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屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。


聴了。

医師でライターでもあるGawandeの著作は、以下の3冊を読みました。
読みやすい英語だし、話の展開も上手い。ついつい「もう少し」と読んでしまいます。

「Complications」(2003年 邦訳「予期せぬ瞬間」)
「Better:A Sugreon's Notes on Performance」(2008年 邦訳「医師は最善を尽くしているか――医療現場の常識を変えた11のエピソード 」)
「Being Mortal」(2015年 邦訳「死すべき定め」)

「Being Mortal」の読書感想文はコチラ
「死すべき定め」の読書感想文はコチラ

「Complications」は発売された頃に読んだので、すでに記憶の彼方ですが、たぶん、著者が研修医時代に遭遇した症例やそこから考えたことなどが書かれていたと思います。
次に読んだのが「Being Motal」。これは、邦訳書の副題にもあるとおり「医師は死にゆく人に何ができるのか」について、父親を看取った自身の体験も交えながら考えた、ちょっと覚悟のいる(<若干大げさ)1冊。
「Better」はそのちょうど中間に位置する書籍です。医師としてさまざまな現実に直面し、でも理想は失わず、医師としても一人の人間としても「脂が乗ってきた」時期なのかなと想像します。

だから、「Better」では、「もっとこうしたらよいのに」という思いや情熱が、外へ外へと溢れ出ていくような感じです。
対して、「Being Mortal」は、「こうしていくべきではないのか」という静かな情熱が感じられる作品でした。

どちらがいいとかそういうことではなく、「さまざまな経験を経て、人はこんな風にちょっとずつものごとへの接し方や表出の仕方が変わっていくんやなあ」と少ししみじみしたのでした。まあ、でも、Gawandeさんなんですけど。

で、何でしたっけ、「Better」の話でしたね。

「さまざまな状況でよりよいPerformanceを行うには、医師は何に努めたらよのか」を、副題にあるように、11のエピソードを通して考えていくという内容です。ビジネスや日々の生活に通じるものも感じます。

Gawandeは、知識を得たり技術を向上させたりするより大切なことがあるといい、diligence(勤勉さ)、do it right(正しく行うこと)、ingenuity(工夫)の3つを挙げています。その具体例として11のエピソードが語られます。Do it rightのParticipating in executing prisnorsでは、「薬剤による処刑に医師はどこまで関わることができるか」という、かなり controversial な問題を扱っており、またhow and when to stop (treatments)では、「Being mortal」の萌芽が感じられるなど、考えさせられる部分も多々ありました。

その他の詳しい内容は、「興味の湧かれた方は読んでみてね」(福岡でE田先生も推薦されたみたいだし)と逃げるとして、最後に、「ポジティブに現状から逸脱する」ためには「こうすればいいのでは」と(特にこれから医療を担う医学生に)Gawandeが提案している5 suggestionsを挙げておきます(*書き取りミスしている場合もありますので、項目名以外の部分は割り引いて読んでやってくださいませ)。

1 Ask unscripted questions(筋書きにない質問をする) Just let (patients) know you have a human connection とし、これは対患者のみならず nurses やmedical staff の場合も当てはまるとしています。
2 Don't complain(不平を言わない) 医師が不平を口にするのを聞くことほどdiscourage なことはないとし、ランチやミーティングの場などで、誰かが不平を口にしたら話題を逸らせられるよう、be prepared to have something to be discussed と提案します。
3 Count something(数える) 数えることで問題がより明確になり、改善につながる(only technologial solutions, not punishing people, can eliminate the problem) とし、たとえば、治療によって合併症を併発した患者数など、何でもよいから興味があるもの(こと)の数を数えるよう提案します。
4 Write something(書く) perfect な書きものである必要はないとし、書くことで客観的になり think through problem することができるとしています。また、書くことで自身をlarger world(communityなど)の一部とすることができるとも。
5 Change(変わる) lazy, doubtful skepticsではなく(全部を受け入れろというわけではないが)early adaptorになるべしとし、他人の命がかかっている医療の場では、責任を持ってリスクを負う必要もあると述べています。

1は置くとしても、2~5は、日々の生活態度にも当てはまることだよなと。
Gawandeの視野の広さに驚かされます。

でも、やっぱり「Being Mortal」の方が好きかな-。
2018.01.21 23:27 | 和書・洋書 | トラックバック(-) | コメント(0) |












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