屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。

なので、興味とヒマのある方は、おつきあいくださいませ。

もう13年も前の話になりますが。
「医薬翻訳の基礎を勉強する!」と大志を抱いてアメリカの土を踏んだはいいが(<つって、旦那に連れて行ってもらっただけです)、肝心の辞書がない。やっぱり、勉強するには、専門辞書いるよね。
というわけで、当時購読していた「通訳・翻訳ジャーナル」(1家族につき1冊1000以内の月刊誌を会社持ちで購読できるというありがたい制度がありました<当時は月刊誌だったんですね)のバックナンバーをめくってみる。

1999年4月号の辞書特集「ジャンル別翻訳辞書図書館」のプロこだわりのお気に入り辞書(分野別)の「医学・薬学」分野では、イチ押しが「南山堂 医学大辞典(第18版)」、ニ押しが「英和・和英ドーランド図説医学大辞典(第28版)」(廣川書店)、以下「ステッドマン医学大辞典(第4版)」(メジカルビュー社)、「医学英和大辞典」(南山堂)、「25万語医学用語大辞典(CD-ROM版/電子ブック版)」(日外アソシエーツ)となっています。「25万語…」以外は、紙辞書が紹介されています。

参考までに、科学技術一般では、「ビジネス/技術実用英語大辞典」(日外アソシエーツ)がイチ押し、「マグローヒル科学技術用語大辞典」(日刊工業新聞社)がニ押し。「機械」分野では、「JIS工業用語大辞典」(日本規格協会)がイチ押し、「英和・和英 機械用語図解辞典」(日刊工業新聞社)がニ押し。「コンピュータ」分野では、「英和コンピュータ用語大辞典」(日外アソシエーツ)がイチ押し、「電気・電子・情報通信」分野では「情報・通信新語辞典(1999年版)」がイチ押し、「化学」分野では「岩波理化学事典」(岩波書店)がイチ押し、「生化学事典」(東京化学同人)がニ押しです。
ちょっと、時代を感じたりもするのであった。

閑話休題。

医学辞書の話でしたね。
南山堂医学大辞典かステッドマンかドーランドが迷ったのですが、結局、以前翻訳会社さんからお借りして使用したことがあり、中身がある程度分かっているステッドマンを選び、実家から船便で送って貰いました。自身も本の虫だった父が、「大阪の書店まで出て行く立派な言訳ができた♪」といそいそと買いに行ってくれたようです。
というわけで、この「紙版ステッドマン(第4版)」には、本当にお世話になりました。
説明が初心者向けではないという意見もあるようですし、実際、当時説明の意味を理解していたかどうかはビミョーなのですが、収録語数も豊富なので、授業の予習に英和辞典として使用するという目的にはぴったりだったと思います。

当時は勉強目的だったので、もう、このステッドマン様だけで十分だったのですが、せっかく洋書が安く買える環境にいるのだからと、「Dorland’s Illustrated Medical Dictionary (28th edition)」も購入しました。今ではほぼ書棚の片すみで休眠状態ですが、ごくたまに、医療機器の端っこをかすめるような英訳のお仕事を頂いた時、適切な表現を探すのにお世話になることがあります。説明は結構分かりやすいです。ただ、安いだけあって(47ドルくらい)、紙質が悪いのが難。

もう一冊購入して連れ帰ったのが、「Taber’s Cyclopedic Medical Dictionary (18th edition)」。これは、「Physiology」の授業の最初に、先生が、「一冊専門辞書を持つならコレ」と勧めて下さったものです。看護学生を対象とした辞書のようで(community collegeでしたので、生理学の授業といっても、看護その他の医療系の資格を得ようと聴講する学生が多かった)、収録語数はドーランドやステッドマンに比べてずっと少ないのですが、Dorland’sより説明が平易なような気がします。コンパクトサイズ(日本のハードカバー2冊分くらいの厚さ)なのも嬉しい。

ふと思いついて、Amazon.com でDorland’sとTaber’sの書評を読んでみましたら、けっこうTaber’sの評価も高いのね。Medical textbook authorを名乗られる方が、Dorland’sよりTaber’sをかっていらっしゃったのには、ちょっとびっくりしました。

「発症に悩む」(5月20日)で、signsとsymptomsの区別ができていなかったことを白状し、コソコソと去ったSayoですが、Dorland’sでもTaber’sでも、きちんと「イコールじゃないからね~」と説明されていました。ちなみにDorland’sの説明は、

An indication of the existence of something; any objective evidence of a disease, i.e., such evidence as is perceptible to the examining physician, as opposed to the subjective sensations (symptoms) of the patient (signs)

Any subjective evidence of disease or of a patient’s condition, i.e., such evidence as perceived by the patient; a noticeable change in a patient’s condition indicative of some bodily or mental state (symptom)

となっています。Taber’sの記述もおおむね同じです。(Taber’sはsignsとsymptomsを完全別ものとする分類とそうでない分類がある、としています)。
Taber’sでは、この後に、身体各部(abdomen, back, chest, ears, eyesなど)に認められるsymptoms(ここでは、症状と徴候の両者がsymptomとされているようです)にはどのようなものがあるかについての、まるまる2ページに渡る説明があります。このあたりが、Learnerにはやさしいと思うSayoなのでした。

仕事自体は、CD-ROM辞書さんたち&Google調査で、ほとんどのものが完結できているのですが(こまい仕事が多いもので)、時々、こうやって紙辞書を拾い読みするのも好きです。


SayoのBackgroundについては「はじめに」カテゴリの記事をご参照ください。
2011.05.27 12:23 | 辞書・参考書 | トラックバック(-) | コメント(0) |












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