屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。


個別レポートを終えて抜け殻となったワタクシは、たぶん軽く突いただけでぺしゃんこになると思うので、心優しい皆さんはそうっと通り過ぎてやってくださいませ。


「屋根裏」では、特に翻訳祭と翻訳フォーラムの記事を書くときは、出席されなかった方にも流れが分かりやすいよう、できるだけ細かく、ニュートラルにを心掛けています(その割に私情を挟んでいるという説もある)。なので、「ここがキモやで」というか「ここが聴衆の心を掴んだんや」という、登壇者がもっとも伝えたかった部分は、逆に分かりにくいかもしれません(そして、ハズしている可能性が大なのだった)。

そういう「キモ」を知るには、実行委員長がまとめてくださった翻訳祭関連のブログやツイートのまとめを見ていただくのが一番いいかなと思います。熱いレポばかりではなく、異なる視点からの感想もあり、とても興味深いです。
http://baldhatter.txt-nifty.com/misc/2017/12/27jtf-40a2.html
(「屋根裏」も入れていただきました、ありがとうございます)


ただ、あくまで自分の場合ですが、熱いレポートやツイートを読んでいると、それを自分の意見や感想と錯覚してしまうことがあるので、そこは気をつけなあかんなと思っています。
レポートから1週間の冷却期間(?)をおいて、もう一度翻訳祭を振り返ってみました。


わたしは、翻訳祭から何を持ち帰ったのだろう?

翻訳祭に参加する理由は人それぞれかと思うのですが、ワタクシはやはり、「聴講したいセッションが複数ある」ことが最大の理由です。そして、普段SNS上でしかやり取りできない方々と(短時間でも)実際にお話できればそれで十分満足です(というかそのあたりで体力が尽きる)。今年は懇親会まで参加し、旧知の方々と楽しくお喋りして過ごしましたが、大人数の宴はやはり苦手です(田舎者なだけという説もある)。で、お喋りに夢中になってデザートを頂きそこねたのが、今でも悔やまれます。だから、十人十色の懇親会のメニューは「甘味」つきにしました(って関係ないし<自分)。

でも、そうやって聴講したセッションの記憶も日が経つにつれて少しずつ薄れてきていて、文字には残したものの、自分の心の片隅にもきちんと「何か」が残っているかどうかははなはだ不安です。
それでも、今でも残っているこの気持ちは、ハンパない「打ちひしがれ」感。何を持ち帰ったかと問われれば、やはりこの超弩級の「打ちひしがれ感」なのかなと思います。

登壇された方々も、直接お話した方も、間接的にお話を聞いた方も、それはそれはすごい方が多くて。その「すごさ」は、少しの才能と見えないところでの多大な努力の結晶だと思うのですが、その方たちは、そうした努力を日々の普通の営みのように話されたり、実に楽しげに語られたりする。
それを見聞きし、わたしは、「自分はまだまだだ」と、少しばかり天狗になりかけていた鼻をへし折られ、心に若干の痛みを抱えながら、同時に「まだまだ努力できる部分がたくさんある」という妙な高揚感を抱いて帰途についたのでした。

そんな風に、自分の中に生じてくる「自分はできる」という過信を踏み潰してもらうことが、自分が、定期的にセミナーに出席する大きな理由のひとつなのかなと思います(実際的な情報を頂けるセミナーやワークショップも多いですが)。そうしたセミナーをひとりで開催できるだけの力を備えた方々が集っているわけですから、翻訳祭のあとは、ティラノザウルスに踏まれたような気持ちです(踏まれたことがないので想像ですが)。←今このあたり

そんなことを考えながら「通翻ジャーナル冬号」を読んでいたら、通訳者の方の言葉で「自分の頭で考えて判断する、言葉だけを追いかけるのではなく意味を汲み取って通訳する」という言葉が目に入りました。
翻訳も同じで、文脈の中において初めて、訳語の適否を正しく判断することができると思います(やっと、受け売りではなく、自分なりに考えて、そう思えるようになりました)。
それは、諸先輩や講師先生などから、それぞれ違う言葉や表現で教えて/伝えていただいたことなのですが、結局は皆さん、同じ(ような)ことを仰っているのだなあと思った次第です。
「言葉は生き物」というのは、「時代によって言葉が変化する」という意味合いで使われるのが一般的だと思いますが、毎日の翻訳でも、異なる文脈では異なる訳語が選ばれるわけで、そう考えると、翻訳者は日々言葉という生き物と相対しているのだなあと、改めて思ったのでした。

翻訳祭に出席していなかったら、すぐにこうした連想をしたかどうか分かりません。だから、
「(生き物である)言葉を大切にしたい」
という気持ちが、今年の翻訳祭の一番の収穫なのではないかと、少し落ち着いた今思っています。
2017.12.11 18:04 | 翻訳祭・フォーラムetc.報告(2016-) | トラックバック(-) | コメント(0) |












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