屋根裏通信

在宅で細々実務翻訳をやってます。翻訳、英語の勉強、その時々の出来事などのんびり綴っています。

私の周りには、結構、「ある作家の新作が出版されたらとにかく買う」という知人がいます。たとえば、「村上春樹はとにかく買う」とか「東野圭吾の著作は全部持っている」とか。私も、一時は「宮部みゆきは買い」でしたが、金の亡者となり果てた今では、「図書館で待ち」または「BookOff 105円均一待ち」の姿勢に変わっています。あ、「海堂尊も待ち」ですかね。せこいヤツです。
で、それを、私たちは「作家買い」と呼んでいます。

その伝でいくなら、20代後半から30代前半にかけて、私は「訳者買い」をしていた時期がありました。とにかく本を読みまくっていた時期で、その半分くらいは翻訳書でした。それは、その翻訳者の方の訳が絶対的に絶品だったというより、その方の言葉の選び方とか文のリズムが「自分に合ってる」という部分が大きかったと思うのですが(でもって、大元にはもちろん「原作者の作風が好み」というのがあるのですけど)。

それは、こんな方たち。

私の「訳者買い」の原点は、やはり「赤毛のアンシリーズ」の村岡花子さんです。その後、他の方で訳書も出ましたけれど、私にとっては、いいとか悪いとかの問題ではなく、「赤毛のアンはやっぱり村岡花子さん」なのです。シリーズの1作目はすでに戦前に翻訳されていたというから驚きです。ちなみに、シリーズの中では「アンの娘リラ」が一番好きというちょっと変わり種です。
「足ながおじさん」とか「少女パレアナ」とか「小公女」とか「秘密の花園」とか、集英社コバルト文庫(ヤングアダルト向けの文庫の老舗です)創刊前に女の子が夢中になった少女小説(と呼んでいいんでしょうか?)の翻訳も、殆ど村岡花子さんが手掛けておられました。

福島正実さん。SFの翻訳を主になさっていました(ご本人も書いておられたのかな?)この方の翻訳がなければ、私はハインラインの数々の著作に出会うこともなかったと思います。一番好きなのは「夏への扉」だったのですが、この本は15年ほど前に旦那友人に貸したまま行方不明になってしまったのでした(だったらもう一度買えよって話ですが)。この「夏への扉」は、小尾芙佐さん(この方の翻訳も好きです)の翻訳で復刊されていることを最近知ったのですが、最後の「そしてもちろん、僕はピートの肩をもつ」(福島訳)はどう訳されているのかが、ちょっと興味深いところです(原文は、確かYou know, I think he is rightだったと思います<ちょっと間違っているかも)。

深町真理子さん。主にメアリー・H・クラークの訳書を「翻訳者買い」していましたが、ゼナ・ヘンダースンの「ピープルシリーズ」(SF)も好きでした。ちなみに、恩田睦さんは、このピープルシリーズに触発されて「光の帝国」を書かれたということなのですが、読んでみて、なるほどな~と思いました。「光の帝国」の方が、ちょっと重かったですが。

永井淳さん。ジェフリー・アーチャー&アーサー・ヘイリーと言えばこの方でした。もちろん、原作そのものが素晴らしかったのだと思いますが、最後まで一気読みできたのは、永井淳さんの翻訳のおかげもあったと思います。

食野雅子さん。現在は児童書を中心に翻訳をされているようですが、この方が訳されたアンソニーの「女性情報部員ダビナシリーズ」が好きでした。

出版翻訳者の方が「訳者買い」という言葉をPositiveに捉えて下さるかどうかすこし不安なのですけれど(その訳者さんの癖が文体やリズムに出ているということでもありますよね<個人的には、きちっと訳出がされていれば、「それ」はありだと思いますけれど)、少なくとも、私がここで言う「翻訳者買い」は、原作者と翻訳者セットでの買い(翻訳者が原作のよさを伝えていて、なおかつその訳文も自分の好み)ということですので、「原作も訳書も大好き」という意味に捉えて頂けたらと思います。うまく説明できなくてすいません。いや、万一、出版翻訳をされている方が、ご覧になっていたらってことなんですが。

今は、仕事関係以外の本はあまり読まなくなってしまいました。
忙しいのもあるんですが、老眼なので(老眼鏡持ってますけど)、こまい文字は辛いのよ。
でもだがしかし。
それではいかんなあと思いつつある今日この頃です。
(人生の楽しみを捨てているよな~と思ったり)

SayoのBackgroundについては「はじめに」カテゴリの記事をご参照ください。
2011.10.05 21:03 | 分類不能 | トラックバック(-) | コメント(0) |












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