屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。

という言葉をよく聞きます。
「原文が透けて見えない訳文をつくるのが理想」だとも。

自分も「そうだよね-」と何となく分かったつもりになっていたと思います。

そして今、ワタクシは、(自分が)「原文が透けて見えない訳文とは、こういう文章をいうのか!!」という翻訳書を読んでいます。
M井章子さんの「イスラム国テロリストが国家をつくる時」と「科学は大災害を予測できるか」。

後者は「小惑星の衝突」とか「パンデミック」とか、個人的に興味をそそられる章もあるのですが、前者なんか、完全にワタクシの守備範囲外です(まあ、「それはどういうものなのか」を知りたいという、ごく一般的興味はありますが)。だからこそ選んでみた、というのもありました。Baselineの知識もなく特に強い興味もないノンフィクション翻訳書を、どれだけ楽に理解できるか(又はできないか)。

若い頃は翻訳書のフィクションを、それころ貪るように読んでいましたが、いつの頃からは、仕事で必要なとき以外はほとんど翻訳書は読まなくなっていました(仕事を辞めて通勤時間の読書がなくなったのが一番のきっかけかも)。
今年はノンフィクションの講座を受けたこともあり、様々な翻訳者の方の文章を勉強させて頂くために、春頃から、科学や伝記分野を中心に、少しずつノンフィクションの翻訳書を読んでいます。内容がつまらなかったり、よく分からなかったりするものは、Give Upして別のものに進む場合もあります(図書館で借りるのでできるワザなんですが・・・)。

M井さんが東京で講演なさることを知り、今回初めてその翻訳書を手に取ってみました。

何だこれ、分かりやすい。これまでよく分からず、さして興味もなかった遠い世界のできごと、中東情勢が、よく整理されて頭に入ってきます。しかも、もとの原文が分からん。

これまで手に取った翻訳書は、きちんと上手く訳されているものでも、「もとの原文の構文はこうだよね」と分かる箇所がありました(散見~基本そういう文体までさまざま)。書籍によっては、「そういう効果を狙って」という場合もあるでしょうから、必ず「分かってはよろしくない」ということはないと、個人的には思います。ただ、「イスラム国」は、そういう効果を狙う必要はない書籍かなと。
(ちなみに、個人的に、これまで読んだ中で「原文分からんなあ」と思ったものは、I口さんと講師のI坂先生の文章でした<決してお二人を持ち上げるものではありません<念のため。このおふたりの文章を読んだとき、今回のような衝撃がなかったのは、たぶん、自分の中に「そういう文章を書かれる方である」という先入観があったためと思います。あと、ここでエラそーなことを言っていますが、自分自身は、まだまだ、数多の書籍翻訳者の方の足元にさえ及ぶ訳文は書けないヤツであるということも、申し添えておきます)

恐らく、原文の内容を完全に理解した上で、日本語として組み立て直していらっしゃるのでしょう。ご自分の完全理解がベースとなっているので、「その訳語はこの文章のToneでは座りが悪い」ということもありません。

M井さんは、今日、東京のセミナーで講演されます。
遠方ですし、前後に用事もありましたので、当初から出席は考えていませんでしたが、今、恐らくDVD化される講演を視聴するために、J**に入会しようかどうか思案中です。
もちろん、そうした訳文を作るにはどうすればよいかという日々の鍛錬方法は、自分で見つけて取り組まなければならないこととは思うのですが、このような訳文を書かれる方が、普段どんなことに気を付けていらっしゃるのかというのは、とても興味があるところです。
(こういうときに「どこでもドア」がほしいよね<て修羅場ってるので、結局行けないとは思いますが)
2016.08.04 11:41 | 翻訳 | トラックバック(-) | コメント(0) |












管理者にだけ表示