屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。

「ひと休み」は「ひと休み」でございまする。

今日は、「どちらかといえば読みもの」的な辞典&書籍をご紹介したく。

「英和メディカル用語辞典」(講談社、2000年)

本書については、「役に立たない、辞書の話2」*の中でもちらと触れています。
*「役に立たない」としているのは、これらの辞書が役に立たないということではなく、当時まったく別分野の翻訳をしていた自分の日々の仕事には役に立たん、という意味ですので、その点誤解のないようにお願いできればと思います<念のため。

「はじめに」にもあるとおり、本書は、医療分野で広く使われているabbreviation、slang、jargon、acronym、neologism、医薬品・医療器具を含めた固有名詞などの「医療語(MedSpeak)」に特化した辞典です。仕事で使うというより、読んで楽しむ、医療ミステリーを読んで気になったときに引く、という感じの辞典ですね。とはいえ、スクラブナースの説明など、たまに、仕事でお世話になることもある、侮るとヤバい辞典でもあります。ただ、2000年発行ということで、neologismにはいささか不安を感じる部分がないでもありません。

と思っていたら、今年5月に、出版社は違うのですが、同じ編著者による同系列と思われる辞典が発行されました。


「医療現場英語辞典」(三省堂、2016年)

「はじめに」を読むと、本書は「英和メディカル用語辞典」の後継と考えてよさそうです。ぱらぱらと中身を比較してみたところでは、「収録語がかなり変わっている」という印象を受けました。「まったく想像できませんでした」的な隠語も増えているような気がします。その意味で「読んで楽しむ」度、「ミステリーのおとも」度が上がっているような(あくまで個人的な感想です)。

手元になくても全然困らない辞典ではありますが、ワタクシのように医療ミステリーや医療ノンフィクションを読む(聴く)のが好きな方にはよいかも。2000年版にあった病院内図(例)やナースの種類などの付録がなくなっているので、入手可能であれば、2冊とも手元にある方がいいかも。


「アメリカでお医者さんにかかるときの本-在米日本人のための必携医療マニュアル」(保健同人社、2015年)

「あめいろぐ」という、アメリカで働く日本人医療従事者が中心となって運営する医療情報ポータルサイトのメンバーを中心に、20人の医療従事者が執筆した書籍。今は、こんな便利な本があるんですね。

渡米前の準備に始まり、医療機関の受診方法、救急時の対処方法、妊娠したとき・出産するとき、ワクチン接種、現地の市販薬情報など、各種情報が網羅されています。すごいなと思ったのは、精神科に関する情報にも少なくないページ数が割かれていたこと。駐妻の方は多くがそれなりに現地の生活に適応されていましたが、中には順応できずに奥様だけ(あるいはご夫婦で)帰国されるという例も、周りにありました。でも、同朋であっても、そういう状況ってなかなか相談しづらい。そこまでの状況には至らなくても、精神的にちょっとヤバいかもと思ったとき(実際に相談するかどうかは別として)どうすればよいか、ということが書かれている本書は、お守り代わりとしても貴重なのでは、と思いました(注:これも、あくまで個人的な感想です)。

簡単ですが保険についても触れられていて、医療分野の翻訳者として手元に置いておいてもいいかも、と思う1冊です(決してあめいろぐさんの回し者ではありません<念のため)。
2016.10.01 13:12 | 辞書・参考書 | トラックバック(-) | コメント(0) |












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