屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。

先日、第1回目の和訳勉強会を終えました。
まだ名前がないので(最後までこのまま行きそうな気がする)、私は勝手に「1年勉強会」と呼んでいます。
「取りあえず1年間頑張るよ~♪」という勉強会なので。

その勉強会の話をする前に、時計を1年ほど巻き戻します。
昨年の今頃、義父がちょっと体調を崩しました。一昨年には、義母が、やはり体調を崩して入院していたので、昨年の春、私は「もはやこれまで」と、一瞬軽く覚悟を決めました。
もう「翻訳が1番」の生活は続けられないかもしれない。
しかし、幸いにも大事に至らず以前の生活が戻ってきまして、私が、昨年(隠居屋根裏比)がんがん上京しまくったのは周知のとおりです。
でもだがしかし。
こんな毎日がいつまで続くか分からない。義父母とも今は何とか自立した生活が送れてはいるけれど、少し長期にわたる体調不良で高齢者のQOLががくんと低下してしまうことは、両親で体験済みです。

というわけで、昨年春、「やりたいことはやれるうちにやろう」「翻訳以外は(とりあえず)捨てよう」と決心しました。
その「やりたいことはやろう」の1つが、この勉強会なのです。やっと本題に戻ってきたゾ。

私はずっと、関東の方が参加されているさまざまな勉強会を、関西の片隅から羨ましく眺めていました。
「高名な講師をお招きするのではなく、出席者全員が参加する厳しい勉強会が、関西でもあったらいいのに」

以前なら「いいな、いいな」で終わっていたと思うのですが、昨春以降は、若干「なければつくればいいのでは」の方向に気持ちが傾いていました。
そんなとき、本会の管理人さんが、FB上で「とことん自分を苛めぬく、分野横断的オフライン和訳勉強会をやりたいのですが、一緒にやりませんか」と、事務局(立上げ準備室)スタッフを募集されました。
自分のやりたい勉強会と方向性が似ているように思えましたが、根本のところが違うと、安易に参加しては、そのうち「何か違う」ともやもやした気持ちになってしまい、結局後悔するかもしれません。
何度かメッセージをお送りし、管理人さんが求める勉強会の輪郭を確認した上で、準備室への参加を決めました(その節は、しつこいメッセージでご迷惑をお掛けしました)。昨年の初秋のことです。

その後、オフラインで2回、FB上では何度も、(管理人さんも含めた)スタッフ3名で(大人のお子さまランチを頂きながら)、「どんな勉強会をどんな風に運営しようか」という相談を続けてきました。

「良質の英語をたくさん読み、きちんと解釈し、訳す」勉強会にしたいという点で、3人の意見は一致しました。
1年と期間を区切ったのは、「厳しい勉強会も1年と思えば頑張れるのではないか」と思ったからなのですが、「1年ならば生活が介護に傾いても参加できるのではないか」という私の個人的思惑もありました(スイマセン)。もちろん、2年目以降も続く可能性はあります(1年以内に崩壊する怖れもあります)。

テキストは「The Best American Science and Nature Writings 2017」に決めました。各エッセイはScienceやNatureなどの科学誌に掲載された、きちんとした英語です。そこから、皆がやりたいものを選んでいけば、いちいち課題を探す必要がないではないか、おお一石二鳥。私は以前このシリーズを音読していた時期があったので、何となく「こんなんどうでしょう」的に名前を出したにすぎないのですが、管理人さんも、長いことAmazonの「ほしいものリスト」に入れておられたそうで、アッサリとテキスト(課題)が決まりました。

勉強会は、2回(2ヵ月)で1エッセイに取り組み、1ヵ月目は、各段落の要約を、2ヵ月目は、指定箇所の訳出を課題とし、1ヵ月目の勉強会では、主に(文法も含めた)解釈について議論し、2ヵ月目の勉強会では各自の訳文について議論する、これを6回(又は5回)やる、という大まかな流れも決まりました。実際に1回要約をやってみて分かったのですが、要約するには、全体をきちんと読み、流れを掴み、各段落で必要な箇所とそうでない箇所を取捨選択しなければなりません。読み込む勉強になったような気がします。死んだけど。ちなみに、最初のエッセイの原文ワード数は3000ワード強、全29段落でした。

そうやってオフラインで基本的な流れを決めたのち、FB上のそれぞれのTLでこそこそと参加者を募った結果、命知らず...もとい、ヤル気溢れる方が若干名名乗り出てくださり、先日、第1回目の勉強会を開催する運びとなりました。
当日は、平昌五輪女子フィギュアスケートのFPの日にあたっていたため、勉強会はまさかの即席パブリックビューイングで幕を開け、きちんとした英語に触れる前に美しい滑りに触れて心を清め、侃々諤々の議論を(優しく)戦わせたあと、カーリングにならいおやつタイム(+それぞれの一推し書紹介)を設けて終了となりました。

特に時間配分に気を配ったわけではなかったのですが、各自の要約方法の紹介(それぞれ興味深く、勉強になりました)、意味の解釈に難儀した箇所の検討、内容に詳しい方による説明など、あっという間に時間が過ぎました(心を清める時間もそれなりに長かったしな)。今回はKindle版を購入された管理人さんが、期限までに提出された各人の要約をプリントアウト&人数分コピーしてきてくださったのですが、次回からは、皆の要望で、提出期限を早め、勉強会前に全員分の課題訳文をまとめたものを差し戻してもらい、それぞれがある程度の予習をして勉強会に臨むことになりました。みんな、どんだけ命知らずやねん。
最後に、次回の勉強会の日時と、次のエッセイを決めて散会となりました。

もちろん、1人で同じことができないわけではないのですが、こんな風に期限を切ってもらわないと、これだけのことを続けることはなかなか困難です(意志が弱いだけ、とも言いますが)。
また、「他人の視点」はとても新鮮で、話を進める中で、自分では思いも寄らなかった訳語が口にされたり(即、頂きました)、解釈間違いが分かったりということもありました。
勉強会の利点の1つは「他人の視点を入れる」ということにあるのではないかと思います。
「いいな、いいな」ではなく、自分から手を挙げてみてよかったと、しみじみ思った第1回勉強会でした。
この先1年、状況がどう変わるか、あるいは変わらず今の状態が続くか分かりませんが、大事に一生懸命、仕事と両立させていきたいと思います。


そして、私は、管理人さんが、こそっと「次の課題は今回の3倍の量...」と呟いておられるのを見逃さなかったのだった。3倍あるんかーーーい(^◇^;) 
2018.02.25 20:56 | 翻訳 | トラックバック(-) | コメント(3) |

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2018.03.03 23:05  | # [ 編集 ]

ヨシダヒロコさん、こんにちは。
はい、そうです。時間はかかりましたがやっと立ち上がりました。関東圏を羨ましいと思う関西も、ずいぶん恵まれた場所であることは承知しており、そのことは忘れないようにしたいと思います。
翻訳ストレッチは「翻訳事典2018-2019」(アルク出版)に、提唱された鈴木さんが詳しい内容を書いてくださっていますので、そちらを読んで頂くのが一番いいのではと思います。
フェレットのこと、いろいろお疲れさまでした。ヨシダヒロコさんに手厚く看取ってもらって幸せだったのではないでしょうか。

2018.03.03 11:56 URL | Sayo@屋根裏 #- [ 編集 ]

こんばんは。

あの勉強会ですね。わたしは論文訳す仕事あまりやってないし、気力がなくて普段も読めないので関西のひといいなーという感じです。

関西も東京と比べるとがくんとイベントが減るのは分かりますが、北陸はないです、本当に。漢方とか素粒子物理とかお話聞きに行くにはいい場所かもしれませんが。

こんど翻訳ストレッチの決まり事あればざっと聞かせてください。わたしはフェレットを見送ったばかりでまだゆるゆるです。動物でも看病って気力体力使いますね。

2018.03.02 23:01 URL | ヨシダヒロコ #lMBqkpAs [ 編集 ]













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