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2018. 11. 14  

訳文の検討では、最後に文体(常体か敬体か)についての意見交換がありました。

なんと、秘書らも含め、管理人さんを除く全員が常体で翻訳していたのです。

原文の全体はウェブ上で読むことができますので、こちらにタイトルを記載します。
勉強会に参加なさらなかった方で興味が湧かれた方は、Googleで検索してみてください。
課題は、この中から長めの1パラグラフとしました。

「The DIY Scientist, the Olympian, and the Mutated Gene」(by David Epstein, ProPublica, January 15, 2016)

この文章は、普通のエッセイより呼びかける的な感じが強く、対象読者年齢も低い(10th Grade=日本でいえば高校1年生相当)、というのが管理人さんのご意見だったかと思います(間違いや不足があったらすいません)。
個人的には、説明の前半部分は納得できるもので「ナルホド、そこまで考えなかった」と思いましたが、後半部分は(高校1年生が日本語で読書する場合を仮定し)「高1をなめんなよ」と思ってしまいました(あくまで個人的な感想です<念のため)。

そのあとで、会場から「このエッセイはラジオ放送の内容を書き起こしたものなので、敬体の方がいいかも」というご意見をいただきました。
少し調べてみましたら、確かに、最初にThis American Lifeという番組(?)の中で放送されているのです。ウェブ記事にもリンクがあるというのに、まったく気がつきませんでした。不覚だわ~。

Something Only I Can See
のAct One ”Do These Genes Make Me Look Fatless?”の部分です。
https://www.thisamericanlife.org/577/something-only-i-can-see

10分ほど聴いてみましたら(…長かったので…)、途中に司会者との掛け合いやエッセイ中の主人公本人による語りが挟まれる、喋り言葉である等々、エッセイとまったく同じというわけではありませんでしたが、ストーリーの流れは同じでした。管理人さんが仰った「呼びかける感」はここからきているのではないかと思います。

そうした背景をいろいろと考えてみた結果、勉強会課題の訳文としては、今は若干「敬体の方がよかったかな」に傾いています。
仕事として考えた場合は、さらに「掲載媒体はどこか、日本の対象読者は」を加味して最終的に判断することになるかなと思います。


あとで「恥ずかしい」と思ったのは、最初に深く考えることなく、当たり前のように常体ではじめてしまったことです。
圧倒的多数の方が常体で翻訳されるという結果にはなりましたが、参加者の中には、もしかしたら「敬体の方がいいかな、いややぱり常体かな」と迷った末に常体で訳された方もいらっしゃったかもしれません。そうした方と自分の間には、まだまだ「さまざまな面から色々考える」という点で、隔たりがあるよな-と思ってしまいました。

最後、若干「時間切れ」で終わらせた感がなきにしもあらずでしたので、謝罪の意味もこめ(+自分を戒めるために)記事にしました。
(でも、こうやって調べたり考えたりする作業は楽しかったです<さまざまなことがビハインドになりつつありますが)


それから、公開勉強会が終わってから、「意外にたくさんの方が、ジツは管理人さんに斬られたがっているらしい」という事実に気がつきました。
これは、秘書らが「斬られる」を連呼したせいもあると思いますので反省しています。「斬られる」だけでは勉強会は成立しません。
確かに管理人さんは、(おそらく)私たちの誰よりも「ものごとを多面的に見る」力があり、「斬られる」部分は「ああ、そうだよねー」という箇所ばかりではあるのですが、それでも、勉強会では秘書らも「ここはこう考えてこうしました(だから譲れませんのや)」と管理人さんに向かっていきます(「そこ訳したときだけ瞬間的に寝てたみたいです」とか「まあひとつチョコレートをどうぞ」と逃げる場合もありますが)。負け戦は確定だとしても、それはやはり「斬り合い」なのです。ということで、多くの方に「管理人さんに斬られたい」ではなく「管理人さんと斬り合いたい」(自分の解釈も投げつけたい)と思っていただけたら嬉しいです。
勉強会に参加するしないに関わらず、日々の翻訳の中で、そうした気持ちを共有できたらと思います。
よく、「翻訳者は、もとめられれば、自分の訳文について(なぜそう解釈したのか、なぜその訳語を選んだのか)すべてきちんと説明できなければならない」と言いますよね。「斬り合いに備えること」はそれと似ていると思う今日この頃です。

公開勉強会から、私も本当にさまざまなことを学びました。ご参加の皆さまに改めて感謝です。
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プロフィール

Sayo

Author:Sayo
医療機器の和訳も9年目。
老眼腰痛、最近は膝痛とも闘いつつ
翻訳人生をまっとうしようと奮闘中。
この頃になってやっと翻訳の奥深さ・
難しさ・楽しさが分かってきたような。
記事は「翻訳一般」多め、ときどき読書感想文、本業(医療機器)やや少な目。
(2019年4月現在)

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