屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。

慢性Amazon購入したい病が悪化した際に購入した1冊。


同業者は「てにをは辞典」(以下「てにをは1」)を所持しておられる方が多いようで、どちらにしようか悩みましたが、「連想表現辞典」(以下「てにをは2」)の方にしてみました。

第一印象は、「老眼にはやさしくない」。巻末に「てにをは1」の例頁が掲載されていて、そちらも同じくらい老眼にやさしくなかったので、ちょっとホッとしました(...なんか論点が違うような...)


気を取り直して。

この辞典は、帯に「日本を代表する作家四百名の名表現を類語・類表現で分類。作家的表現力を身につける『書く人』のための辞典」とあるとおり、本来、少し時間をかけて「ことばを探す」ための辞典です(少なくとも、ワタクシはそういう印象を受けました)。なので、時間との戦いである面も大きい毎日の実務翻訳には少し不向きかなあという気もします。

「引出し」と呼ばれる大分類の下に見出し語があり、各見出し語項目の中に、項目語を用いた表現例や関連(連想)語句を用いた表現例+その表現の使用者が書かれている、という構成なのですが、項目によっては、この表現例がたくさんありすぎて(しかも-しつこいようですが-老眼は考慮されていない)、斜め読みでも時間がかかります...というか、どちらかといえば、ゆっくり味わって読みたい内容です。


たとえば、「多い・少ない」という大分類を例にとってみます。

見出し語は、五十音順に収載されていて、「ある程度」「幾つか」「いくら」「一語一語」「一条」「一度」...などなど。そのおのおのに、表現例が記載されています。時間に追われる仕事では、「とりあえず見出し語だけざっと斜め読みする」という使い方はできるかもしれません。

この分類方法は、「角川類語新辞典」(以下「角川」)に似ているように思います。
「角川」では、「多い・少ない」は、「数量」という大分類中に「多少」として記載されています。その中で、「多い-数量がたくさんある」「特に分量が満ちたりて不足がない」などと、さらに細分化されています。各語には簡単な意味の説明と使用例が記載されているので、同類の語句の違いをくらべたいときも便利。ATOKにもおったような気がしますが、ワタクシは紙辞書のお世話になることが多いです。この種の紙辞書としては、仕事では一番お世話になるかも(日本語から他の日本語を連想する、という使い方では、たいていは、ウェブの「類語連想辞典」さんにお世話になります)。

「老眼にやさしい」という点では、「日本語使いさばき辞典」(以下「使いさばき」)が秀逸(?)です(<どうしてもそこなのか<自分)。
この辞書は、ライターさんから、「ちょっと変わった愛用辞書」として紹介していただいたもの。
「てにをは2」同様、「大分類は五十音順」というところが使いやすいのですが、いかんせん収録語数が少なめ(老眼にやさしいので<しつこい)なのと、各語の意味の記載がないところが若干使いにくい感じです。
「使いさばき」にも「多少」という分類はありまして(他の辞典の「大分類」に相当する位置づけ)、その中に、「数量・分量からみた『多(少)』」「『多』に関する擬態語・形容語」「ある基準からみた数量・分量の『多少』」などの分類があり、それぞれが、さらに細かく分類されています。たとえば、「ある基準からみた数量・分量の『多少』」だと、「食べ物で腹が満ちる」「はみ出した数量・分量」「端数がない」など。各大分類の最後に、その語句に関する成句一覧が記載されているのも面白いです。

「てにをは2」の「多少」の項目を眺めていたら、「多少なりとも」と「多少とも」の両方の表現があって、「どうちがうねん」が多少気になりました。そういうとき、ワタクシは、「日本語類義表現使い分け辞典」(紙版、以下「類義表現」)か「類義語使い分け辞典」(CD-ROM版)のお世話になるのですが、特に「類義表現」は、説明が詳しすぎて、気合いを入れ直して読まないと理解できないという難しさがあります(あくまでワタクシの場合)。
(ちなみに「なりとも」と「とも」の使い分けの説明は見つからなかったような気がしますので、また時間があるときに調べてみます)

そんな風に、類語辞典には、(忙しいときであっても)「類が類を呼び、最後に類義表現を呼ぶ」というこわさがあるので、ワタクシは「類語辞典の罠」と呼んでおそれています。


上で言及した辞典は以下のとおりです。

「てにをは連想表現辞典」(三省堂、2015年)
「てにをは辞典」(三省堂、2010年)
「角川類語新辞典」(角川書店、1981年)
「新版・日本語使いさばき辞典」(東京書籍、2014年)
「日本語類義表現使い分け辞典」(研究社、2007年)
「類義語使い分け辞典」研究社、1998年」

蛇足ですが、「てにをは2」には、巻末に、収録作家名と出典の一覧があるのですが、その中に、高千穂遙さんの「ダーティペアの大帝国」があって、多感な年頃、高千穂さんの作品にお世話になった身としては、嬉しいやらびっくりするやら。ただ、どこに収録されているかは分からんのです。
2017.11.04 15:54 | 辞書・参考書 | トラックバック(-) | コメント(0) |












管理者にだけ表示