屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。

(あらかじめ提出された質問に対して、4名が答えるという形のQ&A。皆さんの掛け合いが面白く、話が脱線したり広がったりということも多かったので、個人的には、Q&Aの時間がもっと長くてもいいかなと思いました。Aは書き切れなかった部分があります。ご容赦ください。)

Q1 英訳の癖を改善するために何かしていることはあるか。
(皆さん、特にないということで、以下「こうすればいいのでは」という回答です)
・きちんとした翻訳のできる複数の人に訳文を見てもらい、癖を指摘してもらうのが一番よい。
・該当する分野のよい文章を読む。
・訳出にかかる前に、ウォーミングアップ的に上手な日本文(英文)をたくさん読む。
・高校生用、大学生用、一般向け、専門家向けなど、対象読者のレベルの異なる複数種類の文章を読む。
・そもそも、語彙が少なく同じ表現しか使えないということが、根本原因の1つなのでは。翻訳で使用する語彙が少ないと、普通の日本語を書くときもその語彙の範囲の文章しか書けなくなってしまう(会場、一気に凍り付いた感じです。ホラーです...<Sayo)。

Q2 直訳調と意訳調が入り交じるのはありか。
結果として(考え抜いた上で)入り交じり、その理由を説明できるのであればありでは。

Q3 調べものをしていて、どうしても分からないことがあるときどうするか。関連書籍を読むのは時間と労力がいる。
・人に聞く-聞くことができるような人間関係を築いておくことが大事。
・時間をおいて調べ直すと分かることがある。
・いきなりネット検索に入らず、百科事典などで大まかな情報を掴んでから検索するとよい。
・関連書籍の読み方も(どの部分が大事かなど)だんだん分かってくる。

Q4 翻訳には、翻訳技術だけでなくセンスが必要か。それを伸ばすことはできるか。
(まず、「センスって何だろう」という議論が。「言葉の選択やニュアンスを表現する、みたいな意味かな」)
・原文がポジティブなのか、ネガティブなのか、ニュートラルなのかを読み取る→日本語シソーラスで最適な言葉を探す。
・センスも翻訳技術では。

Q5 専門分野を絞っていく方が稼ぎやすいか。片寄りすぎるのもよくないか。
・スケジュールが埋まるようであれば、その分野に絞って仕事をしてもよいのでは。
・得意分野も苦手分野も翻訳会社にきちんと伝えていこう。

Q6 翻訳者に向いていない人はどんな人か。
・細かいところにこだわらない人(I口)
・調べものを面倒くさがる人(T橋さ)
・「どっちでもいいんじゃない」という人(F井)
・言葉を大切にしない人(T橋あ)

Q7 ソークラと直接やり取りする場合に気をつけることは。
・ギャラは高いがキャンセルのリスクもある。「こうすればあなたにもこのようなメリットがある」ということを明確に提案し、料金もきちんと請求することが大事。

Q8 翻訳1本に絞ったタイミングときっかけは。兼業とのバランスの取り方。
・1本に絞っても食べていけるという目途が立ったとき。

Q9 1日どれくらい辞書を使うか。翻訳スピードを上げるコツは。
・内容にもよるのでいちがいに言えない。
・頭に絵が思い浮かべられれば速い。
・スピードを求めてはいけない。スピードは結果。
・技術の底上げを図る。

Q10 昨今の単価下落にはどう対応すべき。
・もっと自分を評価してくれるお客様(OR翻訳会社)のところに行きましょう(そのためにも実力、てことですよね...<Sayo)

以上でシンポジウムは閉会となりました。

今回、翻訳祭と同じように、最初から最後までひたすらメモをとりました。
集中して聞いて、そのとき「これは」と思った部分を書き留めるというやり方とどちらがいいのか分かりません。「これは」という部分は心に響く部分ですから、「今の自分」にとって大事な部分であることは間違いありません。
でも、今回のシンポジウムに限っていえば、そのやり方では、さきのさんの「述部から読む・訳す」の部分は、よく分からなかったという理由で忘れてしまったと思うのです(あくまで自分の場合ですが)。でも、翻訳事典を読み直したり、「どういう意味だろう」と考え直したりする中で、「こういう理由で大切なのではないか」ということが(少しだけですが)見えてきたような気がします。
てことで、自分的には、今回もこのやり方でよかったかなと。
この記事の第1稿は帰りの新幹線の中で書きました。ワタクシは、新幹線ではたいていどこかで寝てしまうのですが、今回は眠くなることなくひたすら書き続けました(あ、お昼ご飯は食べました)。恐るべし、フォーラム・シンポジウム。
2017.05.25 18:17 | 翻訳 | トラックバック(-) | コメント(2) |

エミさま、
過分のお言葉ありがとうございます(照)。
フォーラムの感想は、やはり、F井さんがまとめてくださった「まとめ」が秀逸と思います。
https://togetter.com/li/1113127
皆さんの感動が伝わってくるし、「おお、深い!」と衝撃を受けるような感想もあったりしますし。
屋根裏は、今回、(後日、翻訳事典等にもっと詳しいレポートが掲載されるまでのつなぎとして)「出席できなかった方のために時系列に」を心掛けましたので(いつもはそこまで頑張らんですよ、眠気と戦っているセミナーとかもあります)、併せて読んで頂ければ、「おお、ここがキモのひとつか」「これは自分もできそう」みたいなことを感じ取って頂けるのではないかと。
私も、日々の忙しさに紛れてだいぶ記憶が薄れてきましたので、また「まとめ」を読み返しに行こうと思います(、と思わせてくださってありがとうございました~)。

2017.06.14 18:13 URL | Sayo@屋根裏 #- [ 編集 ]

Sayoさま、たいへん遅くなりましたが、先日の翻訳フォーラム・シンポジウムのご報告を感動しながら拝読致しました。おまとめとして語られていらっしゃる、「ここはと思う今心に響いた部分」だけをメモする方法を私は主に行ってきました。が、これは後日あまり役立たず、誤解の元にもなっていました。
このたびのSayoさまのように漏れなくメモしていく方法は誤解がなく、後日に他の参考情報(翻訳事典の記事など)と合わせると相乗効果で身体の奥にしみ込ませることができますね。

すばらしいご報告に、心より感謝いたします。
私は、いい加減に自分を甘やかすことをやめなければと深く深く反省し、よしと気合いが入りました。ありがとうございます。

2017.06.14 17:07 URL | カドワキエミ #- [ 編集 ]













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