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2017. 03. 31  
「シンプル病理学」と相前後して、他の日本語書籍の音読も終了しました。
(昨年末時点のラインナップはコチラ

「潮騒」(三島由紀夫)
...スイマセン、初三島です。
ストーリー的なことをいえば、「べたな純愛小説」と言えばいいんでしょうか。
音読的観点からいえば、とても読みやすかったです。無駄を省いて推敲を重ねた文章なのだと思います(もちろん、出版される文章というのは、本来すべてそうあるべきものなのでしょうが)。そうした無駄のない文章ながら、情景描写の部分では、地形や景色や天候、あるいは登場人物の佇まいが目の前にありありと浮かんでくるのは、この文章がそれだけ「読ませる」文章ということなのかなと思います。

「実戦・日本語の作文技術」(本多勝一)
...スイマセン、今さらの「日本語の作文技術」です。
この本の後半部分は、著者の主張がちょっと強く出すぎているような気がして、少々辟易する部分もありましたが、前半の「日本語の作文技術」の、直結の原則、修飾の順序、テンの二大原則などの部分は、「ナルホド」と納得する内容ばかりでした。実際、この本を読んだあとは、訳文を作る際も、今挙げたようなことを意識しています。「裁判の判決文を分析する」で、不明瞭この上ない判決文が(そのように書き直すことの是非は取りあえず置くとして)見事に料理され、分かりやすい文章になっていくさまは見事だと思いました。

の2冊を終え、現在、専門分野系の「異常値の出るメカニズム」の他に「文章読本」(谷崎潤一郎)と「かくれ里」(白州正子)を読んでいます。

このうち「かくれ里」は、実家の父の蔵書から「音読用に」と発掘してきた数冊のうちの1冊。
白州さんの本は初めてですけど、ひと目で...じゃなくて冒頭の数行で気に入りました。

「かくれ里」と題したのは、別に深い意味があるわけではない。字引をひいてみると、世を避けて隠れ忍ぶ村里、とあり、民俗学の方では、山に住む神人が、冬の祭りなどに里へ現われ、鎮魂の舞を舞った後、いずこともなく去って行く山間の僻地をいう。謡曲で「行くへも知らずなりにけり」とか「失せにけり」というのは、皆そういう風習の名残であろう(「油日の古面」冒頭部分)

自分の文章のリズムと関係している部分もあると思いますので、他の方はまた別の感想を持たれるかもしれないのですが、ワタクシは、こういう文章、好きです。凜として清々しくて品がある文章だなあと思います(あくまで個人的な感想です)。というわけで、楽しく読んでいます。

これらの書籍を音読してきて(「かくれ里」は現在進行形ですが)思うのは、何気なく書かれた文章のように見えて、あるべき順序で書かれ、必要な箇所に読点が打たれているということ。
自分の書いた訳文を音読していて、続けるべきではないところまで続けてしまって「あれれ」となっているワタクシは(つまり、分かりにくい書き方をしているということなのですが)まだまだ修行が足りないようです。トホホ。
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Re: タイトルなし
ヨシダヒロコさん、こんにちは~。

私は三島は今回が初めてでした。「潮騒」に関していえば、読みやすく情景を思い浮かべやすい文章で、考えてみればそれは凄いことかもしれません。
谷崎は高校の副読本か何かで短いものを読んだと思うのですが、記憶に残っていません。今この年になって読んだらまた違う感じ方をするかも。文章読本は、頷けるところも多々あり、昭和初期に書かれたことをを考えるとたいした人だと思います。個人的には若干読みにくいですが。
日本語の朗読はあまり聴いたことがないんですが、上手にされる方はやはり声の張りや抑揚が違うなーと思います。
Sayoさん、まいどです。

三島は一番印象的なのが『真夏の死』(高校教科書にあった)で、当時買いました。まだあるので大人になってから再読したかも。その他にもあるけど読めていません。

谷崎も読めてないですが、耽美な人かと思っていたら、『グレーテルのかまど』(キムラ緑子さんと瀬戸くんが出てるお菓子番組)で谷崎の好きだったモカロールを作ったことがあったんです。戦時中に『細雪』が連載中止になってからもコックを呼んで美味しいものを作らせ、空襲があっても書いてたらしいので、すごく骨のあった人なんでしょうね。

最近、朗読をやっている詩人さんのTwitterを見てます。声がきれいだったり音楽や演劇の経験がある人は、声の出し方が上手で、楽器と合わせたりしても素敵なんだろうなあと。
わたしは歌はダメなので翻訳文を地道に読むだけですね(手持ちのトライアルからでも)。

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プロフィール

Sayo

Author:Sayo
医療機器の和訳も9年目。
老眼腰痛、最近は膝痛とも闘いつつ
翻訳人生をまっとうしようと奮闘中。
この頃になってやっと翻訳の奥深さ・
難しさ・楽しさが分かってきたような。
記事は「翻訳一般」多め、ときどき読書感想文、本業(医療機器)やや少な目。
(2019年4月現在)

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