屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。

MなSayoなのだった。

今回の「一流」は通訳者のH本美穂さん。
先日「情熱大陸」で取り上げられたばかりですので、ご覧になった方も多いと思います。

外国特派員協会でのピコ太郎さんの通訳で一躍有名になられた方です。
(それまでもギョーカイでは名の知られた方だったのでしょうが、ワタクシは存じ上げませんでした<恥)

当日はバタバタしていて見逃してしまったので、MBSの見逃し配信のお世話になりました(探しに行く前にFBやTwitterでURLを教えてくださった皆さん、ありがとうございました)。
昨日1回見たのですが、打ちのめされる言葉があまりにも多かったので、今日もう1回見てそうした言葉を書き留めました。自分に甘く立ち直りが早いので、そのとき「大事」と思った言葉も書き留めておかないとすぐ忘れてしまうんですよね。
ということで、今日の記事は、概ねあとで自分が読み返すためのものです。ご容赦ください。
カッコ内はTVナレーションやシーンの説明など。それ以外はH本さんの言葉です(いちおー一時停止して書き留めていますが、ところどころ言葉どおりではない箇所があります。また、基本的に常体に直して記載しています)。


(ピコ太郎さんやふなっしーの通訳の映像が流れたあと、H本さんの哲学として)
お客さまの代弁をしに行っているのだから、お客さまになりきらなければならない。
つまり、お客さまの価値観を瞬時に吸収して言葉に反映していかなければならない。

(IT企業の会議通訳の場面。同企業社長の言葉)
彼女の通訳はストレスがまったくない。「本当にちゃんと伝わっているのか」という心配がない。

(プレゼンテーション通訳の場面。一人で機材をセットしていく。資料や手書きのノートがすごい。もっとゆっくり映して~。ナレ「(話者の)表情を見ながら強調すべき点を把握していく」)
(帰りの車の中?)
通訳は一人でやる仕事だから、お客さまが「よかった」「駄目だった」と言ってくれることはあるけれど、基本的には誰も何も言ってくれない。
自己批判精神を保つことが大事。「やったー」みたいな自己満足が一番危険。

(資料の読込みは場所を問わない。息子の習い事の待ち時間にも資料に目を通す。「集中できるのか」と問われて)
できる。静かでないと、条件が整わないと頭に入らないとか言っていると、いつまでも条件は整わない。雑音を押し出す力で集中する。

(通訳時に頭の中でどのような作業を行っているのか問われて)
まずリスニングした音を理解しないと意味がない。理解した内容をイメージとして記憶する。日本語と英語は語順が逆なので、聞こえてきた順番に文字を変換すれば訳せるというわけではない。英語と日本語の世界の間に非言語地帯(イメージ?)がある。

(仕事は30~40本/月。テーマや場所に応じてファッションにも気を配る。通訳者は「くろこ」と考えおとなしい服が多いが、着心地にはこだわる)
相手に与える印象を考える。たとえば少し着心地が悪いと、どうしてもそこに手がいってしまう。服に触っていると、通訳者は焦っているのか?などと思われる。
きちんとしていて、安っぽくなく、華美ではない衣装は難しい。
(ナレ「理想は、存在を感じさせない通訳のようだ」)

(若手通訳者の勉強会で、「インド英語が聴き取りにくい」との相談を受けて)
覚悟して、そういう英語だと認める。拒否反応を感じている時点で耳が反応していない。コミュニケーションはお互いの理解だ。

(小学生で渡米したとき、何と言ったかは忘れたがトイレに行きたいと伝えたら、先生がちゃんとトイレに連れて行ってくれた。その体験が原点)
自分の思った言葉をクリアに相手にそのまま伝えられる気持ちよさ、意思伝達の気持ちよさを感じてきた。

(海外投資家向けのコンベンション会場で、H本さんが通訳した台湾投資家の感想から)
コンパクトに通訳してくれたので、考える時間もあった。

(最後は月2回通うという鍼灸院の場面。頭を空っぽにできる1時間だという。喋りすぎて口が動かなかったが)
これでまた頑張れそう。

*普段の生活を切り取ったシーンもありましたが、通翻関係の語録に絞り、ここでは割愛しました。


感想(の一部)

*通訳について(あくまで通訳シロウトの感想です)
早口の場面が多かったのですが、滑舌がよく日本語は日本語のリズムで、英語は英語のリズムで話され、適度な間もあるので、どちらもとても聞き取りやすかったです。IT企業社長の「ストレスがない」、台湾投資家の「コンパクトで考える時間があった」という感想も、ここから来るものなのかなと。多少は小学生時代の在米体験も役立っているでしょうし、適性もあったかと思いますが、相当な努力をされたに違いないと思います。

*通訳と翻訳について
「イメージ」という言葉を使っておられましたが、それはそのまま「絵」や「景色」と言い換えることもできると思いました。2つの言葉の間に立つ者としての基本的なスタンスは同じなのだと。

*ぐさっときました
「自己批判精神を保つことが大事。『やったー』みたいな自己満足が一番危険」
ワタクシは「自分結構やるかも」と「自分いつまでもダメ」の間をいったりきたりすることが多く、その意味では「自己満足度」はそんなに高くないと思うのですが、「自分いつまでもダメ」というのは、ジツは単なる落込みに過ぎなくて「自己批判」ではないんですよね。「自己批判」というのは「自分のここがこんな風に駄目、そこを改善するにはこういう方策が必要」と冷静に分析できる能力なのだと...よく考えれば分かるのですが、普段はつい無駄に「できるかも」「駄目なヤツ」を繰り返してしまいます。自己批判、(とりあえず今は)心に刻みました(今は<しつこい<自分)。
「条件が整わないと頭に入らないとか言っていると、いつまでも条件は整わない」
だから、いつまでたってもできない、というか「今は無理だから」や「今は時間がないから」を言い訳にしていることの何と多いことか。ちょっと、本気で色々改めようという気持ちになりました(取りあえず今はなってます)。

*H本美穂さん
いつも全力疾走しているというイメージです。自分にはここまで疾走するのはやっぱり無理だな~、というのが正直な感想(そこが一流との違いなのでしょう)。
とはいえ、「ぐさっ」の部分は大事にして、Slow runnerなりに少しだけペースを上げて走ってみたいとも思いました。でも、毎日を丁寧に。全力疾走という言葉は細部を疎かにするという印象を与えてしまう恐れがありますが、H本さんは、全力ながらも丁寧に走っていらっしゃる(という言葉はちと変ですが、許されよ)という印象でした。
2017.06.07 23:19 | 翻訳 | トラックバック(-) | コメント(2) |

ちょりーたさん、またまたまいどです~。
同じ人類じゃないんじゃないかと思ってしまうような方でしたね~。ワタクシも、すでにかなり記憶あやふやです。自分の記事を再読して「そうやった、そうやった」とか思ってしまいました。
あまり大きな声では言えませんが、「情熱大陸」「H本美穂」(Hにはお名前を入れてください)で動画をググると、まだYou Tubeで見られますよ。いつ消されるか分からんけど。

2017.06.15 21:49 URL | Sayo@屋根裏 #- [ 編集 ]

おお、こうしてまとめてくださると記憶が蘇ってきます。見逃しちゃったという友人に細かい内容を伝えようとしたものの、なんせ年々衰えていく記憶力…非言語地帯のあたりしか伝えられず。なので友人にはこちらの記事を紹介させていただきました。詳細な記録、ありがとうございました。

2017.06.15 21:30 URL | ちょりーた #- [ 編集 ]













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