。音読やリスニングや読書。医薬翻訳でいえば、生物学、解剖学、生理学、病理学のきちんとした基礎知識もこれにあたるのかなと思います。日々の翻訳にそれがどう影響しているのかとても見えにくいですし(そもそも、ほとんど影響していないのかもしれません)、身についていなくても仕事はできると思いますが、ワタクシはやはり、これからも無駄は大事にしていきたいと思います(兼合いが難しいですけど・・・)


「Q ―今はジュニアも構成が非常に高難度化していて、ケガをする選手も増えていると思いますが、こうした世代の競技の在り方について思うことはありますか?
小さいころからケアに対する意識を持っていたほうがいいかなと思っています。筋肉痛が2日後にくるとか、すごい年を取ったように感じるかもしれないですけど、あれは感じていないだけで実は体にきているんですよ。それに小さい子たちも若いから大丈夫というわけではなくて、小さいけど体には負担がかかっているんだよということを知れる世界でなければいけないと思うんです。それはスポーツ界全体の話です」

つい、小さい頃=翻訳を学び始めた頃、高難度の技=CATツール、感じていないだけで実は体にきている=分からないだけで日本語はおかしくなっている、と深読み(?)してしまいました(お許しくださいませ)。
ワタクシは、自分は(特に翻訳会社から使用を指定されるという意味での)ツールは使用していませんし、今後もたぶんそういう風に使用することはないと思いますが、他の方の使用を否定するものではありません。そこのところは誤解しないでくださいね。ただ、あまり早いうちからツールを使うことに対しては「どうなんだろう」と思うことはあります(←特にワタクシとよく似た「引っ張られやすい」感のあるヒト)。
最終的には、「自分がしっかりして、自分のやっていることをよく理解する」しかないのだろうなと思います。
ある程度「大きくなった」今でも、「ケアに対する意識」(=きっちんとした日本語に対する感度)を鈍らせずにいたいと、改めて自戒しました・・・というのは、「翻訳の方向にねじ曲げてみました」感ありありで、あまりにも強引すぎる気もするのですが・・・


小塚さんは、今後トヨタの社員として普通に勤務されるそうです。
過去には、引退した(国際試合出場レベルの)フィギュアスケーターの進む道は、指導者、解説者、ショースケーターくらいでしたが、昨年、町田さんが「普通に大学院に進学する」という新たな選択肢を示し、今回、小塚さんが「一社員として普通に勤務する」という選択肢を追加しました。こうやって、選択肢が増えていくのは、後進が「その後」を考えるきっかけにもなり、よいことではないかと思います。
今日が最後のショーになります。

hayaku subeteno jishin ga osamarimasuyouni
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プロフィール

Sayo

Author:Sayo
医療機器の和訳も9年目。
老眼腰痛、最近は膝痛とも闘いつつ
翻訳人生をまっとうしようと奮闘中。
この頃になってやっと翻訳の奥深さ・
難しさ・楽しさが分かってきたような。
記事は「翻訳一般」多め、ときどき読書感想文、本業(医療機器)やや少な目。
(2019年4月現在)

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