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屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。


日本語タイトルは、ワタクシがその場のノリでつけてみました。
英語だけだと、「?」なタイトルですよね。

原書タイトルは、
『The Big Ones - How Natural Disasters Have Shaped Humanity (and what we can do about them)』 (Lucy Jones)

私が購入したのはコチラのペーパーバックですが、いくつか版があるようです。ペーパーバックはこれが一番安価。Kindle版は721円、Audibleは今なら0円です、0円ですよ、奥さま(2020年1月11日)。

原書は、勉強会のテキストや「これ読まな」(MUST)以外は、ヨコシマな下心(て何やねん<自分)を胸に(笑)、興味の持てそうな内容で、かつ翻訳書が出ていなさそうなもの(探し得るかぎり、ということですが)を選んで読むようにしています。原書を探すときは、必ず「なか見!検索」を斜め読みし、Amazon.comの書評を参考にします。医療系のノンフィクションを選ぶことが多いのですが(仕事柄、もあるけれど、もともと好きなジャンル)、これは、珍しく災害系(?)。「なか見!検索」で確認した目次に、関東大震災と東日本大震災が含まれていて、「外国人専門家の目からどのように見られているのだろう」と興味を持ちました。

著者Lucy Jonesは、カリフォルニア在住の地震学者。多数の論文を発表していますが、著作はこれが一冊目のようです。2016年にUnited States Geological Survey(USGS)を退いたとありますので(Wikipedia)、その後に書き上げたものだと思われます。原書を選ぶさいは、Referencesの充実具合も参考にするのですが、本書末尾のNotesやBibliographyも、しっかりしたものという印象を受けました(NotesとBibliographyは「なか見!検索」で確認できます)。

全12章の構成で、ヴェスヴィオ山の噴火による古代ローマ都市ポンペイの消滅から、東北大震災まで11の自然災害を年代順に取り上げ、その特徴、発生までの経緯、災害に際して人々がどのように行動したか、その災害やそのときの行動はその後どう活かされたのか(OR活かすべきか)を論じています。そして、最終章で、地震多発地帯(特にアメリカ西海岸)の住民や地震学者に何ができるかを考察するという全体の流れです。11の自然災害は、ヴェスヴィオス山の噴火、関東大震災、東北大震災の他に、ラキ火山の噴火(アイスランド)、アメリカの二つの大水害、ハリケーン・カトリーナによる水害など。

関東大震災の章では、震災以前、特に明治以前、日本で地震がどのように捉えられていたか(大ナマズが暴れているんだとか…)、明治時代に日本で地震学がどのように発展したか、当時の日本国民(特にもろに被害を受けた東京・横浜の人々)がこの天変地異をどのように捉え、また責任転嫁したかが、外国人視点ということもあるのか、淡々と書かれていてとても興味深いです。そして、(どの章もですが)ストーリーとして面白く読める。

また、ミシシッピー河畔の水害の章(だったと思う<付箋を貼り忘れた)には、大地震に比べて地味で世の耳目を引きにくいが、被害は膨大だというような記述があって、ここ数年の台風による災害を思い返してみると、本当にそのとおりだと思わずにはいられません。近年の災害の章には、地震学で予知できること・できないことについての記述もあって、これも興味深い。英語ですし専門用語もたくさん出てくるので、地震や堤防決壊などに関する記述は「なんとなく分かる」程度なのですが、文自体はそう難解ではなく、ワタクシのような地震学初心者も十分楽しめるものでした。
音読したので時間が掛かりましたが、黙読で読んだら、結構一気にいったんじゃないかと思います。

Amazon.comの評価は(高けりゃいいというものでもないとは思いますが)全89件、平均4.7とかなり高いものです(2020年1月11日)。

各地で災害が多発している現状を考えると、「日本でもそこそこ売れる本」ではないかと思います(もうどなたか翻訳中でしたらゴメンナサイ)。
万一、こちらを読んでおられる出版関係の方がおられたら、是非ご検討ください(この分野に強い方の翻訳、若しくは自然災害専門家の方の監修付きだと嬉しいかも>生意気言ってスイマセン>言うのはタダなので言うてみた)。
2020.01.12 00:13 | 和書・洋書 | トラックバック(-) | コメント(0) |












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