屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。

翻訳では準備が大事という言葉をよく聞きます。
「翻訳のレッスン」では「準備7割」とされていましたっけ。

というわけで、自分の場合を振り返ってみました。
(普段あまり詳しく記録を取らないので結構テキトーですが)

全体を10とすると、

原文通読・精読 1.0 (注1
訳出前作業 0.5 (注2
訳出前の調べもの 2.0 (注3
訳出中の調べもの 2.0~2.5 (注3
訳出 2.0~2.5
見直し1 1.5 (注4
見直し2 0.5 (注4

という感じです(足したら10になってますよね<算数苦手)。

注)の説明に進む前に(時間のある方は)「こんな手順で翻訳していますRevision」に目を通して頂ければと思います。2年前の記事ですが、大きな流れは変わっていません。

注1) 最初に原文通読を、訳出作業を行う前日に翌日の予想処理枚数分の精読を行います。

注2) スキャナを用いて対訳用のファイルを作成。ナンバリング対応で訳文を作成する場合は、ナンバリングを反映したものを作ります。

注3) 「訳出前の調べもの」では、対象(または同等の)機器の詳細、動作の仕組みや原理、試験の詳細など、全体的な内容について調べます。「訳出中の調べもの」は、訳出作業中のさらに詳しい調べもので、対象機器(慣れた機器かどうか)や文書の性質などによって、多少ばらつきが生じます。辞書引きは「訳出」作業に含めました。

注4) 「見直し1」では訳文の見直し(原文と訳文の突き合わせによる見直し、訳文のみの見直し)を行い、「見直し2」では、数字や英語スペルアウト情報(規格、商品名など)の正誤の確認、文書内の使用語句の統一(主にWord検索機能を使用)、翻訳会社やクライアントのスタイルガイドへの準拠(Wildlightを使用)を確認します(「見直し1」の後に「見直し2」を行うということではありません<念のため)。

こうやってみると、調べものは全体(10)の4.0~4.5割ということになってしまい、「(準備)7割に達してないじゃーん」という話なのですが、対訳出作業ということで比較すると、約2倍になります。まあ、調べものをしながら訳語を考えたり、精読しながら訳語を考えたり、ということはありますので、境界もう少し曖昧で、単純に「約2倍」とは言えない気もしますが。まあ、ひとつの例ってことで。


ここまで、自分の作業については「調べもの」という言葉を使ってきましたが、それは、改めて考えてみましたら、「調べもの」は「翻訳をする上での準備の一部」で、準備と同義ではないと思えてきたためです。翻訳の準備というのは、新たに案件を受けたときではなく、その前から始まっていて、専門分野の基本的な知識を学んだり、日々新しい情報の収集に努めたり、関連する参考図書を揃えたり、語彙の拡充に努めたり、といったこともすべて「翻訳の準備」に含まれるのかなと(広義には辞書類や検索ソフトの充実も含まれるかなと思います)。

そんなことを考えていたら、訳出時間を増やすには、1件毎の案件の4.0~4.5割という「調べもの」時間を(多少ですが)減らす、という考え方もありなのかなとも思えてきました。専門分野をある程度絞り、翻訳筋トレは怠らず、でも戦略的に「準備」を進めていけば、それもまた可能ではないかと。ただ、それが、自分の進みたい方向なのかどうか、ということはまだ何とも。ただ、そういう考え方もありかも、てことで。

いずれにせよ、「訳文を作成する」という作業は、「準備」という形で蓄積されたさまざまなものの一部であり、そういう意味で、氷山の見えている部分に当たるものという言い方もできるかもしれません。隠れている部分が大きい翻訳者になるのが理想です(いや、あくまでも理想ですが)。
2016.09.14 21:33 | 翻訳 | トラックバック(-) | コメント(0) |












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