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屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。


11月30日(土)、「『パンクチュエーションのひみつ』 in 大阪」(翻訳フォーラム様主催レッスンシリーズ#16)、無事終了しました。

お忙しい中、日帰りで来阪くださいました深井さん、本当にありがとうございました。
寒い中(いや、でも会場暑かったですね、スイマセン)ご出席くださいました参加者のみなさん、それぞれに都合をつけてのご参加、ありがとうございました。
現地運営、至らぬ点も多々あったかと思いますが、片目を瞑って見逃してくださり感謝しております。

以下、聴講モードに戻りまして、セミナーの感想です。


「『パンクチュエーションのひみつ』 in 大阪」、こんな内容です(告知画面)。


当日セミナーで紹介のあった参考書籍は、こちらにまとめられています。


4月に東京でのレッスンシリーズにお伺いしたさい、「同じものを大阪でも」とお願いしました。
というわけで、セミナーの内容については、まず、4月のセミナーの感想記事をお読みいただければと思います。



私が、英和訳におけるパンクチュエーションの大切さに目を向けるようになったのは、「翻訳を勉強する会」で、「なぜそのem dashを2倍ダーシにしたのか?」と管理人さんから問われるようになってからです。それまでの私は、わりと機械的にdashをダーシに訳すようなところがありました(翻訳以外の文章でも、頻繁に挿入にダーシを用いる「ダーシ大好きっ子」だったということもあります)。けれども、管理人さんから「他の方法で同じ意味にできないか考えてみ」と言われ続ける(笑)うちに、記号の持つ意味について少し深く考えるようになりました。「どんな記号も意味を持ってそこにあるよね?」
そんなときに開催されたのが、上述の「カンマとコロンとセミコロン」(翻訳フォーラム・レッスンシリーズ第12回)だったのです。
セミナーでは、上述のブログ記事にも書いたように、各種のパンクチュエーションが明解に整理され説明されました。


ブログ記事では触れていない点など、いくつか触れておきます。

● コロン(:)とセミコロン(;)
セミコロンは「つなぎ合わせる」記号で、A;Bの前半(A)と後半(B)のバランスはイコール。前半と後半の関係はさまざま(順接、逆接、因果関係など)。この他に、列挙に用いられる場合もある(列挙される各Partsにカンマ(,)が含まれる場合)
コロンは「(その後に詳細や具体例の説明などがくると)期待させる」記号で、A:Bでは、Bの内容の方が細かい。
→翻訳では、この「前後の細かさ(が異なる)」という関係性が際立つような訳にしたい。
→セミコロンは使われなくなりつつあるようだ。本当に必要なもの以外、あえて用いる必要はないのでは。

● 音読の重要性
音読することで、きちんと読むために、そこに記号が必要かどうかが明確になる(視覚情報だけでは、間や抑揚が必要かどうかがわからない)。音読は大事。

● 引用→コーパス
文章や口語英語で引用がどのように表現されているかという話から発展して、各種コーパスの紹介がありました(紹介されたコーパスは、参考書籍のページに記載されています)。
Google検索で、使用しようとしている英語表現が、実際に頻用されているものなのかどうかを確認するには、やみくもにGoogle検索するよりも、こうしたコーパスを検索する方がよいとのこと(使用にはログインが必要)。
SKELL(Sketch Engine for Language Learning)では、検索語に記号も含められる(学習者用なのでサンプル数は少ないとのことですが、私はコロケーションを確認したいときなど、時々SKELLのword sketchを使用することがあり、個人的にはなかなか気に入っています)。

● 実習
カンマ、括弧、ピリオドの有無や位置によって、それ以外の部分が同じ二つの文の意味がどう変わるかを、絵を描いて説明するというもの。先のレポートでも書いたとおり、おそらく、前後の文脈が与えられた状況であれば、きちんと回答できたと思います。そうした事実も、記号がないがしろにされがちな理由のひとつなのかもしれません。実習は前回と同じ問題でしたが、前回は正解できたのに今回は間違ってしまったものがありました。もしかしたら、前回もきちんと身についてはおらず、「そのときだけたまたま正解できた」ということだったのかもしれません。

● 句読法エクササイズ
句読法を「きちんと」身につけるためのエクササイズとして、
 * 手持ちの原文の挿入部分(括弧、em dash、カンマ)に印をつけ、その部分を外して(PC上なら薄い色にする、紙上では薄いマーカーで色付けするなど)読んでみる。
 * 文中、A, B, C(,) Dになっている箇所を見つけ、Oxford commaの有無も確認する。
 * コロンとセミコロンに印をつけ、その用法を(図解するなどして)説明する。
などの方法が挙げられました。上の実習でやった「絵を描く」というのはなかなか難しい。明確に理解できていなければ正しい絵は描けません。この「描いてみる」という方法は、なかなか有効な方法ではないかと思います。


まとめ

パンクチュエーションは、英文を「ひとつの読み方(解釈)しかできないようにする」助けとなるものであるような気がします。
英文を読む場合は、パンクチュエーションが、明確な絵を描くための道標になる。明確に描かれた絵は、適切な訳文につながります。
また英文を書く場合は、適切に用いることで、誤解の余地がない英文を書くことができる(逆に言えば、パンクチュエーションなしでも誤解のない英文になるのであれば、入れなくてもよいということになります。漫然と使えばよいというものではないということだと思います)。

懇親会の席では、NMTはパンクチュエーションをきちんと認識しないという話が出ました。
パンクチュエーションをきちんと理解することで、機械よりひとつ秀でた武器を持てるということになるかもしれません。


懇親会まで含めると、約7時間半、色々考えさせられた、充実した、楽しいセミナーでした(最後の最後に当てられるとは思わず油断してましたけど)。
深井さん、長丁場ありがとうございました。皆さま、協同して楽しい時間をつくってくださってありがとうございました。
2019.12.01 19:41 | 大阪でもレッスン2019 | トラックバック(-) | コメント(0) |












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